2005年10月31日

10月もオシマイシシマイ

ども.3日続けて石ちゃん語じゃないエントリーが続いてたのに気づいて,ちょいと気持ち悪い(笑)タヌキぼーやでござい.ま,内容自体はどれも気合い入ってるノダけど.

さーて,今日で10月もオシマイシシマイナノダ.Movable Typeでの第4期タヌキにゅーすを始めて,ちょーど2か月になるノダ.

今月もいちおー,毎日更新って表向きはなってるけど,ナンダカ忙しくて,長文を中心に実際にゃ遅れて投稿したエントリーが少なからず(自己申告).主立った遅刻エントリーを↓に並べるんで,気が向いたら見てやっておくんなまし.

親子で楽しむ能の世界:能楽ワークショップ in 一風亭

私が広告デザインを担当しました「松江・能を知る集い」の講師陣による能のワークショップが,安来で開催されるそうです.参加申込の締切が今日ということですが,見学だけでも可能とのことですから,興味お持ちの方は,主催者に問い合わせてみるとよいでしょう.松江と同じく,能の身体感覚を体験できる,能のワークショップの中でもこの講師陣ならではの内容になる模様です.

日時
11月6日(日)13:30-17:00
会場
やすぎ懐古館「一風亭」(安来市安来町大市場)
講師
槻宅聡(能楽森田流笛方/安来市出身)
安田登(能楽下掛宝生流ワキ方)
参加資格
高校生以下のワークショップ参加者とその親(1人での参加にも対応)
募集人員
ワークショップ参加:40名
観覧:若干名
申込多数の場合抽選
参加費
大人:500円
高校生以下:無料
内容
第1部:体験ワークショップ(13:30-15:30)
  • 声を出してみよう(謡、掛け声)
  • ゆっくりと歩こう(構えと運び・すり足)
  • 朗読・群読
  • 能面をつけてみよう
  • 能のチャンバラ(斬組)
第2部:交流会(15:45-17:00)
用意するもの
白足袋(白い靴下で代用可)
申込締切
10月31日(月)必着
主催
安来市まちづくり協議会
電話:090-3377-7137(米原)
fax:0852-27-1392(足立)
e-mail:yonehara-kenji@pref.shimane.lg.jp
詳細
http://www.city.yasugi.shimane.jp/p/1/5/12/2/1/9/

2005年10月30日

資生堂 美と知の世界:女性美の追求―オシャレでモダンなデザインスタイルの創造(展覧会)

3日間にわたった「2005神在月出雲全国そばまつり」が終わりましたが,その会場となった出雲文化伝承館で開催中の展覧会「女性美の追求」を御案内します.

化粧品でおなじみの資生堂は,昔も今も時代の最先端を行く広告やプロダクトのデザインを世に送っていますので,私のようなデザイナーのハシクレにとっても,常に目が離せない存在です.また,パーラーやギャラリーの経営,企業PR誌・企業文化誌の創刊といった幅広い企業文化活動でも,日本における先駆的な役割を果たし,今なお継続しているものが数多くあります(資生堂サイト内の企業文化活動に関する情報).

チラシを見る限りでは,福原信三の写真も出展されるようです.福原信三は昭和戦前期の資生堂社長で,近代女性のライフ・スタイルを提案する企業活動を展開した,今回の展覧会のキー・パーソンと言える人物なのですが,同時に写真家としても歴史に名を残しています.なお,松江に取材した「松江風景」(1935)が島根県立美術館に収蔵されています.

それにしても,資生堂の企業文化を紹介する展覧会が,なぜ出雲市で開催されるのだろうと思っていたのですが,チラシによると,資生堂が拠点とする銀座には,徳川時代に松江藩が造成した「出雲町」があり,街路には資生堂のシンボルとして知られる椿が植えられたことから,出雲市と銀座地区,資生堂とはかねて交流があったようです.

なお,11月2日には資生堂名誉会長・福原義春さんの講演会があります.福原さんと言えば10年ほど前,企業メセナ協議会の会長としての講演を,出雲市民会館で聴いたものでした.その後の不況で世の中全体としては企業メセナ活動は下火になった感がありましたが,資生堂はよく孤軍(?)奮闘していると思います.

日時
10月20日(木)―12月4日(日)9:00-17:00(入場は16:30まで)
会場
出雲文化伝承館(出雲市浜町)
一畑電鉄浜山公園北口駅下車,徒歩10分程度
入場料
一般:300円(20名医上の団体は2割引)
高校生以下:無料
休館日
月曜日
祝日の翌日

記念講演会:資生堂の企業文化

講師
福原義春(資生堂名誉会長)
日時
11月2日(水)14:30-15:30
会場
出雲文化伝承館縁結び交流館
入場料
無料

2005年10月29日

デザイナーとの会食

デザイン方面の学校に行ったことも就職の経験もないままデザイナーとして活動している私には,同業者(副業の場合を含む)の知り合いは片手の指で数えられるほどしかいません.今日はそのうちのおひとりで,以前からメイルでやりとりのあった同年生まれのデザイナーの方に初めてお目にかかり,昼食をともにしながら,お互いの作品や制作環境,デザイナーになるまでの道のり,デザインの手法や考え方などを語り合いました.

そのデザイナーの方は,今年2月の島根広告賞で私の出品パネルを御覧になり,私に興味を持って下さったとのこと.実は私もその方の作品にはかねて惹かれるものがあり,誰の作品とも知らないうちにチラシやポスターを集めていました.ストーリー性のある作品世界,私とは異なる手法での独特のタイポグラフィ,そして写真のディレクション.県内で活動するデザイナーの中では,最も魅力的な作品を精力的に世に送っているひとりであると,私は見ています.

話題の中心は,相手の方のフォト・ディレクションと,私のInDesignとOpenTypeフォントを用いたタイポグラフィという,互いの得意分野に絞られていきました.私は写真を積極的に用いた作品を手がけたことがないため,その綿密な絵コンテづくりや,ユーモアを含むストーリー設定といった舞台裏のお話には,大いに興味をそそられました.

「いつか一緒に仕事ができれば」,そんな話もしました.実現すれば,きっと世の中ちょっぴり面白いことになりそうな気がします.

2005年10月28日

Movable Type 3.2 日本語版をインストール

昨日以降タヌキにゅーすを見てくれた人は,デザインやレイアウトが見るたびに変わってるよーな気がしたかも知れないけど(笑),ダウンロードしたままになってた(タヌキにゅーすMovable Type 3.2の日本語版を,おべんきょの必要もあって,よーやくインストールしたノダ.

タヌぼーの目についた3.17からの主な変更点は,

  • スパム・フィルターの強化(これが目玉みたい)
  • 管理画面を「メイン・メニュー」と「システム・メニュー」に分離
  • 管理画面のフォント・サイズが少し大きくなったよーな
  • その代わり,エントリー編輯画面の「エントリーの内容 (body)」のフォント・サイズが小さくなって,一度に表示される行数・字数が増えた(これは小さくなってよかった)
  • 個別エントリー・ファイル名のカスタマイズが可能に
  • デフォルト・テンプレイトの変更

ってとこナノダ.ほかにもタヌぼーにゃ影響がないとこで,いろいろ変更点はあるノダ.

タヌぼーとしちゃ,投稿画面に「エントリー・ファイル名」って項目が作られて,個別エントリー・ファイルのカスタマイズができるよーになったのが,一番助かったノダ.3.17で,データ格納にBerkeley DBを利用する場合,個別エントリー・ファイル名は,エントリーのタイトルの含まれる英数字が自動的に採用されて,日本語のタイトルをつけたときにゃ,「28_fri.html」みたいに投稿日が割り振られたノダ.新規エントリー作成段階で,英数字だけのタイトルつけて保存すりゃ,任意の個別エントリー・ファイル名はつくノダけど,あとで変更することができなかったノダ.

これって,blogでふつーのサイトを作るとき(CMSとしてのblogの利用)に不便ナノダ.日記としてblog使う分にゃ,ファイル名なんてあまり気にならないだろーけど,ふつーのサイトだと,ファイル名やディレクトリー名でファイルの内容を判断しながら見ることが多いからニャ.Movable Typeは全体としちゃCMSにも向いたblog toolだとは思ってたけど,この点がヒジョーに気になってたノダ.今後Movable Type使った仕事することもあろだろーから,今回の改善は大歓迎ナノダ.ワーイ.

一方,アタマ抱えたのが新しいデフォルト・テンプレイト.旧ヴァージョンからアップグレイドした場合にゃ,以前から使ってたテンプレイトがそのまま引き継がれるノダけど,3.2の新機能や変更点知るのに役立つカモって思って,使ってみたノダ.トコロがトロロがとなりのトトロが,表示するエントリーが長くなると,Opera 8.5ではエントリーの背景色の白(#fff;)が表示されなくて,の背景色(#36314d;)が出てきちゃうことがあったノダ.ちょこっといじって修正できればよかったけど,idやclassがベラボーに多くて,どこ手ェつけりゃいいかわかんなくてお手上げ.

ってなワケで,新しいデフォルト・テンプレイトとは早くもオサラバ.とりあえず「小粋空間」配付のテンプレイトを使うことにしたノダ.こっちはスッキリしたソースで,カスタマイズしやすいノダ.

「webもやってるデザイナーなら,自分でテンプレイト作るくらいじゃなきゃ,タヌキぼーや」って天の声が聞こえそーだけど(自滅),Movable Typeの仕組みとか,独自タグの使い方とか,もーちょい理解してから取りかかりたいノダ.タヌキにゅーすの新デザイン,もーちょい待っておくんなまし.

2005年10月27日

ブジオ

NHKTV見てることが多い木曜の夜8時だけど,今日はアンコール放送なんで,今夜は今月から始まったTBS系ラジオの『ブジオ』聴いたノダ.

平日毎日やってる番組で,毎週木曜日は眞鍋かをり“女王様”と新人アナウンサーの新井麻希さん(キャラクター強烈でっせ)の担当.ねーちゃん2人がいろいろ笑わせてくれとったノダ.

番組名は「ブログ」+「ラジオ」に由来するノダそーで,公式blogに集まるコメントやトラックバックも,リスナーの投稿って扱いになってるみたいナノダ.

リスナーにとっては音声だけで記録されるモノだった投稿が,リアル・タイムで文字に記録されて.そのまま引き続き公開されるってのは,webならではの眺めだニャ.しかもそれが番組サイト内にとどまらなくて,トラックバックで無数のblogに及ぶ可能性も持ってる.番組を通じて作られるコミュニティーの形が,blogによって誰の目にもクリアに見えて,広がりのあるモノになりそーな気がするノダ.blogと連動したラジオ番組の作り方ってのは,これからひとつのモデルとして広まってくんだろニャ.

そうそう,この番組って,電波に乗った放送とは別に,Podcasting配信の短いコンテンツもあるノダニャ.iTunesでダウンロードしたノダ(番組blogからものMP3ファイルのダウンロードが可能).Podcastingってのはストリーミングと違って,手軽に音声をファイルに残せるから,繰り返し聴くのに便利ナノダ.それにしても,日本ではサーヴィスが始まって間もないってのに,Podcastingの日本語コンテンツって数え切れんほどあるニャ.ストリーミングに変わる音声・動画のネット配信方式になってくんだろかニャ? そーなって欲しいけどね.

2005年10月26日

卒煙式

Windows用オンライン・ソフトウェアの紹介サイト「窓の杜」で昨日取り上げられてた,「卒煙式」をインストールしてみたノダ(窓の杜 記事).

禁煙(「卒煙式」サイトでは「卒煙」って言葉を推奨)を支援する一手段ってことで紹介しとくノダ.

初期設定画面1

「卒煙式」を初めて起動したときに現れる初期設定画面.これまで1日に吸っていたタバコの本数,価格,サイズを入力する.タヌキぼーやは,後にも先にもタバコを吸わないから,数値はてきとーに設定(笑).

初期設定画面2

数値の設定を終えたら,「今から卒煙を開始しますか?」と訊ねられた.「卒煙を開始する(CR)」ボタンを押せば,次の画面に進める.「もう少し考える」「また次の機会にする」なんてボタンまである(笑).

卒煙1週間目の画面

卒煙1週間目の画面.「卒煙からの日数」「延びた寿命」「肺の状態」「節約できた金額」といった項目で,卒煙の日数が延びることでもたらされる効用がわかる.「今日の一言」による励ましは,さしづめ“ひとり禁煙マラソン”といったところ.軍隊の階級名で表される「ステータス」や「吸わなかった煙草」の長さが何に匹敵するかまで教えてくれるのは御愛嬌.

「コピー」ボタンで,画面に表示された内容をテキストとしてコピーすることができる.blogに投稿して卒煙日記をつけるときなどに便利(ソフトウェア作者のblog).

卒煙2週間目の画面

卒煙2週間目の画面.

卒煙1か月目の画面

卒煙1か月目の画面.祝福してくれます.

2005年10月25日

《冷泉家住宅》一般公開

ほんのこて,京都へ行きたか~.

ナゼか藩侯上洛の随行を志願する幕末の薩摩藩士の気分になって,NHK大河ドラマ『翔ぶが如く』(1990)仕込みのエセ薩摩弁で叫んでますけど(ワケわからん),《冷泉(れいぜい)家住宅》(1790)が一般公開されるってニュース(YOMIURI ONLINE)を見つけた以上,ナニかひと言書かないわけにはいきもはん(またエセ薩摩弁).ナンでも,京都古文化保存協会の秋の特別拝観の一環だそうです.

《冷泉家住宅》の塀の写真

期間
2005年10月28日(金)―31日(月)
拝観料
大人:800円
中高生:400円
問い合わせ先
京都古文化保存協会
電話:075-561-1795

今を去ること10数年前の中学時代だったでしょうか,『日本の旧華族たち』などというTVを見ていましたら,現存する唯一の公家屋敷を守る家ということで,冷泉家が紹介されました.公家というものは,明治期にことごとく東京に移住し,幕末まで公家屋敷が密集していた今の《京都御所》(1855;平安時代の様式による)周辺は,残らず「京都御苑」という緑地公園になったものと思い込んでいました.そんな私にとっては,維新後も京都に残った公家がいたということ,京都御苑の外という立地が幸いして近世以来の屋敷が現存し,今なお年中行事の舞台として用いられているということは,驚くべき事実でした.公家・大名出身の旧華族が今日も,家の行事や家業を大切に受け継いでいる様子は,番組全篇を通じてうかがわれたことですが,近世以前に建てられた邸宅ごと守り続けているのは,冷泉家のほかにはほとんどなかろうと思います.

しかも,冷泉家は歌人として名高い藤原俊成・定家父子の子孫の家系で,先祖の歌道と典籍を今に伝えているという点に,ますます興味を覚えました(小学5,6年には,定家が撰んだ『小倉百人一首』を暗誦したものでした).俊成・定家自筆の歌論書や日記,書き写した文学作品までも,「御文庫」と呼ばれるこの屋敷の蔵に現存していたとは.1980年の「御文庫」公開当時を知らず,古典文学について詳しい知識を持たない私でさえ,興奮させられる話です.

高校時代には学校の図書館で,冷泉為任(ためとう)監修『冷泉家の歴史』(朝日新聞社,1981)を繰り返し借りて読み,ブンゲエ部では近世の公家を主人公にした小説を書きました.大学に入ってからも,史料蒐集のため通った京都大学の建築系図書室から宿へ戻る途中,当時解体修理中だった《冷泉家住宅》の足場を夕闇に探りあて,出雲への帰途には福山の広島県立歴史博物館で開催されていた「冷泉家の至宝展」(1998)に立ち寄りました.2001年には《京都御所》の秋の一般公開に出かけた足で,解体修理を終えて間もない《冷泉家住宅》前に再び立ち寄り,土壁と瓦が真新しい塀の向こうで営まれる,折々の行事に思いをめぐらせたものでした.

最近でも,NHKラジオの『京都冷泉家の八〇〇年:和歌の心を伝える』という講座(2004)を,毎週愉しみに聴くなど,冷泉家への関心は絶えることがありません.

さて,公家の屋敷と言いますと,平安貴族の住宅の建築様式として知られる寝殿造のようなものを想像するかも知れませんが,時代は下って徳川時代,しかも冷泉家は中流の家柄ですから,写真や図面を見たところでは,わりとこぢんまりとしていて,数寄屋造を思わせる質素な住宅です.それでいながら,大小さまざまの規模の部屋が,襖を隔てて連続する様子や,来客用の大玄関に対して家内の者が用いた内玄関を隠すように立つ,立蔀(たてじとみ)という格子の衝立塀には,公家の屋敷らしい格式が感じられます.蔀はもともと寝殿造や社寺の建築に用いられた釣戸.私もいずれは屋敷の門をくぐり,立蔀に迎えられて公家文化の一端を体感したいものです.

写真:解体修理を終えて間もないころの《冷泉家住宅》の塀(2001年10月撮影)

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2005年10月24日

しまね大田楽・真伎楽

パンフレットの写真

昨年に引き続き,島根県民会館で「しまね大田楽」の上演がありました.私は今年初めて見に行きました.

昨年6月に亡くなった和泉流狂言方の五世野村万之丞さん(八世野村万蔵を追贈)は,もうひとつの顔である「総合芸術家」としての活動の大きな柱として,廃絶した日本の藝能の復元に取り組んでいました.中でも,田植の際に催された舞や囃子に由来し,平安・鎌倉時代に大流行した田楽(でんがく)を再興した「大田楽」は,万之丞さんの代表的な仕事です.

今年の「しまね大田楽」は,飛鳥・奈良時代にかけて仏教寺院の法会などで上演された伎楽(ぎがく)を,これも万之丞さんによる復元作業を経た「真伎楽」と併せて上演されました.いずれも一般公募した多数の地元市民が,キャストやスタッフとして参加したそうです.

「真伎楽」の印象をひと言で記せば「シルクロードの終着駅」.奈良の正倉院と取り違えたわけではありません(笑).中国,朝鮮からインド,東南アジアまで,アジア各地の藝能が,次々に繰り広げられたかのようでした.仏教伝来から,遣隋使・遣唐使,東大寺大仏の開眼供養に至る,国際色豊かな古代日本を想像させるのに,充分なものがありました.

中学校に上がる前だったのか後だったのかは忘れましたが,1980年に催された東大寺大仏殿のいわゆる「昭和の大修理」の落慶法要の様子を,TVでほんの一部だけ見たことがあります.あまたの僧侶が唱える読経(と呼んぶのが正しいかどうかはわかりませんが)のメロディーや,ユーモラスな表情をたたえる伎楽面に頭をスッポリと覆った人々が登場する場面を,「真伎楽」を見ながら久々に思い出しました.

「大田楽」と言えば,私はNHK大河ドラマ『太平記』(1991)を思い出さずにはいられません.足利尊氏の生涯を描いた『太平記』は,万之丞さんが本名の野村耕介を名乗っていた時期に藝能考証を手がけた作品です.第1回最初のシーンは,有力御家人・安達泰盛の館での田楽の上演.高々と建てられた竿によじのぼって軽業を披露する田楽法師が,館に押し寄せる軍勢を目撃する…….泰盛が北条得宗の内管領・平頼綱に討たれる霜月騒動が,そのように描かれました.その後,ストーリーでは白拍子の一座が重要な役どころとして活躍,やがて藝態を変えて今日の能に近いものを生みだし,終盤には一座を率いる夫妻の息子として若き日の観阿弥も登場しました.最終回は,尊氏が妻と佐々木道誉とともに「三番叟」(舞ったのは万之丞さん本人)を観ながら生涯を回想する場面で終わるという具合に,1年を通じてドラマの進行とともに中世藝能史絵巻を見せていました.中でもドラマの前半は,田楽狂いとして知られる鎌倉幕府の執権・北条高時の時代ということで,随所に田楽の場面が盛り込まれました.『太平記』を通じて観た演技,耳になじんだ囃子の音を,10数年の歳月を初めて直に接することとなり,大変懐かしい思いをしました.

さて,2003年に万之丞さんの演出で観た「復元出雲阿国歌舞伎」に続き,今回「大田楽」「真伎楽」を通じて改めて気づいたのは,復元した藝能を一般市民の観賞に供する際の万之丞さんのスタンスです.400年前,出雲の阿国が四条河原で上演したとされる「かぶき踊り」を始めとする初期の歌舞伎を甦らせた「復元出雲阿国歌舞伎」では,池乃めだかさんが定番のギャグを披露しました.「真伎楽」では日本を含むアジア各地の獅子舞の共演が盛り込まれました.「大田楽」に至っては,一輪車も登場しての中国雑伎まで観ることとなりました.かぶき踊り,伎楽,田楽を,史料に基づいて厳密かつ忠実に再現しようとすれば,眼中に入りそうにない要素を敢えて取り入れている.この点に,単なる(と言っても困難を極める作業と思われますが)復元にとどまらない,現代のエンターテインメントとしての藝能を万之丞さんは見せようとしたのではないか,と私は思うのです.サドルの位置高い一輪車に乗りながら,足だけを使っていくつもの椀を頭の上に乗せていく藝での,舞台・客席一体となった盛り上がりには,現代のエンターテインメントとしての「大田楽」の成果を感じました.あれはTVの生放送で一度見たことがありましたが,ナマの臨場感と昂揚感は格別でした.

2年続いての「しまね大田楽」となったわけですが,今後どのような方向に進むのか,興味あるところです.来年以降も有料公演として続けるのであれば,毎年同じ内容では観客もキャストもさすがに飽きてしまうでしょう.今年は「真伎楽」を併せて上演し,1週間前には兄弟プログラムのような位置づけで,朝鮮の「鳳山仮面劇(ボンサンタルチュム)」の公演もあり,一定の工夫のあとがうかがえました.さて,次はどんな手を打ってくることでしょうか.

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2005松江市健康福祉フェスティバル

「しまね子どもをたばこから守る会」ブースの写真

昨日までの2日間,松江市保健福祉総合センターで開催された「2005松江市健康福祉フェスティバル」には,私も会員に名を連ねる「しまね子どもをたばこから守る会」もブースを出展しました.

私は特にお手伝いすることもなく,完全にお客さん状態でしたが(笑),2日間で37人にニコチン・パッチを処方した禁煙相談を担当した医師の会員のみなさんは,さぞかし忙しかったかと思います.会場設営・撤収に当たったみなさんともども,おつかれさまでした.

2005年10月23日

大人の華展

会場のいけばなの写真

タヌキぼーやが広告のデザインを担当した「春の夜の夢:薩摩琵琶と朗読の夕べ」の実行委員だった山根さんのお店「暮らしのギャラリーなすの花」が,「春の夜の夢」と同じ会場で,古布のリフォームを中心にした作品展をやってるってんで,顔出してきたノダ.

会場は宍道湖北岸の,湖が見下ろせる高台に建ってる古い民家ナノダ.閑かなとこだけど,会場だけはにぎわってたノダ.季節感たっぷりのしつらえともてなしを愉しんできたぞよ.囲炉裏端でいただいた,ふかし芋と平田・来間屋の生姜湯,おいしかったニャ.

2005年10月22日

神楽のシンポジウムに行く

パンフレットの写真

先日タヌキにゅーすで紹介した「神楽:神々の舞・誕生の謎に迫る(第5回神在月古代文化シンポジウム)」に行ってきました.

神楽は小学生のころ,近所のお寺の祭礼で石見神楽を見たほかは,本の写真やTVで出雲神楽をチラッと見かけた程度です.いずれもスサノヲノミコトのヤマタノオロチ退治を扱った神話劇でした.そのため,神楽というのは出雲神話に取材して演じられる藝能だとばかり思っていたのですが,とんでもない勘違いでした.

演者が仮面と装束をつけて物語の登場人物に扮して演劇を繰り広げるのも,出雲神話をもとにした演目を上演することも,能楽の能の影響下で成立したということ.島根県内では地元の神話に基づく演目の上演が多いけれども,広島県の芸北地方では,同じ能の影響でも「紅葉狩」などの神話とは関係のない鬼退治の神楽が盛んに上演されるなど,ひとくちに「神楽」といっても地域ごとの特徴がある…….

学界では定説なのでしょうけれども,地元の神話をもとにした地元の神楽しか知らなかった私には,初めて知ることばかりでした.

ところで,小田幸子さん(東京都文化財研究所)が能楽研究の立場から,廃絶曲や上演記録のみが伝わる演目をを含めて,出雲を舞台とした能の紹介がありました.現行曲の「大蛇(おろち)」と同じくオロチ退治を扱った廃絶曲に「神有月(かみありづき)」があるそうです.これは「大蛇」が現在進行形で物語が進むのに対し,神社(ここでは出雲大社)に参詣した大臣の前に祭神(スサノヲノミコト)たちがあらわれ,神話を再現して見せるという,脇能らしさたっぷりの形式だとか.せめて詞章の読み比べて,地元神楽でおなじみの題材が,能ではどのように演じられたのか,深く知りたいところです.

SPEED TUBE(たぶん)

P-MODELなるテクノなバンドに「SPEED TUBE」って曲があるノダ(アルバム『P-MODEL』1992).バンド結成20周年本『音楽産業廃棄物』(初版:1999;改訂復刻版:ブッキング,2005)の「不許可用語集」によると,

SPEED TUBE/量子の衝突実験のために全長数kmに及ぶ巨大なチューブ.筑波に実在する.

んだそーナノダ.

そんなバカ長いチューブ,ワテらの生活で目にすることなんてないニャ~なんて思ってたら,ETVサイエンスZERO』に,それらしきモノが出てきたノダ.ナンでもビッグ・バンを再現するための装置らしいノダ.

番組に出てきたのは,全長3kmだか4kmだかのチューブだったノダ.地下の水道管みたいに人が入れるほど太いモノかと思ったら,チューブ自体はむしろ家庭用の水道の配管に近そうなほど細くて,その代わり配管のためのトンネルや,実験の測定やらナンやらのための空間がたっぷりとってあって,小学校のときに見学した中酪牛乳の工場思い出したノダ(笑).カミオカンデといい,自然科学の実験施設って,ワテら門外のモノはそのでっかさだけで腰抜かすよーなシロモノが,平気な顔して出てくるからエリャアことですわ.

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滝翼出雲魂咲会跳

滝翼出雲魂咲会跳

↑読める?

これで「タキツバ イズモ コンサート」なんだって.ナンのこたぁない,タッキー & 翼の出雲公演が今日あったノダ.

お昼に電車乗りに出雲市駅まで行ったら,会場の出雲ドームへ行くシャトル・バスに乗り込む人の群れがバス乗り場にできてたノダ.大規模校の修学旅行様御一行並みの人数だったニャ,ありゃ.まだ車内に入ってない人だけでも,100人は軽~く超えてたぞよ.氷山の一角とは言っても,観客動員力のスゴさがよーわかるノダ.

タヌぼーは一畑電鉄で大社まで出かけたノダけど,途中の高浜駅でけっこー降りてる人いたノダ.沿線でも出雲ドームが一番間近に見えるあたりだから,この駅からも「魂咲会跳」行ったのかニャ?  ともかく,公共交通機関で出かけるってのはいいコッチャ.

同じ電車にゃ,フランス人形並みにメルヘンな服来て,小さなぬいぐるみの入った大きなバッグ持ってた母娘2人組がいたノダ.こーゆー人まで「魂咲会跳」行くんかいな?? って思ったら,終点の出雲大社前駅まで同乗だったノダ.あの2人はどこへナニしに行ったんだろ? 出雲大社で結婚披露宴に呼ばれて余興でもするつもりだったんかニャ?? それともタダの外出着??? んー,ナゾ(笑).

最後に.コンサートのレヴュー探してこの記事見っけた人,期待ハズしてごめんちゃい(ペコリ).地元住民によるタダのまちかど観察でござんした.

2005年10月21日

クウネルくんのスクリーン・セイヴァー

の~んびりゆっくりした暮らし方を紹介する雑誌『ku:nel(クウネル)』(マガジンハウス)のキャラクターは,その名もズバリ「クウネルくん」(絵:坂崎千春).「食う」+「寝る」=「クウネル」なモンだから,コロコロした体型でかわいいノダ.

『ku:nel』サイトにゃ,そんなクウネルくんのPC用壁紙(現在15種類)があって,今までも愛用してたけど,今度はスクリーン・セイヴァーも出たノダ.サイト内の「クウネルくん劇場」や,近ごろ出た絵本『クウネルがゆく』(マガジンハウス)の世界をそのまま再現してるノダ.どのおはなしがスクリーン・セイヴァーになってるかは,使ってみてのおたのしみってことで.

クウネルの本 クウネルがゆく
坂崎 千春
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2005年10月20日

『歴史学通信』第29号

『歴史学通信』第29号表紙の写真

『歴史学通信』第29号が郵送されてきたノダ.とりあえず,パラパラっと読んだだけの状態での紹介を.

この雑誌,島根大学法文学部で歴史学・考古学を専攻する学生が編輯・発行してて,年1回の刊行ナノダ.タヌぼーもその昔,編輯委員長やってたノダ.

今号は,ここ3年のうちでは頁数は一番少ないけど,第27号(2003)以来の,研究室内の活動の様子が詳しく伝える編輯方針は健在.卒業論文(全文?)1篇の掲載は,初めての試みだった前号に続いて実現してるノダ.それから,前年度の学位論文の紹介すべてに,著者自身の解説がついてるってのは,ひょっとして創刊以来の快挙じゃないかい?? 現役学生さん,これ見てたら調べてみてちょ.

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2005年10月19日

「1年間,京都に住む制度があったら」

昨日の夜届いた,マガジンハウスのメイル・マガジン『magnetcafe news』#175に「1年間,京都に住む制度があったら」ってコラムがあったノダ.

1年間を通じて京都を体感する機会が与えられる…こんな制度があれば、日本の歴史への理解や認識、日本文化に対する共感、自然保護や味覚に対する感覚までもが、過去を大切にしながら生きる現代の日本人として、伝統的な味わいを理解する日常生活が送れるかなあ、と…。

いいねいいねー.タヌぼーもね,学生時代にゃ主に史料蒐集で何度か京都通いしてつくづく思ったノダ.京都ってとこは,短くても1年は住むべきとこだニャって.

建築ひとつとってみても,建築史で論文書いたわりにゃ,前近代のモノでじっくり見たのなんて,《京都御所》(1859;平安時代の様式による)くらいだったもの.それに,東京と並ぶ能・狂言の中心地なのに,どーしたワケだか能楽堂に行ったことないノダ.謡曲の舞台地や歌枕をあわせて訪ねたら,能・狂言の味わいも違ってくるんだろニャ.

なんたって千年の都だし,今日まで1200年以上の歴史がフクザツに入り組んだ日本屈指の大都市だからさ.どー考えたって1週間かそこらじゃ,京都を通して教えられることの,ほんのひとつまみすら読み解けないし,そもそも京都に住んでナニしたいかって,とてもひと言じゃ言えないニャ.京都は腰据えてじっくり相手にしたいモノナノダ.

2005年10月18日

植田正治写真美術館「HOMAGE」展(つづき)

階段で直接つながってる残り2つの展示室はどっちも,植田の正ちゃんと3人それぞれとのかかわりで生まれた写真を,見ることができたノダ.下の階は,フォト・セッションの様子を写したモノも含まれてて,舞台裏とかプライヴェイトをちょこっと覗ける感じ.上の階は,福山さんの「HELLO」,菊池さんの「砂丘モード」,堀内さんの『BRUTUS』のファッション特輯といった,3人にちなむ代表的な作品が続くノダ.2面の大型パネルがある最初の展示室から順番に見ていくと,気持ちが盛り上がる構成でんな.

3階にゃ「DUNES」ってセクションがあって,砂丘で撮影された演出写真を特輯してたノダ.砂丘は戦後間もない時期と1980年代以降の2期にわたって,演出写真の舞台になったノダ.あたり一面の砂の大地,空,海だけのおっきなホリゾントに,被写体が人間だろうとモノだろうと,福山さんだろうがハンガーだろうが,等しくオブジェとして配置されてるノダ.そのいさぎよさ.単純な背景だから浮かび上がる画面の緊張感.

時代や被写体が変わっても,同じ場所で一貫した美意識のもと写真を撮れるってのは,なかなかできることじゃないノダ.それがいろんな人との出会いで多様な表情を生み出したあたり,植田の正ちゃんの大きな魅力ナノダ.

福山さん関係のモノは,8月に放送されたTVの『情熱大陸』引くまでもなく,いろ~んなとこで目にしてたけど,プリントで見たのはほとんどが初めてだったノダ.弓ヶ浜で撮影したっていう「FUKUYAMANIA」のポートレイトは,いい表情とらえてまんな.福山さんが「いつ撮られたかわからない」って回想してるアレね.

TAKEO KIKUCHIは,植田の正ちゃんの写真で欲しくなったクチで.見事ファッション写真の術中のハマったワケですわ(笑).クラシカルな装いのモデルが砂丘に繰り出すなんてのは,非日常の極致ナノダ.5本のハンガーと1足の靴が並ぶ作品は,「砂丘にUFO着陸??」かと見間違えた思い出あり.10年前……若かったニャ(しみじみ).思えばあれで植田の正ちゃんにハマったんだっけ.

堀内さんの『BRUTUS』は三宅島版「砂丘モード」.荒々しい黒い大地.『BRUTUS』の記事もパネルになって展示されてたノダ.写真の扱いといい本文のゴシック体といい,1980年代を切り開いたデザインを感じるノダ.それにしてもあたくし,『ぐるんぱ』の画家と同一人物ってことが,まだ飲み込めませんの(白状).まゆぼーに講釈を願うかニャ.

会場にゃ,この10年間に開かれた企画展のチラシも一挙展示されてたノダ.ここのチラシは,他の美術館や公共ホールで新作を見つけ次第拾ってきたノダけど,初めて見たのも案外多かったノダ.開館当初からずっと同じデザイナー(またはデザイン事務所)が作ってるんじゃないかニャ? ストイックでフォーマットが固まってるのに,企画展ごとに変化が感じられて,集めてあきないノダ.開館20周年にゃ作品集にして欲しいぞよ.

1階の常設展「写真するボク:植田正治物語」は,基本的な構成はずっと変わらないけど,行くたびに展示作品や会場のレイアウトは少しずつ変わってるから,毎回見逃せないノダ.今回は2つの時代の砂丘での演出写真を使った映像作品が,小型のトリニトロン4台で見られたノダ.

この美術館,展覧会カタログはあまり多く作られないノダけど,今回はさすがにできてたノダ.展示作品のほかに,戦後間もないころの砂丘の演出写真や「童暦」といった,「HOMAGE」前史に当たる作品も収まってて,展示とは違った見どころがあるノダ(2,400円).

2時過ぎに美術館着いて,発ったのは4時半ごろ.ちょーど福山さんのラジオ番組の時間.HOMAGE GARDENで流してたノダ.

「HOMAGE」展のカタログほか

写真:「HOMAGE」展のカタログとチラシ.たまたま持ってた「XYLISH」(笑)も,福山さんにちなんで御相伴.

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2005年10月17日

植田正治写真美術館「HOMAGE」展

植田正治写真美術館内から見た大山

昨日の松江松聲会を講座だけで抜けて,行った先は大山のふもと,鳥取県西伯郡伯耆町の植田正治写真美術館ナノダ.企画展「HOMAGE:オマージュ・植田正治に捧ぐ─福山雅治・菊池武夫・堀内誠一」に,行こう行こうと思ってるうちに最終日になっちゃったノダ.

先週ヒサビサに会ったイラストレイターのまゆぼーが,堀内誠一目当てで行ってきたって言ってたノダ.あたしゃ堀内と言やあ『BRUTUS』のADってくらいにしか覚えてなかったから,『BRUTUS』の読者にゃとても見えないまゆぼーに「ナンデ?」って訊いたノダ.そしたら,西内ミナミ『ぐるんぱのようちえん』(福音館書店)って絵本の絵を描いた人だって言うノダ.それであたしゃナットク.まゆぼーが雑誌の連載で,「小さな頃,この絵本が,私に絵の楽しさを教えてくれた気がします」って紹介してたのが『ぐるんぱ』だったノダ.そっか,堀内っつぁんのおかげで,まゆぼーと時々仕事ができてんだニャ.こりゃ堀内っつぁんに足向けて寝られへんノダ……って,あの世に足向けないよーにするにゃ,どーしたらええんだっけ? タヌぼーのお目当ては,TAKEO KIKUCHIのファッション写真だったけど,こりゃもーひとつ,たのしみが増えましたわいな.

着いたらまぁ,にぎわっとったノダ.毎年少なくとも1回は行ってきて,料金払うのに3組以上の行列に並んだの初めてだったぞよ(笑).最終日ってことだけじゃなくて,地元ヴォランティアのHOMAGE GARDENとか“福山効果”によるんだろニャ.タヌぼーとしちゃ,もーちょい人少ない方が落ちついて見られるニャって感じだったけど,開館10年に植田の正ちゃん没後5年ってことで,たまにゃお祭りモードもよござんしょ.ワテも植田の正ちゃんファンのハシクレなんで,このあとリピーターが増えることを願うノダ.

タヌぼーはこの美術館に着いたら,まずは2階の映像展示室に入るノダ.この部屋に取りつけられた大型のカメラ用レンズを通して,美術館を見下ろす大山が,壁に映し出されたり,写真の歴史や植田の正ちゃんを紹介する映像が流れるノダ.でも今日は映像はお休みで,大山の様子が見られるだけだったノダ.映像はいつも同じだけど,バッハの「無伴奏チェロ組曲第1番」のプレリュードや,ドビュッシーの「夢」聴きながら見てると心地いいんでね,ちとザンネンでござんした.「HOMAGE」展が終わったら,いつもの映像展示が復活するのかニャ?

さていよいよ「HOMAGE」展.企画展示室は3部屋あるからって,福山・菊池・堀内で1部屋ずつ割り振っちゃうなんて,オモロないことしてないよね……なんて思いながら最初の部屋入ったら,吹き抜けの天井に奥行きのある,細長~い室内の左右2面の壁に,砂丘を写したどーんと大きな写真のパネルに,3人にちなむ写真の小さなパネルが,両面ともに1枚ずつ架かってたノダ.ほんの導入部ってとこでんな.これで1人1部屋の線は消えましたニャ.

(つづく)

ぐるんぱのようちえん
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2005年10月16日

松江松聲会の能楽入門講座

先日紹介しました松江松聲会の発表会に行きました.時間の都合で能楽体験講座だけ聴いてきました.

同会を指導する井上裕久さん(観世流シテ方)のお話は,昨年の講座と同じく,能とは何か/能の歴史→能の面と装束→装束つけと舞の実演といった流れでしたが,例に挙げた面と装束が,昨年は女性の役ものだったのに対し,今年は大河ドラマ「義経」にちなむとかで,修羅物の武将の役のものでした.

修羅物の武将は,源氏と平氏にほぼ二分されます(「田村」の坂上田村麿のような例外もありますが).烏帽子(えぼし)の折り方の違いで,源氏方(左折り)と平氏方(右折り)の見分けがつくことは知っていましたが,実はそれ以外にも装束つけで差別化を図っているのだそうです.

お話を簡単にまとめると,図のような感じになります.

修羅物の武将の装束づけの違い
  源氏 平氏
烏帽子の折り方 左折り 右折り
平太 中将
扇面の絵柄 日の出 日の入り
小袖 厚板 縫箔(ぬいはく)
平切(ひらぎれ) 大口
法被(はっぴ) 袷(あわせ)の法被 長絹(ちょうけん)
または単(ひとえ)の法被
腰帯 白地に黒の紋 刺繍の紋

流儀や演目,演出などにもよるのでしょうが,源氏方は荒々しい坂東武者らしさ,平家方は公達(きんだち)と呼ばれただけに繊細優美なさまを表現するために,細かなところにまで工夫をしているようです.能を見る上での楽しみが,またひとつ増えました.

他のシテ方をモデルに装束づけの実演ののち,そのまま「八島(やしま)」の義経の舞の一部が披露されました.源氏の大将だけに豪壮な舞で,正中(しょうなか:舞台中央)から脇座前にググンと迫ってきたのには,最前列の脇柱前(舞台下手前方の柱)に座っていた私,ビビリました(笑).これは前列で見る者だからこそ味わえる特権ですよ,きっと.

続いて笛方と太鼓方を迎えて囃子の解説に移り,笛と太鼓を実際に.私は笛を吹いてみましたが,ほとんど音が出ませんでした(シクシク).よほど息が足りなかったのでしょうか?? 同じく笛を体験したうちに上手な方がいらっしゃって,何ともうらやましい限りでした.

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2005年10月15日

近衛秀麿

NHK『週刊こどもニュース』のあとの『みんなの童謡』で,「ちんちん千鳥」ってゆー,ほんわかした歌を取り上げてたノダ.作詩の北原白秋と並んで,作曲に近衛秀麿(このえ・ひでまろ)の名前が出てたのが目にとまったノダ.

番組でも紹介してたよーに,近衛秀麿ってのは,首相を務めた近衛文麿の弟で,NHK交響楽団の前身にあたる新交響楽団を結成した指揮者で,雅楽の「越天楽」をオーケストラ向けに編曲した人でもあるノダけど,若いころ童謡の作曲もさかんにやってたって話は初めて知ったノダ.

秀麿と言やぁ10年くらい前になるかニャ,エッセイ集『風説夜話』(講談社,1967)読んだことあって,ビートルズの来日をネタにした「或ビートルズ歓迎案」に大笑いしたのを思い出すノダ.“相手は女王陛下から勲章もらったくらいなんだから,こっちも勲章授かったジイサンバアサンたちを空港に送って出迎えてやろうじゃないか”みたいな,ジョーダンとも皮肉ともつかん提案が書いてあったノダ.「日本のオーケストラのパイオニア」とも言われる指揮者は,ホントのところ,ビートルズをどう受けとめてたのかニャ?

2005年10月14日

iTunes 6

iTunes 6で動画ファイル管理

先月iPod nano発売と同時にiTunes 5が出たばかりだってえのに(タヌキにゅーす),もうiTune 6まで行っちゃったノダ.新ヴァージョンの目玉は動画再生が可能になったiPodへの対応みたいだニャ.こーゆー進化が実感できる身分になりたいっす(笑).

それはともかく,iTunesは大量の音声ファイルの管理が効率よくできるから,重宝するノダ.シンプルでわかりやすいUIを持つライブラリー,ブラウザー,検索機能で,聴きたいファイルがすぐに探せるし,楽曲情報を記録するID3タグの編輯もカンタンにできるからニャ.iPodがなくたって,iTunesはじゅーぶん役に立っとります(負け惜しみ?).

2005年10月13日

『プロジェクトX』年内終了

プロジェクトX』,NHKにしちゃ中途半端な時期の番組終了でんな(asahi.com).

「過剰演出」の一件やらナンやらあったとは言っても,終了はザンネンナノダ.あくまで「プロジェクト」のメンバーの視点で描かれる番組だから,『プロジェクトX』見ただけで戦後史の学んだ気になるのは危険ナノダけど,戦後日本のライフ・スタイルを作ったプロダクトや大きな事件にかかわった,有名・無名の当事者たちの興味深い証言が聴ける貴重な番組だけに,ナンとも惜しいことナノダ.

ちなみに,タヌぼーにとって一番印象的だった回は,番組最初期のダイニング・キッチンの話.従来は家の隅に追いやられてた台所を,住宅設計の中心に据えるってゆー,日本住宅史上のエポック・メイキングね.修士論文のテーマとは関係なかったけど,建築史やってただけに,この手の話題が扱われるのはうれしかったノダ.ともに放送当時すでに故人だったけど,公団課長の尚明(しょう・あきら)とか,建築家の濱口ミホとか,論文の史料で見かけた名前もあって,「出た~」とか叫んでたっけ(笑).

2005年10月12日

狂言師がプロレス??

何でもプロレス・デビューする狂言師がいるらしいのですが(nikkansports.com),このことをどう受け止めたらいいのでしょうね.

世の中そういう人がいても面白い.でもね,数々の公演トラブルや,流儀の宗家の継承問題を抱える中で,自らの正当性・正統性を主張し続ける以上は,本業でひとかどの存在になろうとする姿を見せてもらいたい.だけど,どんどんその道から遠ざかってるような気がする(もう引き返せないのか?).藝能マスコミに香ばしいネタ提供してばかりの人(たち)の,何に期待していいんだかわからない.

もはや能楽の話題として触れることではないけれど,こんな形で能楽師が世間話のタネになるのはザンネンだってことを言うために,敢えてメモしておきます.

2005年10月11日

『季刊d/SIGN』No. 11

『季刊d/SIGN』No. 11の表紙

出雲のぞみ教会のコンサートにゃ電車で出かけたノダけど,駅に着いてから開演まで時間があったんで,おとといは足伸ばして今井書店に寄ったノダ.そんときにたまたま見っけて買ったのが,『季刊d/SIGN(デザイン)』のNo. 11ナノダ.

責任編輯が戸田ツトムに鈴木一誌っちゅー,タヌキぼーやがエディトリアル・デザインに興味持つきっかけ作った2人なんで,創刊時から毎号買ってるノダ.No. 11にゃ,この雑誌にゃいつか必ず登場すると踏んでた杉浦康平さんの,インタヴューが31pp.どどーんと掲載.長いもんだからすぐに読み切れそーにないノダけど(汗),身体感覚に発するデザインの発想が話の中心になってるみたいナノダ.そーゆー角度から自分のデザイン語れる人なんて,きっとめったにいないぞよ.

ところでインタヴューの冒頭,

戸田 『d/SIGN』は,季刊で発行しようとしているのですが,いつも詰めこみ過ぎになってしまい,「3か月で全部読めるわけがない」とよく言われます(笑).ようやく10号を超えて「自然のデザイン」特集にたどり着きました.
杉浦 おめでとう.でもほんとうに,文字を詰めこんでいると思うよ.ぼくなんか1冊読むのにずっとかかっているくらいだから(笑).

なんてやりとりが載ってたのにゃ,ウンウンうなづいちゃったノダ.同じこと思ってたの,タヌぼーだけじゃなかったんだニャ(笑).しかし作り手も読み手も,4年間よーやってるノダ.

季刊d/SIGN―知覚の地層を探索するデザイン批評誌 (No.11)
戸田 ツトム 鈴木 一誌
太田出版 (2005/10)

2005年10月10日

ク・ナウカの「王女メデイア」

ク・ナウカといえば,去年の秋に東京国立博物館本館前で上演した「アンティゴネ」が,今年1月にETVで放送されたのをたまたま見て,様式美と緊張感たっぷりの舞台にぶったまげたノダ.以来,いつかナマのク・ナウカ見なくちゃって思ってるとこへ,この夏これも東博本館の展示室で再演された「王女メデイア」が,昨日ETVで放送してたノダ.

「王女メデイア」は,エウリピデス作のギリシア悲劇ナノダ.故国コルキスを捨てて敵国ギリシアのイオルコスの人・イアソンと結婚したメデイアが,夫に裏切られた上に,夫の新しい岳父になるイオルコスの国王から追放まで命じられるノダ.メデイアは国を追われるまでに残された時間で,夫の新しい花嫁とその父親,さらには自分と夫との間に儲けた息子まで殺して,夫の子孫を根絶やしすることで夫への復讐を遂げるノダ.……あ~こわ.

ク・ナウカ版では,これを明治日本の高官らしきオッサンたちの宴会の座興として演じられる劇中劇にしてたノダ.これがまたよく考えられた装置になってて.

ク・ナウカではおなじみらしいけど,動く人(mover)と語る人(speaker)を分けて2人で一役を演じるっていう,人形浄瑠璃ならぬ「人間浄瑠璃」の手法(「アンティゴネ」はこの方式を採らなかったんで,あたしゃ今回初めて拝んだノダ).「メデイア」では,男たちが役柄を分担して戯曲を読み,それに合わせて(料亭の?)女中たちには演技をさせるって具合になってて,手法そのものがストーリーの大きな枠組みを作ってるノダ.しかも,男性中心の国家体制を作り上げた明治憲法下の日本に時代と場所をとることで,原典にあらわれた男性による女性支配の構図もクッキリと浮かび上がるノダ.

それから,メデイア役の女中に着せられたチマ・チョゴリと,舞台上の大きな日の丸.「文明の地」ギリシアと「未開の辺境」コルキスの図式が,欧米列強に肩を並べようとする明治日本と,その日本の殖民地にされつつある朝鮮になぞらえられてたノダ.

よーするに,古代ギリシアや明治日本の人々を支配した「常識」を形にしたのが「メデイア」の演出上の枠組みに見えたワケだけど,その「常識」は疑われてしかるべきシロモノになっちゃった21世紀初頭の日本で上演してる以上は,幕が降りるまでに枠組みのどっかがグラついてくるんだろニャ.さーて,どんな形で見せてくるんだろ.なんて思って見てたら,文字通り音を立ててコナゴナに崩壊しちゃいました(汗).

メデイアが息子を殺害する場面を最後に,女中たちは舞台に出てこなくなっちゃうのに対して,オッサンたちは,息子や花嫁らを失ったイアソンが怒りと怨念に震える場面を,いっそう熱を帯びて語るノダ.夫の問いかけに対するメデイアの答えをきっかけに,書棚に収まってたたくさんの本(一緒に放送された演出・宮城聰さんのインタヴューによると,あれは法律書だって)がバサバサッと床に落ちて,それを合図に今度は女中たちによるオッサンたちへの復讐劇が始まり,劇中劇は中断させられちゃう……(メデイアが龍の背に乗ってて飛び去るラスト・シーンは描かれないノダ).別の言い方をすると,劇中劇が現実となってオッサンたちに襲いかかってきたワケナノダ.

女中たちは最後の最後までセリフらしいセリフを口にしないし,息子殺害まで人形のよーに振る舞ってたから,「反乱」の挙に出る確かな動機はわかんなかったノダ.だから最初見たときにゃ,トートツな「反乱」だニャって思ったけど,女中たちを,恐るべき復讐計画を温めてたメデイアに重ね合わせて考えると,観客もまた,復讐される男たち(メデイアの夫を含む)とモロトモ,あざむかれる立場に置かれてたのかニャって,そんな気がするノダ.

タヌキにゅーすじゃ,劇中劇の「装置」に的しぼって書いたけど,「アンティゴネ」に続いて,エリャアモノ見せられたわいな.見に行くこづかいためなくちゃ.

ところで,ク・ナウカ版「メデイア」が最後おっかないことになっちゃっても,こーゆー「人間浄瑠璃」ゴッコはタヌぼーもやってみたいノダ(笑).素浄瑠璃だけでもオモロそうだニャ.誰か相手してちょ(ダメ?).

2005年10月 9日

出雲のぞみ教会新会堂献堂感謝コンサート 第2日

出雲のぞみ教会の外観

2日目でござい.昨日は夜だったけど,今日はステンド・グラスがお日さま当たってキラキラした午後のコンサートだったノダ.

昨日今日と,公共ホールじゃ得られないよーな,場内の一体感があるコンサートになったノダ.今日のアンコール「大きなかぶ」の腹話術は,「うんとこしょ どっこいしょ」の大合唱だったものね.あーゆー雰囲気って,ナニがどーなって出てきたんだろ.そんなこと考えながら,今夜はおやすみしましょ.

昨日の話もちょっとだけするとね,本編最後の曲だったかニャ,最前列にいたヨチヨチ歩きのお子さんが,壇上の腹話術人形の「エコちゃん」の前に進み出て,エコちゃんと見つめ合ったり握手したりと,その場をさらってったノダ.昨日の“役者”だったニャ,ありゃ.

コンサートの話,もーちょい書きたいけど,これからETVで,ク・ナウカの「王女メデイア」の公演を放送なんで,今夜のところはそっちに専念ナノダ.1月の「アンティゴネ」ショックから9か月.またク・ナウカ見られるノダ.わーい.

2005年10月 8日

出雲のぞみ教会新会堂献堂感謝コンサート 第1日

だ~(石ちゃん語で「ただいま」のこと).タヌぼーが広告をデザインした出雲のぞみ教会のバロック・コンサートから帰ってきたノダ.

あたしゃバロックが好きでね,松江のプラバホールってゆー,パイプ・オルガンのある公共ホールによく聴きに行くノダけど,50人入ればいっぱいになりそーな規模の会場ってのは初めてだったノダ.アット・ホームな雰囲気で,体にす~っと入ってくる心地よい演奏.ええ感じでござーましたわ.

詳しく書きたくてウズウズするけど(笑),明日2日目のネタバレになるかも知れんので,とりあえず第一報はこんなとこで.明日も行ってくるノダ.

神楽:神々の舞・誕生の謎に迫る(第5回神在月古代文化シンポジウム)

神楽のシンポジウムの紹介なのに,記事のカテゴリーが「能楽」たぁどーゆーこっちゃ? と思われても不思議ではないのですが,「島根に伝わる出雲・石見・隠岐神楽のなかに『能』舞い(ママ)の痕跡を探る」ことが主要テーマのひとつらしいですから,どんな中身になるのやら,注目してみましょう.

日時
10月22日(土)13:00-17:00
会場
大社文化プレイスうらら館だんだんホール(出雲市大社町杵築南)
入場料
無料(事前申込が必要)
オープニングイベント
13:00 乙立神楽保存会による公演
基調講演
13:30 民俗芸能史研究の視座からみた「神話劇」神楽の成立と展開
山路興造(民俗芸能学会代表理事.芸能史・民俗芸能研究)
パネルディスカッション
15:00 「神話劇」神楽の誕生の謎を解き明かす
コーディネーター:山路興造
パネラー:小田幸子(東京文化財研究所芸能部調査員.能狂言研究)
神崎宣武(旅の文化研究所所長.民俗学)
三村泰臣(広島工業大学共同研究機構東アジアの神楽プロジェクト研究センター長.哲学・民俗学)
中上明(古代文化センター主任研究員.民俗学・神楽)
主催・申し込み先
島根県古代文化センター
詳細
http://izumo-rekihaku.net/?ID=185

2005年10月 7日

連休の大学図書館

この連休,島根大学は松江・出雲両キャンパスで大学祭と聞きますが,それぞれの大学図書館でも,何やら面白いことがありそうです.

どちらも自分の言葉で紹介を書きたいところですが,どうにも眠くてかなわいので,とりあえず日時とリンクだけ.

教育者としての小泉八雲
附属図書館(松江)

企画展示
10/9/Sunまで 9:00-17:00
講演会・シンポジウム
10/8/Sat 13:30-16:00

島根にもたらされた華岡流医術:大森文庫からみた江戸後期の診療
附属図書館医学分館(出雲)

企画展示
10/9/Sunまで 10:00-18:00
講演会
10/9/Sun 10:00-11:30

2005年10月 6日

出雲大社本殿,大改修へ

出雲大社本殿

今日も新聞記事から.島根県の出雲市っちゅーとこに住むタヌキにゃなじみの深~い国宝の《出雲大社本殿》が,2008年から大改修だって.檜皮葺(ひわだぶき)の屋根の葺き替えのほか,本殿を囲む大小の建築物の点検・修理もするって報道ナノダ.

大社の本殿って,二重の垣に囲まれてて,ふだんは神職や初穂料を納めた人じゃないと近づけないノダ.だけどそのおかげで,観光客でにぎわう境内にあっても,閑かなたたずまいを保ってるノダ.タヌぼーは出雲大社に行くと,垣の周りを1周しながら,本殿を遠巻きに見るのがお決まりナノダ.この楽しみがしばらくお預けになるノダけど,後の世にのこすこと考えると大切な作業だからさ,「こりゃ長生きして,改修後の姿を拝まなくちゃニャ」って気になってくるノダ(年いくつナンだか).

そーいや赤煉瓦の《東京駅舎》も,来年から屋根を竣功当時の姿に戻す大がかりな工事やるそーナノダ.日本列島の東西で,生まれ変わる名建築でっか.

写真:出雲大社本殿(2002年1月撮影)

2005年10月 5日

大江健三郎賞

「大江健三郎賞」って新しい文学賞ができるんだってさ.

朝日新聞の記事読むと,きわだった特色のある賞にするみたいよ.

ふつー,文学賞って何人かの選考委員がいて,ピンからキリまであるけど賞金も出て,文藝誌とかに選評が載ってコムツカシイこと書かれる(笑)ワケだけど,「大江健三郎賞」は,

選考委員
大江健三郎(1名).故人じゃなくて現役バリバリ
賞金
なし
賞金にかわる特典
英訳と外国での出版
選評に変わるもの
大江健三郎さんと受賞作家との公開対談を雑誌『群像』に掲載

ってことだそーで.

大江さんの“文学年評”を,文学賞のスタイルを借りてやるよーなモノなのかニャ.賞金の代わりに英訳出版ってトコに,作品を世に紹介するって立場がハッキリ出てるよーに思うノダ.

選評代わりの対談ってのも,選考委員が選評出して,受賞作家が「受賞のことば」を書くよーな,既存文学賞の一方通行的なやりとりより,ずっと読み応えありそうナノダ.ときにゃ激しい議論の応酬,なんてことになりゃせんかニャ(笑).どーゆー展開になるか,楽しみな賞ナノダ.

2005年10月 4日

Movable Type 3.2 日本語版

なんか忙しくしてるうち,先月末にMovable Type 3.2の日本語版が出てたことに,今日やっと気づいたノダ.Movable Type管理画面の「メイン・メニュー」にゃ,そーしたニュースがちゃんと表示されてるのにね(笑).

配付元によると,

Movable Type 3.2日本語版では、米国版のローカライゼーションにとどまらず、日本語フォントでの表示にあわせたスタイルシートの改善など、細部にまでこだわりました。

だってさ.日本語フォントでの表示にあわせたスタイルシートの改善ってのは,例えばデフォルトのCSSのフォント・サイズの数値を大きくしたとか,そーゆーことなんだろか? 3.17日本語版で初めて記事を投稿したときの第一印象が,「字ィちっちゃー.これって英語版そのままじゃないかい??」ってのだったから,この点ナンとかしましょーや,って思ったノダけど.ま,あれだけの情報じゃ,ナニがどーなったんだか,わからんですニャ.

Movable Typeのアップグレイド作業って,あたしゃまだ経験がないノダ.うまくできるかニャ? ほかのユーザーの動作報告読みながら,折を見てやってみましょ.

2005年10月 3日

世の中まだまだ暑いけど

島根3大暑がり(日本暑がり学会中国支部選定)のひとりに選ばれてるタヌぼーは,10月に入ってもTシャツ1枚で仕事してるノダ(汗).

だって気温30度くらいまで上がるんだモノ.そーいや4月の終わりもそんな感じだったぞよ.コノゴロじゃ気象がちょっとくらいおかしくたってビックリしなくなっちゃったけど(それはそれでマズイっす),今年の夏の長いのにゃまいったノダ.

でも虫の音は,すっかり秋ナノダ.夜ごと開かれる演奏会の数も増えてきたみたいだニャ.

2005年10月 2日

8時だョ!全員集合

このところチョイといそがしーことになってて,新聞もロクに読めてないノダけど,TBS特別番組の「8時だョ!全員集合」のコーナーはさすがに見て,幼少のころ(今でも幼少でっか?)を思い出したノダ.

「8時だョ!全員集合」が終わって20年になるけど,ウチじゃ年に何度かは「全員集合」が話題になるノダ.教育上どーのこーのとも言われた番組らしいけど,ウチじゃ家族そろって見てたノダ.家族みんなで見て楽しめる番組って,あのころはたくさんあったニャ.

覚えてるネタもいっぱいあるノダ.「オイッス!」に始まって,カラスの歌,「ちょっとだけよ」,「後半いってみよー」,ヒゲダンス,合唱団,エンディングの「ババンババンバンバン……歯磨けよ」…….

母ちゃんコントの「母ちゃんまたいだ~(by 仲本)」は,晴れて石ちゃん語の仲間入りをしました(笑).モチロン帰宅の挨拶ナノダ.のちに短縮されて,ただの「だ」に成り果てましてござい.言葉は変化するモノなのであーる(by 金田貫俵助博士).

「全員集合」ネタで特に思い出深~いのが,剣道コントの素振りの掛け声「突いて,突いて,押して,押して,払って,払って,最後は斬る」.ちょっとマニアックかニャ? これ,とってもノリがよくって,ガッコで友達と再現して遊んだモノだったノダ.今でも再現可能(笑).でも,ひとりでやるにゃチトさみしいカモ.同志4,5人は欲しいノダ.モノ好きはタヌキぼーやまで申し出るよーに(ヲイ).

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2005年10月 1日

「鉄道の日」記念行事

今日は菜の花鉄道を作る会による,一畑電鉄一畑口駅周辺での菜の花の種まきがあったそうで,関係者のみなさん,参加者のみなさん,おつかれさまでした.

私はあいにく参加がかないませんでしたが,その代わり鉄道にちなむ話題を.

10月14日は,1872(明治5)年のこの日,新橋―横浜間に日本最初の鉄道路線が開業したことを記念して制定された「鉄道の日」です.その記念行事のうち,出雲地方で開催されるものを中心に紹介します.

JR西日本米子支社

米子駅
10月13日(水)―15日(金)
鉄道写真パネル展示
後藤総合車両所(境線 後藤駅に隣接)
10月31日(日) 後藤鉄道車両まつり
車両所公開,グッズ販売ほか
松江駅
開催中―10月3日(月)
鉄道写真パネル展示
出雲市駅
10月9日(土)―10日(日)
鉄道写真パネル展示
出雲車両支部(山陰本線 西出雲-出雲神西駅間)
10月10日(日)
急行「だいせん」,寝台特急「サンライズ出雲」等の車両展示
木次鉄道部(木次線 木次駅に隣接)
10月11日(月)
ミニSL運転,鉄道部公開,グッズ販売ほか
問い合わせ先
0859-32-0255(平日10:00-17:00)

一畑電鉄

10月10日(日)
臨時工事列車をイベント列車として運行.幼稚園児・保育園児を松江フォーゲルパークまで無料招待・入園料割引
問い合わせ先
0853-62-3383(平日10:00-17:00)