2008年8月13日

夢幻語り:夢、異界、そして猫(08/15-16) 公演目前

出演者のおひとり,安田登さんの著書『日本語を生かすメリハリ読み!』附属のCDに,今回の顔ぶれにウードが加わった漱石『吾輩は猫である』の「餅の段」(「猫がお雑煮を食べて踊を踊っている」あれです)が収録されています.聴いてみたら立派な狂言でした(笑).動物が食べ物の誘惑と葛藤するのは『釣狐』という狂言を連想させるところもあり(『釣狐(つりぎつね)』にただよう悲愴感はまるでありませんが),猫が雑煮に食いついてからの笛は狂言のアシラヒ笛ですし.去る〔7月〕12日(土)島根県民会館の能楽基礎講座での槻宅さんのお話によると,その前日が東京で今回とほぼ同じ内容の公演だったとのことで,「餅の段」を上演したところ,舞台上の安田さんもお客さんと一緒になって笑い出してしまったそうです.

夢幻語り:夢、異界、そして猫(08/15-16)(タヌキにゅーす)......以下同じ

安田さんのブログにも,7月の公演の報告が出ていました.「一瞬中断というハプニング」だったとか.どの場面だったのでしょうね.

『日本語を生かすメリハリ読み!』は私も持っていまして,CDはiPodでよく聴くのですが,たかが餅を食べたいだけのことにもっともらしい理窟をこねる猫の姿を,安田さんの,ワキ方らしく決して狂言的ではない語りで描き出しているという,ハマってるんだかミスマッチなんだかわからない組み合わせが何ともおかしいですし,「猫がお雑煮を食べて踊を踊っている」猫を発見した子どもたちやおさんを受け持つ水野ゆふさんの声の変幻自在ぶりがたまらない.おさんの「あらま」は生でも聴いてみたいです.

2006年の「松江・能を知る集い」が,まさに今回の出演者勢ぞろいでの実演と体験の場であり,島根県内各地でのワークショップでも上演されてきましたから,半ばこの土地でも育ってきた演目であり,上演形態であると言えます.ワークショップから切り離して独立した公演としては,松江では初めての登場です.小泉八雲の作品は私もまだ聴いていませんので,どのように料理されて出てくるか楽しみにしています.

中でも,夏目漱石『夢十夜』の「第一夜」と,小泉八雲「破約」には共通点があります.いずれも,死の床についた妻が,夫に遺言をする場面から物語が始まるのです.しかし,約束を守れたかどうかが運命の分かれ道,「第一夜」の夫は約束を遂げて妻との「再会」を果たし,「破約」の夫には悲劇が忍び寄る.......一対の作品として見る楽しみがあるふたつの作品.しかも,ともに能に共通する物語の構造を持つ点が,とりわけ面白いと思います.

「百年、私の墓の傍(そば)に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」と言い遺して死んだ「第一夜」の妻.彼女の墓の上に百合の花が咲いたとき,男は妻が遺言通り,自分に逢いに来てくれたのだと悟るのです.それは複式夢幻能といって,生身の人間の姿を借りて登場した何者かが,正体をワキにほのめかして去り,やがて本来の姿で再び出現する形式に重ね合わせることができる物語の展開です.......これはほとんど,安田さん,槻宅さんのお話のウケウリですが(笑).

男の妻として人間の姿で現れていたあの人は,百合の精であったのか......? 「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」......だから「百」に「合」という名を持つ花が咲いたのか? そんなことを想像させる,不思議な物語です.

ちなみに『夢十夜』を書いたころ,漱石は能のワキの謡,安田さんと同じ下掛宝生流の謡を習い始めていたそうです.

一方,「破約」の夫は,いまわの際の妻に,再婚はしないと誓いながら,周囲の勧めを断りきれずに後妻を迎えてしまいます.すると,夫の知らないところで後妻は,先妻の亡霊に悩まされ,ついには凄惨な結末に至る.......

怖い話には違いないとは言え,先妻の亡霊は,夫に約束を破られたという悲しみを背負っています.亡霊の側にも,誰かに耳を傾けてもらいたい思いがあるのです.能で言えば,嫉妬に苦しむ「鉄輪(かなわ)」の妻や「葵上(あおいのうえ)」の六條御息所,あるいは一夜の宿を貸した客に約束を破られた「黒塚(安達原)(くろづか,あだちがはら)」の女......そういった人々に重ね合わせることができる存在.それが「破約」の先妻ではないかと,私は思っています.

奥の深い選曲がなされた「夢幻語り」です.特に15日(金)は夜の公演ですから,終演後は宍道湖北岸からの夜景がおみやげになるかも知れません.

日本語を生かすメリハリ読み!―漱石で学ぶ「和」の朗読法
安田 登
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2008年7月17日

夢幻語り:夢、異界、そして猫(08/15-16)

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これまたタヌキにゅーすではおなじみの槻宅聡さん(能楽森田流笛方)出演,能の技法を採り入れた,小泉八雲と夏目漱石のテクストによる朗読劇のチラシをデザインしました.御紹介しましょう.

出演者のおひとり,安田登さんの著書『日本語を生かすメリハリ読み!』附属のCDに,今回の顔ぶれにウードが加わった漱石『吾輩は猫である』の「餅の段」(「猫がお雑煮を食べて踊を踊っている」あれです)が収録されています.聴いてみたら立派な狂言でした(笑).動物が食べ物の誘惑と葛藤するのは『釣狐』という狂言を連想させるところもあり(『釣狐』にただよう悲愴感はまるでありませんが),猫が雑煮に食いついてからの笛は狂言のアシラヒ笛ですし.去る12日(土)島根県民会館の能楽基礎講座での槻宅さんのお話によると,その前日が東京で今回とほぼ同じ内容の公演だったとのことで,「餅の段」を上演したところ,舞台上の安田さんもお客さんと一緒になって笑い出してしまったそうです.

2006年の「松江・能を知る集い」が,まさに今回の出演者勢ぞろいでの実演と体験の場であり,島根県内各地でのワークショップでも上演されてきましたから,半ばこの土地でも育ってきた演目であり,上演形態であると言えます.ワークショップから切り離して独立した公演としては,松江では初めての登場です.小泉八雲の作品は私もまだ聴いていませんので,どのように料理されて出てくるか楽しみにしています.

チラシに登場する百合の花は,漱石『夢十夜』の「第一夜」にちなんで.

日時
2008(平成20)年08月15日(金)19:00
2008(平成20)年08月16日(土)15:00
会場
松江イングリッシュガーデン(島根県松江市西浜佐陀町330-1)
出演
安田登(ワキ方下掛宝生流)
水野ゆふ(舞台俳優)
槻宅聡(笛方森田流/島根県安来市出身)
演目
小泉八雲『日本の面影』より「盆踊り」
小泉八雲『影』より「死骸にまたがる男」
小泉八雲『日本雑録』より「破約」
夏目漱石『吾輩は猫である』より「餅の段」
夏目漱石『夢十夜』より「第一夜」
夏目漱石『夢十夜』より「第三夜」
定員
各回先着300名
料金(全席自由)
一般:2,000円
小中学生:1,000円
未就学児:無料
チケット購入方法
8月10日(日)までに電話で予約。予約番号に基づき、当日チケットを販売。
チケット予約申込先
松江イングリッシュガーデン(担当:原、小村)
電話:0852-36-3030
主催
松江イングリッシュガーデン
後援
八雲会
詳細情報
http://www.plusvalue.co.jp/mugenkatari/

2008年5月30日

この土日,松江にいろいろ出回ります

さーて,今度の土日は,タヌキぼーやがデザインさせてもろたモノが,松江市内あちこち出回るんで,まとめてごあんなーい.もーちょい早く載せぇよって話だけど(汗).

第102回パイプオルガン定期演奏会「コンドウ・レシピ、召し上がれ」

去年今年と,プラバホールのパイプオルガン演奏会の会場演出を,トコロドコロお手伝いしているのですが,今回カタチになってるトコでは,ホワイエの特設カフェ「Café de l'Orgue」のロゴなんぞを.

日時
2008年05月31日(土)15:00
場所
松江市総合文化センター プラバホール(松江市西津田6-5-44)
詳細情報
http://www.web-sanin.co.jp/matsue/plover/hall/e2008/0531.html

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2008年 能楽基礎講座:能楽の楽しみ方と学び方 第1回「楽しみ方:むずかしいと思わずにまずは観に行こう!」

チラシの画像

槻宅聡さん(能楽森田流笛方/安来市出身)による島根県民会館での講座が今年も開催.広告デザインも昨年に引き続き石川陽春が担当しています.

日時
2008年05月31日(土)15:00-17:00
会場
島根県民会館(島根県松江市殿町158)
詳細情報
http://www.civichall.pref.shimane.jp/hall/event/?20080531

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2008松江市健康福祉フェスティバル

イエローカード(表)の画像

石川陽春も会員として参加している「しまね子どもをたばこから守る会」も出展.5月に市販が始まったニコチンパッチの使い方や禁煙外来等を紹介する禁煙支援活動,専門医による喫煙に関する無料相談会,資料展示ほか.

会独自に製作したイエローカードも配布しますので,受動喫煙対策をしていない施設に対して,警告の意志をあらわすために御活用下さい.ここに挙げた画像はこれまでのカードですが,今回配布分からちょこっとマイナー・チェンジします.また,私が新たにデザインした入会案内も配布される予定です.

日時
2008年06月01日(日)10:00-16:00
場所
松江市保健福祉総合センター(松江市立病院となり/松江市乃白町32-2)
詳細情報
http://sayonaratabaco.org/info/20080524.html
http://genki365.net/gnkm01/pub/sheet.php?id=13981

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2008年5月 1日

2008年 能楽基礎講座:能楽の楽しみ方と学び方(5/31, 6/14, 7/12. 9/6)

オモテ面の画像

山陰の能・狂言を見に行く会のサイトでも紹介しましたように,島根県民会館の「能楽基礎講座」が昨年に引き続き開催されます.

昨年,すべての回を通して出席して興味深かったのが,まだ能を見たことがないという受講者が多かったこと.東京や関西のようにいつでもどこかで能が見られるわけではない土地柄にもよるのだと思いますが,能に対して何らかの興味・関心を持っている人は,決して少なくはないと実感しました.今回も,そうしたこれから能を初めて見る人たちに向けての話題の提供が,多くあろうかと思います.

また,謡曲を声に出して読む機会は,昨年も少しありましたが,今回はより拡充されています.謡曲は,必ずしも謡の技術を持たなければ楽しめないようなものではなく,素読や黙読するだけでも,あるいは耳で聴くだけでも味わいがありますから,個人的にはいずれ「能楽基礎講座」か「松江・能を知る集い」でやって欲しいと希望していたところです.こちらも楽しみにするとしましょう.

なお,広告デザインも昨年と同様,ワタクシ石川陽春が担当しました.どーぞよろしく(ナニを?).デザインワークスのサイトには,これから載せます(汗).ちょとお待ちを.

日時
2008(平成20)年05月31日(土),06月14日(土),07月12日(土),09月06日(土)15:00-17:00(全4回)
会場
島根県民会館(島根県松江市殿町158)
講師
槻宅聡(笛方森田流/島根県安来市出身)
安田登(ワキ方下掛宝生流) ※第4回のみ
内容
第1回:05月31日(土)
楽しみ方:むずかしいと思わずにまずは観に行こう!
第2回:06月14日(土)
学び方(1)実技編:楽しいと思ったらやってみよう!
第3回:07月12日(土)
学び方(2)文献編:台本(謡本・狂言台本)を読んでみよう!
第4回:09月06日(土)
学び方(3)体験編:ことばと声=謡曲のたのしさ
参加料
一般:全4回通し3,500円,第4回のみ1,000円
学生:全4回通し2,000円,第4回のみ600円
※全4回通し受講者には07月18日(金)「野村万作・萬斎 狂言公演」の入場券割引特典あり。
参加申込先
島根県民会館 能楽基礎講座係
電話:0852-22-5502
ファックス:0852-24-0109
電子メール:info@cul-shimane.jp
※氏名,年齢,電話番号,住所を明記すること.
詳細情報
http://www.civichall.pref.shimane.jp/hall/event/?20080531
http://sanin-noh-kyogen.info/schedule/20080531.html

2008年2月19日

2008年 松江・能を知る集い:能楽囃子の楽しみ 笛と小鼓(03/02)

チラシの画像

タヌキにゅーすでのお知らせが遅くなりましたが,今年も「松江・能を知る集い」のチラシのデザインを担当しました.イラストレイションは,前回に引き続き小西優子さんにお願いしました.

体を動かすことで能の魅力を味わう「松江・能を知る集い」は今年で5年目.今回は,笛と小鼓を通して、能の囃子をじっくり掘り下げる1日です.聴いているだけでは気づかないこと,笛や小鼓の稽古を体験したり実際に道具(楽器)に触れたりして初めて発見できること,きっとあると思います.講師は毎年おなじみの槻宅聡さん(笛方)と,「松江・能を知る集い」初登場の鳥山直也さん(小鼓).

参加応募期限が迫っていますが,まだ定員に余裕があるようですから,今からでも3月最初の日曜日の予定に御検討下さい.ちなみにワタクシ,実行委員のハシクレでございます,ハイ.

日時
2008(平成20)年03月02日(日)10:30-15:30(10:00受付開始)
会場
松江市総合文化センター 小ホール(島根県松江市西津田6丁目5-44)
講師
鳥山直也(能楽観世流小鼓方/島根大学卒業)
槻宅聡(能楽森田流笛方/しまねアーティストバンク登録講師/島根県安来市出身)
定員
60名
参加料
一般:2,000円
高校生以下:800円
参加申込期限
2008(平成20)年02月22日(金)
参加申込・問い合わせ先
「松江・能を知る集い」実行委員会
電話:090-7122-2940(生和)
詳細情報
http://sanin-noh-kyogen.info/tsudoi/

2008年2月 3日

見々久神楽の「節分詣り」

見々久(みみく)の長者「今日は節分さんだけん,杵築(きづき)の大社さんへ節分詣りをさんといけん……なんだいかんだい面倒くさいかもしぇんが,支度してごせぇや.

(今日は節分だから,出雲大社へ節分のお詣りをしなければいけない……なんだかんだと面倒くさいかも知れないが,支度をしておくれ)

島根県立古代出雲歴史博物館のサイトにある「動画の泉」で公開されている,「見々久神楽」(出雲市見々久町)の映像から,「節分詣り」という狂言風の演目の冒頭です.

見々久の長者に呼び出されたサンペイという名の従者が「はてさてお呼びでございますやら.いかなる御用にて御座候」と畏まった言葉で用件を訊ねると,長者は「ずーずー弁でいいけん」と,以下出雲弁でのやりとり.出雲大社へ節分のお詣りに行くから供をせよと言いつけて,主従そろって出かけています.大社に到着して,「鬼は外,福は内」と豆をまく長者.サンペイも長者にならって豆をまきますが,言葉を取り違えて「鬼は内,福は外」と言ってしまったもんですから,さあ大変.

能楽の狂言の影響が随所に見てとれる,「出雲弁狂言」と呼んでよさそうな演目です.

出雲地方で勢力を誇った神社のひとつである佐太(さだ)神社(松江市鹿島町)に伝わる「佐陀神能」という神楽が,能楽の様式を採り入れて現在の姿を整えたとされ,出雲地方の各地に佐陀神能の流れを汲むと思われる神楽が伝わっています.この見々久神楽の映像でも,今日の能楽で「翁(おきな)」と呼ばれる,千歳(せんざい),翁,三番叟(さんばそう)による神聖な舞の様子が紹介されていますが,「節分詣り」のような狂言風の演目があるのもまた,能楽の影響によるものかも知れません.

ちなみに,節分に出雲大社へ参詣に行くという筋立ての演目は,能楽の狂言にもあります.「福の神」では,節分と称して出雲大社に年籠もりに行った参詣人一行が,豆をまきつつ祈りを捧げているところに福の神が出現します.あるいはその名もズバリ「節分」という演目では,夫が出雲大社への年籠もりに出かけた留守番の妻の前に,鬼が現れて言い寄ってきます.これらと比較して見々久神楽の「節分詣り」を見るのも面白いかも知れませんが,出雲の住人として何より興味深いことは,節分に出雲大社で豆をまいている点ですね.今の出雲大社で,そんなことやってましたっけ?

2種類ある動画のうち,短編と公開編それぞれにこの演目が収録されていますが,公開編では16分02秒ごろから「節分詣り」が始まります.おうちでの豆まきのあとのお楽しみにどーぞ.

2008年1月18日

速報:「2008年 松江・能を知る集い」は3月2日開催

詳しくは,公式サイトを御覧下さい.

松江・能を知る集い

http://sanin-noh-kyogen.info/tsudoi/

2007年12月30日

正月三が日はNHKで能・狂言

昨日の忘年会で,「このへんで今度狂言が見られるのはいつか?」と訊かれたのですが,今のところ私は確たる情報を得ていませんので,替わりに正月三が日にNHKの教育TVとFMで放送される番組を紹介しておきました.

「山陰の能・狂言を見に行く会」のサイトにも,少し書いておきました.

なにぶん山陰地方は,東京や関西などに比べれば,能・狂言の公演数がずいぶんと限られていますから,TVやラジオが能・狂言との出会いに果たす役割は,決して小さくはないと思います.私も実際,高校時代まではTVと本で能・狂言に親しんできたものですから.「能・狂言は見たことがないけど,タヌキぼーやがわーわー言うモンだから,少しは気になってる」という人(誰?)は,こういう機会をチェックしてみて下さい.

ちなみに,正月三が日のこれらの番組,基本的には放送のために演じて収録したものですから,観客は普通いません.客席に人っ子ひとり見えなかったり,狂言で客席から笑い声がまるで聞こえなかったりしますが,「能ってゼンゼン見る人いなんじゃない?」「狂言って笑っちゃいけないの?」なんて思わなくて結構ですから,御安心あれ.……と言っても,お客のいないスタジオで録音した落語並みに違和感はあるかも知れませんが(笑).

2007年12月13日

十二世野村又三郎さん死去

86歳.たぶん和泉流では最年長の狂言方だったのではないかと思います.シベリアで抑留生活を送り,帰国したら先代である父親が亡くなっていて,苦労して又三郎家を牽引してきたとか.

実際の舞台に接したのは,2004年10月5日,出雲市民会館「ザ・ベスト・オブ能・狂言2004」での,上品でやわらかな「附子(ぶす)」.先年TVで見た「金岡(かなおか)」では,大曲でありながらも重々しくならず,あっさりとした味わいに仕上げていたのに好感を持ちました.

6月の観世榮夫さんに続いて,思い出深い舞台を見せてくれた人が,またひとり.

2007年11月11日

創作能「石見銀山」帰り



大田市民会館。18時30分から3時間近い催し。鼎談50分、休憩10分、狂言「寝音曲」20分、再び休憩10分、能「石見銀山」1時間20分。催し全体の間延びした感は否めないが、能の後場に、昨年の初演時から変更点あり、これは効を奏する。詳しくは後日、能・狂言を見に行く会のサイトで。

2007年10月18日

現代狂言II帰り

島根県民会館。出演は南原清隆、野村万蔵、島崎俊郎ほか。「狂言とコントが結婚したら」と銘打った試み。最後の演目「TANE〜種〜」後半の盛り上がること。CM撮影現場で収録映像の巻き戻しだのスロー再生だの「実演」させられるものだから、そりゃあーた。台本通りだかアドリブだかだんだん見分けがつかなくなっちゃって。その勢いのままカーテンコール、だけでは収まらず、通常はないというナンチャンと万蔵さんの挨拶まで。それにしても万蔵さんのCMディレクターの軽妙さはタダゴトじゃなかった。長年コントやってきたかのような溶け込みぶり。

2007年9月30日

大社・能を知る集い帰り



もと造り酒屋の手錢記念館の座敷で開催。毎年恒例の松江に比べて、町内の寄合のような雰囲気のワークショップだったのは、会場によるのか、客層によるのか。

2007年9月18日

2007年 大社・能を知る集い:語り・舞・囃子を楽しもう(09/30)

これまでにも御紹介してきましたように,私は「松江・能を知る集い」の広告デザインを毎年担当していますが,その「松江・能を知る集い」の講師陣によるワークショップが,大社にやって来ます.

日時
2007(平成19)年09月30日(日)13:00-17:00
会場
手錢記念館(島根県出雲市大社町杵築西2450-1)
講師
安田登(ワキ方下掛宝生流)
槻宅聡(笛方森田流/島根県安来市出身)
定員
30名
参加料
1,000円(入館料を含む.申込が必要)
問い合わせ先
手錢記念館
電話:0853-53-2000

「松江・能を知る集い」の経験から言いますと,能楽方面の体験型の催しでよくあるような,面装束の着付け体験や,囃子の楽器を参加者が順番に触るといった内容は,まずほとんど出てきません.能楽師が身につけている呼吸法や筋肉の動き,発声法,リズムの取り方などを通じて,能楽師の身体感覚を体験するという,この講師陣ならではのワークショップになることでしょう.

また,安田さん,槻宅さんに現代演劇の俳優を加えた3人による,能の技法を取り入れた朗読の催しが,東京の能楽堂で上演されたり,「松江・能を知る集い」などのワークショップで披露されたりしています.その成果もきっと反映されたものになると思います.

能に限らず演劇,音楽,ダンスが好きな地元の方にも,きっとお楽しみいただけるはずです.


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2007年9月17日

連休の巡回

3連休も今日で終わりだニャって思ったら,今度の土日月も3連休なのね.今ごろ気づいたノダ.

タヌぼー,今日は1日ウチにいたノダけど,土日の午後は巡回してきたノダ.

09月15日(土)
世界遺産登録記念 輝きふたたび 石見銀山展(島根県立古代出雲歴史博物館)
万作・狂言十八選 第三回:出雲狂言会(出雲大社)
09月16日(日)
大正ロマンの美人画家 竹久夢二展:夢二郷土美術館コレクションより(島根県立美術館
ギョーザ食べながら異文化交流(笑)(島根県内のどっか)

展覧会2本はやっっっっっと行けたノダ.石見銀山展は,石見銀山資料館でもやってるんで,会期末まであと1週間のうちに出かけてみたいニャ.

狂言の報告は,近いうちに「山陰の能・狂言を見に行く会」に書くノダ.スタッフに客席に,門前町住人さんとか,ねむりねこにゃんとか,こすもすライフのおねーさんとか(誰が誰だか?),おなじみの顔がいくつもあったぞよ.能楽基礎講座でお目にかかった「亀井広忠さん呼んで下さ〜い」の人(これまた誰?)は見つけられんかったけど,どのへんの席だったのかニャ?

2007年9月11日

山陰・秋の演能情報

島根県民会館で3回にわたって開かれました,槻宅聡さんの「2007年 能楽基礎講座」は,先日8日で最終回を迎えました.長年にわたって謡や仕舞を習っている人から,まだ実際の能を見たことがない人まで,実に幅広い層の人たちと能のお話ができるという,ユニークな場になりました.「来年もやって欲しい」という参加者の声が多数,県民会館に寄せられているとか.

さて,私が管理しているサイト「宍道湖・中海圏の能・狂言を見に行く会」改め「山陰の能・狂言を見に行く会」では,山陰地方の演能情報を順次掲載しています.講座を通じて能・狂言への関心を深めた方も,講座には参加しなかったけれども能・狂言が何となく気になるという方も,どうかお役立てのほどを.

現在,同サイトで紹介している主な催し物は,以下の通りです.

2007/09/15 出雲大社(出雲市大社町)
万作・狂言十八選 第三回:出雲狂言会(チケットは完売)
2007/09/30 手錢記念館(出雲市大社町)
2007年 大社・能を知る集い:語り・舞・囃子を楽しもう
2007/10/01 鳥取県民文化会館(鳥取市)
狂言を楽しむ:茂山一門の世界(2007年度)
2007/10/18 島根県民会館(松江市)
現代狂言II:狂言とコントが結婚したら
2007/11/11 大田市民会館(大田市)
創作能「石見銀山」(石見銀山遺跡世界遺産登録記念)

2007年9月10日

老女物の能を1日で2番

昨日のことなんですが,NHKで老女物と言われる能を2番,相次いで放送してましたね.いずれも録音・録画したきりで,まだちゃんとチェックしていませんけれども.

NHK-FM『能楽鑑賞』では今井泰男「関寺小町(せきでらこまち)」(宝生流)を独吟で.約45分たっぷり,ひとりで謡うという(汗).

NHK教育では,横浜能楽堂公演の録画で,友枝昭世「伯母捨(おばすて)」(喜多流)

『能・狂言事典』(平凡社)によると,老女がシテ(主役)の老女物の能は,

能の美意識上,女を描くことと老いを表現することは重視される傾向があり,その両面を兼ねるところから高度な技量と芸位,深い精神性を要し,相応の年齢に達しないと演じられないとされる.

といった具合に重い扱いをされるものですから,そう頻繁には上演されないのですが,よりによって,老女物の中でも「三老女」と呼ばれる「関寺小町」「桧垣(ひがき)」「姨捨(伯母捨)」のうち2番が,1日のうちに電波にのってしまうとは.放送局の編成上の都合にしても,こういう日は今後なかなか訪れないことでしょう.

2007年9月 8日

松江巡回

今度の土日は松江へ行こう」で取り上げたところを巡回してきたノダ.

STORE ROOM店内の写真

出雲ビルに開店したSTORE ROOM.いしこちゃん,おめとっさんナノダ.シンプルな空間に色とりどりの手芸素材や,石原まゆみオリジナルのバッグやエプロン.上の階の「おいしいで祝う、9月」ともどもにぎやかなことになってたノダ.お菓子ウマかったっす,Mme Lume(誰?).

開場前のシンポジウム会場の写真

そのご近所,STICビルの「ジャパン―アイルランド フレンドシップ in 松江」で,キャベツとベーコンの煮込みでおひるごはん.各種ワークショップはなかなかの盛況.そのあと開場前のシンポジウム会場を見せてもろたノダ.看板もいちおー,デザインしやした.明日は午前中の講演会に行きやすノダ.

んでもって,最後は島根県民会館で能楽基礎講座.大ホールでミュージカル「あいと地球と競売人」,中ホールの名画劇場で「不都合な真実」やってて館内フル回転.それでも40人近く来てたかニャ.ワタクシ,ガラにもなく全3回,受付やっとりました(笑).「来年もやってね」って声がいっぱい寄せられてるとか.詳しい報告は「山陰の能・狂言を見に行く会」で改めて.

2007年9月 7日

「宍道湖・中海圏の……」改め「山陰の能・狂言を見に行く会」

2007年09月07日夜より,私が管理するサイト「宍道湖・中海圏の能・狂言を見に行く会」を「山陰の能・狂言を見に行く会」に改称しました.

サイトのスクリーン・ショット

あわせて,独自ドメイン「sanin-noh-kyogen.info」を取得し,

でサイトを御覧いただけるようになりました.

今後とも当面は,島根半島から米子市・境港市にかけての,宍道湖・中海圏を主な対象として,能・狂言の情報をお届けする見通しですが,ゆくゆくは東西に長い山陰両県(島根・鳥取)全域をしっかりカヴァーするつもりで,「山陰の能・狂言を見に行く会」を続けていきます.よろしくお願いします.

2007年9月 5日

今度の土日は松江へ行こう

さーて,今度の土日,8日と9日は,タヌキぼーやとゆかりある人たちが,松江市内でいろーんな催しやるノダ.ここでひとまとめにして,ごあんなーいでござい.

ジャパン―アイルランド フレンドシップ in 松江:友好団体シンポジウム+ワークショップ

チラシの画像

日本各地で活動するアイルランド友好団体が一堂に会するシンポジウムと,同時開催のアイルランド文化を知るためのワークショップ.広告デザインは石川陽春.

開催日
2007年9月8日(土)―9日(日)
場所
松江市市民活動センター(STICビル/島根県松江市白潟本町43)
詳細情報
http://www.sanin-japan-ireland.org/event/20070908.html
http://www.sanin-japan-ireland.org/event/20070908.html

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おいしいで祝う、9月

STORE ROOMのサイトのスクリーンショット

「ジャパン―アイルランド フレンドシップ in 松江」会場と目と鼻の先にある出雲ビルで,4階のギャラリー「SOUKA - 草花」の1周年と,3階の「STORE ROOM」開店を記念して,おいしいもの大集合とか.SOUKAのメカちゃんも,STORE ROOMのいしこちゃんもおともだち.

開催日
2007年9月8日(土)―9日(日)12:30-17:30
場所
SOUKA - 草花(出雲ビル4階/島根県松江市白潟本町33)
詳細情報
http://www.store-room.net/news/eid66.html

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2007年 能楽基礎講座:鑑賞のヒント 第3回「能の器楽:囃子の魅力」

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「松江・能を知る集い」の槻宅聡さん(能楽森田流笛方/安来市出身)による新シリーズの講座も,いよいよ最終回.広告デザインは石川陽春.

日時
2007年09月8日(土)14:30-17:30
会場
島根県民会館 第1多目的ホール(島根県松江市殿町158)
詳細情報
http://hw001.gate01.com/tktk/basic2007/
http://www.civichall.pref.shimane.jp/hall/event/?20070707

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映画上映会「夢二映画特集」

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島根県立美術館で開催中の「大正ロマンの美人画家 竹久夢二展:夢二郷土美術館コレクションより」(09月23日まで)の関聯イベントひとつ.夢二を主人公とする映画2作品を上映.「竹久夢二展 イベントスケジュール」の広告デザインは石川陽春.

日時
2007年09月9日(日)
会場
島根県立美術館 ホール(島根県松江市袖師町1-5)
詳細情報
http://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/sam/

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2007年9月 2日

黒くどんみりとして甘い物

なんかナゾナゾみたいなこと言うとるノダけど,常温で保管してた固形の黒砂糖が,この夏の暑さで,ちょいと溶けて湿り気を含んできましてニャ.

黒砂糖の写真

この写真だと,ボケててわかりにくいかニャ?

狂言「附子(ぶす)」で,黒砂糖を「黒くどんみりとして甘い物ぢや」って言うのは,ねっとりとした水飴に近い質感だと思うノダけど,そんな「どんみり」状態にちょこっと近づいたよーな気がしちゃったのは,「宍道湖・中海圏の能・狂言を見に行く会」のタヌキぼーやらしいっちゃらしいですわニャ.えー,時々更新中ナノダ(宣伝かっ)

宍道湖・中海圏の能・狂言を見に行く会

2007年8月16日

「のぞいてみよう!世界遺産 能楽空間」鑑賞記を掲載

こちらでのお知らせを忘れていましたが(ヲイ),「寺の夜能」のエントリーで先日予告しました通り,「のぞいてみよう!世界遺産 能楽空間」(8月5日,松源寺[島根県安来市])を見に行った感想を,「宍道湖・中海圏の能・狂言を見に行く会」のサイトに載せました.

住民が主体となって,このような催しが盛んに行われるようになればと思い,紹介するものです.

2007年8月 6日

寺の夜能

昨日の安来駅まっぷたつ(笑)を目撃したあと,夕方になって向かった先は,古い市街地に隣り合う山の麓の松源寺という禅寺.「のぞいてみよう!世界遺産 能楽空間」を見に行きました.前半は能の囃子の実演と解説,後半は半能「清経」でした.

このあたりでは(たぶん)珍しい,公共施設以外での能の催し.寺のお堂で見るというのは私も初めてでした.夕方とはいえこの夏の暑い時期に,お堂にギッシリ250人は集まっていたと思いますが,夕立のあとの涼しい風が,開け放った戸から入って心地よい.

公共ホールの舞台に仮設の能舞台を組むと,脇正面にムダな空間ができてしまって,客席と舞台との間に隔たりが出てしまうのに対して,今回は本尊の前に人と仏さんが四方を取り囲む舞台.これほど舞台と客席が近い能の催しは,この地域では貴重かも知れません.蝋燭と間接照明によるあかりの加減もよかったです.

詳しいリポートは,「宍道湖・中海圏の能・狂言を見に行く会」サイトに書くつもりです.