2005年12月31日

またらいね~ん

さっきまでNHKホールの紅白歌合戦……じゃなくて,ETVで放送してた「第9」演奏会の方,聴きながら……仕事してました,ハイ.おおつごもりだっちゅーのに.

12月31日午後8時40分現在,タヌキにゅーすはまだクリスマス仕様(どっひゃ~ん).正月仕様への変更,間に合うかニャー?? ま,どーなりますやら(汗).

てなワケで,コメントつかないわりにゃ,そこそこ読まれてる(らしい)タヌキにゅーす,今年も御愛読ありがとさんでございやした.来年もひとつ,タヌキぼーやの得体の知れない生態観察記録でニヤニヤしてやって下さいますよー,よろしゅーおたのん申します.ほな,また来年ナノダ.

2005年12月30日

新年はTVとラジオで能楽鑑賞

いよいよ2006年.新春3が日の愉しみのひとつは,TVとラジオでの能楽鑑賞です.

で集めた,地上波の全国放送の情報をザッとまとめておきます.

新春能狂言

ETV,7:00-8:00

1月1日(日) 能「翁(おきな) 十二月往来・父尉・延命冠者」金春流 翁:金春安明
ツレの翁:高橋忍,金春憲和
千歳:茂山正邦
三番三:大藏彌太郎
笛:杉市和
小鼓:亀井俊一
大鼓:安福建雄ほか
1月2日(月) 狂言「萩大名(はぎだいみょう)」大蔵流 シテ:茂山千作
アド:茂山千之丞,茂山忠三郎
狂言「無布施経(ふせないきょう)」和泉流 シテ:野村又三郎
アド:野村小三郎
1月3日(火) 能「春日龍神(かすがりゅうじん)」観世流 シテ:梅若万三郎
ワキ:森常好
笛:松田弘之
小鼓:幸清次郎
大鼓:柿原弘和
太鼓:観世元伯

情報を得てビックリしたのが「翁」の「十二月往来(じゅうにつきおうらい)・父尉(ちちのじょう)・延命冠者(えんめいかじゃ)」という小書き(特殊演出).

「十二月往来」は,通常の演出では1人である翁が3人も現れて,12か月の風物についてロンギ(問答)をするというものだそうです.装束も白一色のものが用いられるとか.金春流は時々上演しているようですが,TVでは滅多に見られないのではないでしょうか.

また,「父尉・延命冠者」は,古くは「翁」の中で,千歳(せんざい),翁,三番三(さんばそう.和泉流では三番叟)とともに舞われていたものです.今日,通常の演能では省略されていますが,小書きとして伝わります.翁(おそらく3人のうち1人でしょう)の役者が父尉,千歳の役者が延命冠者をそれぞれ演じる,というのを何かで読んだおぼえがあります.

新春謡曲狂言

NHK-FM,11:00-11:50

1月1日(日) 番囃子「高砂(たかさご)」喜多流 シテ:粟谷菊生
ワキ:出雲康雅
笛:一噌仙幸
小鼓:鵜澤速雄
大鼓:柿原崇志
太鼓:小寺佐七
1月2日(月) 狂言「鐘の音(かねのね)」大蔵流 シテ:善竹忠一郎
アド:善竹隆司,善竹隆平
狂言「田植(たうえ)」和泉流 シテ:野村萬
立衆:野村万蔵,小笠原匡,野村扇丞,吉住講
狂言小謡「貝尽し(かいづくし)」和泉流 謡:野村萬,野村万蔵,小笠原匡,野村扇丞
1月3日(火) 番囃子「箙(えびら)」金剛流 シテ:金剛永謹
ワキ:豊嶋三千春
笛:森田保美
小鼓:曽和尚靖
大鼓:河村大

それから山陰地方では,

新春狂言

山陰中央テレビ,1月1日(日)4:35-5:30

なるものもあるようですが,詳細は把握していません(爆).フタを開けてみてのお楽しみということで…….ほかにも放送されの地方があるのではないでしょうか.

2005年12月29日

横浜能楽堂カレンダー

横浜能楽堂の来年のカレンダーをいただきました.

能楽堂のカレンダーだけに,横浜能楽堂での公演の写真が月替わりで載っているわけですが,その内訳が面白い.

横浜能楽堂2006年カレンダー
1月 狂言 墨塗(すみぬり) 善竹十郎
2月 狂言 庵梅(いおりのうめ) 山本東次郎
3月 狂言 仏師(ぶっし) 茂山七五三
4月 舞踊 藤娘(ふじむすめ) 藤間恵都子
5月 狂言 八尾(やお) 山本則俊
6月 聲明 大曼荼羅供 庭賛~大五願 高野山声明の会
7月 狂言 文蔵(ぶんぞう) 山本則直
8月 狂言 粟田口(あわたぐち) 野村萬斎
9月・表紙 砧(きぬた) 梅若六郎
10月 新作狂言 椎茸典座(しいたけてんぞ) 茂山千作
11月 狂言 鎌腹(かまはら) 山本泰太郎
12月 狂言 木六駄(きろくだ) 野村万作

カレンダーを下さった方からは,「能楽堂のカレンダーなのに能の写真が少ない」とあらかじめうかがっていましたが,本当に少なかったですね(笑).表の通りほとんどが狂言で,うち4点が山本東次郎家(2,5,7,11月)というのが,この能楽堂らしいところです.横浜能楽堂の子ども向けワークショップを毎年受け持っているのが同家です(数年前にETVの『芸術劇場』で見ました).

もうひとつ注目すべきは,能・狂言のほかに舞踊と聲明の写真も含まれている点.能・狂言の面白い公演の情報に接するとき,それが横浜能楽堂の自主事業であることが少なくありません.例えば聲明の写真は,昨秋「声」の藝能をテーマとする企画公演で,能・狂言の謡,韓国やタイの宮中歌曲とともに上演された折のものではないかと思います.

横浜能楽堂はこのようにソフトウェアとして目を見張るがありますが,何と言っても舞台が美しい.数寄屋造を思わせる繊細な造作.もとは旧加賀藩主・前田家の舞台(1876)だっということで,鏡板には松とともに,前田家の紋所である梅も描かれ,これがしっとりとした風情を出しています.カレンダーには映っていませんが,1996年に横浜能楽堂に移されてから加えられたこけら葺きの屋根も,舞台と調和していて気持ちよい.もっともこれは,あくまで写真や映像から受けた印象.ぜひこの目で見たいものです.

2005年12月28日

『プロジェクトX』最終回

とーとー終わっちまったダニ,『プロジェクトX』.

これまで登場した“リーダー”たちの言葉,スタジオにも3人の“リーダー”が登場,番組に感銘を受けた視聴者の声,とどめに中島みゆき熱唱……で約2時間.例の「過剰演出」問題はじめ,番組制作めぐっていろいろあったにしちゃ,いい花道飾ったニャ.

それだけにね,せめてあーゆーことさえなけりゃって,つくづく惜しいと思うノダ,ほんと.

関聯記事

『プロジェクトX』年内終了

2005年12月27日

SHISEIDO WEBSITE 10 YEARS

「SHISEIDO WEBSITE 10 YEARS」内,「資生堂ウェブサイト10年の歩み」のスクリーン・ショット

資生堂サイト開設10周年記念のコンテンツ「SHISEIDO WEBSITE 10 YEARS」が,来年1月末まで期間限定で公開されてるノダ.

中でも「資生堂ウェブサイト10年の歩み」ってコーナーがオモロいノダ.サイトの変遷を,当時のサイト画面をFlash化したスクリーン・ショット(1年ごとに最大7点)で紹介,あわせてインターネットや資生堂の年ごとの動向,それからアクセス数や資生堂ネット会員の増加をあらわすグラフも掲載してるノダ.さながら,日本の有名企業のサイトを通してみた,インターネットのこの10年の歩みってとこナノダ.

スクリーン・ショット見てるとさ,時々のwebデザインに時代を感じますニャー.

歴代サイト担当社員のインタヴューが,『Web Designing』2006年1月号に載ってるノダ.あわせて読むといいぞよ(せめて立ち読みすべし).

2005年12月26日

西浦白源『帝都帰遺』

『帝都帰遺』本文の写真

昨日はこれから読むモノ紹介したんで,今日は今読んでるモノを取り上げましょ.

西浦白源『帝都帰遺(ていとみやげ)』(1812).

江戸時代の紀行文だけど,活字化されてなくて,著者の自稿本を覆製した覆刻版(編・解説:松尾寿,報光社,1977,非売品).これ読んだことある人の大半は,松尾寿先生の日本史講読を受講した人じゃなかろか.かく言うタヌキぼーや,島根大学で受講した最後の学生の1匹でござんした.

さてこの本.江戸時代後期,摂津国(現・大阪府)の上層農民の家に生まれた西浦白源(1786-1867)という人が,文化9年(1812)夏に京都見物の旅をしたときの記録ナノダ.

一行の5人は,大坂(現・大阪市)から伏見(現・京都市)まで淀川を船で上って京都入り.7日間かけて,祇園祭の宵山と山鉾巡行を見物したほか,洛中洛外の名所旧蹟を訪ねて廻ったことが記されてるノダ.銀閣や西本願寺の飛雲閣を拝観したとか,狩野元信の襖絵を見たとか,今とほとんど変わらないよーな観光旅行の様子が伝わってくるノダ.

白源自作の挿絵,漢詩(狂詩が多いけど)や狂歌が随所に出てきたり,自註として旧蹟の来歴や古い和歌がたくさん添えられてたりしてて,著者の教養の高さも伝わってくるノダ.文化9年と言やぁ,白源は満26歳……タヌぼーの実年齢より若いぞよ(汗).大学で江戸時代の古文書見てきてよーくわかったノダけど,この時代は地方の都市や農村にも,学問や藝術に通じた人が少なからず出てきて,地方の文化の発展に寄与してるノダ.昨日のにゅーすで出した『北越雪譜』の著者・鈴木牧之もそーゆー人ナノダ.

そのほかオモロいのは,漢語に和語の振り仮名をつけたり,ひとつの漢語に音読みと訓読み,2通りの振り仮名をつけたりした箇所がたくさんあるノダ.「鉄面」は「つらあつくも」,「陸産海生」は「りくさん かいせい」「ヲカノモノ ウミノモノ」……ってな具合に.たぶん漢語に明るくない読者への配慮でしょーな.ときにゃユーモラスでもあるわいな.こーゆー振り仮名のつけ方って,明治期の新聞にも引き継がれてるから,初めてこの本読んだときにゃ,それを思い出したノダ.

書中,読み残す日付はあと2日.年内にゃ夏の京都から冬の越後に行けそうですわ.

2005年12月25日

この冬は『北越雪譜』読もっかな

何年前だったか,TVの歴史番組で,鈴木牧之『北越雪譜』(初編1837,二編1841)刊行の経緯を取り上げてたノダ.越後国塩沢(現・新潟県南魚沼市)で縮(ちぢみ)の仲買業を営み,商用で江戸との往来があった牧之(1770-1842)が,温暖な地方に住む人には想像もつかないよーな雪国の厳しい暮らしぶりを紹介する書物を,構想,版元探しから執筆まで40年近く費やして出版にこぎつける.で,初編発刊間もなく,江戸で700部売り上げるベスト・セラーになったノダとか.

そんな気の遠くなるよーな歳月かけてまで,越後の商人が世に出したかった雪の本ってどんなモノだろか? 長年の暖冬で,こちら簸川平野は雪と縁の薄い土地になっちゃっただけに,タヌぼーにとって雪ってのは,せいぜい雪あそびの雪か,時々交通に影響を及ぼす雪くらいなモノでしかないノダ.いわば牧之の時代に生きた江戸の住人のよーな目で,『北越雪譜』にゃキョーミ持ってたノダ.

だけどこのところの大雪で,屋根から落ちた雪の下敷きになって人が死んだとか,鉄道が終日運休したとか,そんなニュースが連日伝わる今日コノゴロ.タヌキ小屋あたりもたびたびの積雪.気象庁は冬の予報を「暖冬」から「20年ぶりの寒い冬」に修正したそーだニャ.いつもの冬よりちょっとだけ身近に雪国の気配を感じながら,この冬は『北越雪譜』を読んでみよっかニャ,なんて思うノダ.

今,岩波文庫版をパラパラめくってるノダ.初編冒頭では,くもりたる雲冷際に到りまづ雨となる。この際冷際の寒気雨を氷すべき力たらざるゆゑ花粉をなして下す、これ雪なりと,まずは雪を定義して,牧之による雪の結晶のスケッチまで掲げつつ,さながら“雪の科学”.モチロンこれはほんの出発点に過ぎなくて,字面で冬のキビしさが充分伝わってきそーな「雪中の洪水」「雪中の葬式」,土地の伝承・伝説とおぼしき「斎の神勧進」「両頭の蛇」「鶴恩に報ゆ」…….見出しとか,主に山東京水(京山の子.京伝の甥)の筆になる挿絵とか見てるだけでも,雪と雪国のすべてを書き尽くしそーな勢いが伝わってくるノダ.

北越雪譜
北越雪譜
posted with amazlet on 05.12.25
岡田 武松 鈴木 牧之
岩波書店 (1978/01)

引用者註

『北越雪譜』からの引用のうち,一部の漢字は仮名に改めました.

2005年12月24日

正月準備

午後にゃ大社方面に出かけたノダ.雨やら雪やら霰やら,いろんなモノが代わる替わる降る中,出雲大社のにも寄ったら,ホラ.境内にこんなモノができてましたわ.

仮設小屋の写真

これ,絵馬やおみくじ扱う窓口(こーゆーのって何て言うんだっけ?)ナノダ.初詣に備えて臨時に増やされる仮設の小屋.さすがに中は見ての通り,まだカラッポだったノダけど,もういくつ寝るとお正月でんな.

写真右手に映ってるのが常設の窓口,その奥の真ん中で,千木と勝男木をいただいた大きな屋根を覗かせる社殿が,国宝の本殿でござい.

2005年12月23日

寝台特急「出雲」廃止を発表

交通手段の多様化と,鉄道そのものの高速化が進んだため,全国的に寝台特急の利用が減って,本数が減ったり,区間が短くなったり,姿を消したりつつあるノダ.そんな中,ウチのご近所・出雲市駅発着,山陰本線-福知山線-東海道本線経由の「出雲」(出雲市-東京)を,2006年3月のダイヤ改正で廃止するって,JR西日本が発表したノダ(JR西日本山陰中央新報).

「出雲」についちゃ,沿線の鳥取・島根・兵庫3県の知事が連名で存続要望書をJR西日本に出してた中で(山陰中央新報),この正式発表だったから,鳥取県を中心とした沿線自治体は相当反発してるみたいナノダ.

出雲市-東京を結ぶ寝台特急にゃ,伯備線-山陽本線経由で,A・B寝台ともに全部個室なのがウリの,「サンライズ出雲」があるノダ.このまま「出雲」が廃止になったとしても,島根県と鳥取県西部にゃ,ほとんど影響がないんじゃなかろか.でも,「出雲」以外に東京方面とを直接結ぶ列車がないハズの,鳥取県中西部と兵庫県北部にとっちゃ,そうは問屋が卸さねぇだろニャ.

今日の『山陰中央新報』によると,

廃止の代替策として、上郡駅(兵庫県)で伯備線経由のサンライズ出雲に乗り換えられる鳥取発岡山行きの特急「スーパーいなば」と、特急「まつかぜ」の増便で対応するとした。

そーナノダけど,つまり鳥取駅と上郡駅で2回乗り換えってことでっか.こりゃあーた,東京へ直通で行けた今までのメリットまるでなし.しかも上郡駅での乗り換え時刻って,現行ダイヤをもとに予想すると,東京方面行きが23時台,鳥取方面行きが5時台にならないかい? 乗客の鉄道離れに拍車かけるのが関の山って気がしちゃうノダ.

「出雲」の発着駅を倉吉か鳥取に替えるとか,それこそ「サンライズ出雲」みたいに魅力のある新車輌投入するとか,いきなり廃止話持ち出す前に,やりようはなかったんかね?

2005年12月22日

本から始める能楽鑑賞[1]

ラジオで能楽鑑賞」「TVで能楽鑑賞」のつづきです.

小学校に入る少し前のことではなかったかと思います.両親に買い与えられた『学習百科大事典アカデミア』(全23巻,コーキ出版,新訂初版1980)の1巻に,『国語辞典』がありました.その口絵のうちの1頁には,「文楽・歌舞伎」とともに「能楽」という項目が立ち,能の定義,「紅葉狩(もみじがり)」の舞台と「羽衣(はごろも)」のシテの写真,能舞台の平面図が掲げられていました.中でも「紅葉狩」の写真に映し出された,後シテ率いる鬼女軍団が,舞台中央から橋懸にかけてズラリと並ぶ場面は,左右非対称の舞台の形状が引き立って見え,強い印象を受けたものでした.

それにもかかわらず,祝日の午前中の能TV放送に見向きもしなかったのには,今となっては不思議でなりませんが,ともかくこの世に能というものがあるのを知ったのは,このような経緯でした.

小学4年になると,必修のクラブ活動がありました.私は希望空しく散って,百人一首のカルタ取りを覚えることとなりました.それがきっかけだったのでしょう,学校の図書室で,日本の古典文学のあらすじを児童・生徒向けに紹介する本のシリーズを読み始めました.その中に,『お能・狂言物語』(初版1956?)と題する1冊を見つけました.著者は野上彌生子(1885-1985).後に知りましたが,能楽研究でも知られる夫・野上豊一郎とともに,漱石に師事した作家です.

書名には「能楽」でも「能」でもなく,「お能」とありました.さらには「狂言」の2文字が続いています.しかしおそらく国語辞典の口絵で見た能のことだろう,祝日になるとノッポさんやチョーさんを中止にして放送する,にっくき(笑)能だろう,と直感したのかも知れません.何とも気になって手にとり,パラパラと頁を繰りました.

すると,「西王母(せいおうぼ)」「小鍛冶(こかじ)」「実盛(さねもり)」……といった曲の物語が,諸国の昔ばなしを集めた本のようにいくつも,やさしい言葉で続きます.とりわけ脇能物や,これに準じて祝言性の高い「小鍛冶(こかじ)」「羽衣(はごろも)」といった曲に,清々しい読後感を覚えました.

「しかしかえしたら,すぐ,それで天にあがってしまって,舞は見せてくれないでしょう.」
「うたがいぶかい心は,人間のもつもので,天人は,うそなどは言いません.」
きっぱりと決めつけられて,伯竜は,すっかりはずかしくなり,では,どうぞ,と言って羽衣をわたしました.
「羽衣」野上彌生子『お能・狂言物語』

そうした読んで心地よい物語が,舞台上でどのように演じられるものなのか? ということに初めて考えが及んだときこそ,祝日の朝のTVが待ち遠しくなった瞬間であったように思います.

(つづく)

日本の古典物語 (17)
日本の古典物語 (17)
posted with amazlet on 05.12.06
野上 彌生子
岩崎書店 (1986/03)

雪景色

今朝の出雲市内の写真

本日の大雪の代表,山陰地方でござんす.一夜明けてみりゃ,雪がふかふかの真っ白.奥出雲あたりじゃ,今日は出雲横田-備後落合間,終日運休するって,昨日の段階で予告が出てたくらいナノダけど,あたり一面平地の出雲市駅近辺も,雪国のおすそわけをもらったノダ.小中学生諸君,雪合戦は楽しいかニャ?

2005年12月21日

大仏さまを下に見るぅ~

大仏さんのPC用壁紙を,タヌキぼーやのPCに表示させた様子のスクリーン・ショット

ただ今,ワタクシのPCにゃ,奈良の大仏さんのおっきなお顔がどどーんと映ってまっせ.しかも,大仏殿の天井裏から見下ろした,今まで拝んだことのないお顔でおます.これがまたね,おだやかな,エエお顔なんですわ.

ナンノコッチャって?

TBS世界遺産』のwebに,1月15日放送「古都奈良の文化財III」のスペシャル・コンテンツが出たノダ.担当ディレクターのインタヴューと一緒に,PC用壁紙が4点,用意されてるノダ.そんなかの1点が,今言った東大寺の大仏さんナノダ.

1280 × 1024 pixelsのモニター画面いっぱいに大仏さんのお顔.エリャア迫力でんがなまんがな.さあさ皆の衆も試してみよー!!

2005年12月20日

集団登校の列に自動車突っ込む[2]

11月22日の記事「集団登校の列に自動車突っ込む」で取り上げた,出雲市枝大津町の交通事故の被害者のうち,意識不明の重体となっていた児童が,一昨日18日に亡くなったそうです(asahi.com).故人の御冥福をお祈り申し上げます.

2005年12月19日

Internet Explorer for Mac,年内でサポート終了

ITMediaの記事見るまでスッカリ忘れてたノダけど,開発停止して2年以上経つInternet Explorer for Macが,2005年12月31日,つまりもーいくつ寝ると無償サポート終了しちゃうノダ.

しかもIE for Mac英語サイトによると,来月末にゃダウンロード提供も終了だとさ.日本語サイトじゃ,まだダウンロード提供終了のアナウンスはないみたいナノダけど.

でもタヌぼー周辺のMac使いの間じゃ,Mac OS 9+IE for Macがマダマダ主流ナノダ.だからMac OS X対応のSafariMozilla Firefoxに乗り換えってワケにゃいかん人も多うござーまして.

ビル・ゲイツ商會殿,そー簡単にゃIE for Macが過去のモノになりそーじゃないニャ.

2005年12月18日

積雪

雪だるまの写真

やー,今日こそは積もりましたわ.10cmかそこらじゃなかろか.出雲市駅近くで12月にこれだけの積雪って,近年なかったんでないかい?

写真は外出中にみっけた雪だるまさんのおふたりでござい.カワイイ顔して,花かざりもつけちゃって.

2005年12月17日

松本侑子『赤毛のアンの翻訳物語』と私

先日,出雲市出身の作家・松本侑子さんの講演会に行って来ました.短篇「赤萩の家」(『引き潮』幻冬舎,2004)の朗読と,何でも『冬のソナタ』に刺戟されて生まれたという最新刊『海と川の恋文』(角川書店,2005)のお話が中心でした.私と同郷にして高校の先輩に当たる作家の近況に触れることができました.

1996年だったでしょうか,学生時代にも松本さんの講演を聴きに出かけたことがあります.その折の話題は,自らが手がけた『赤毛のアン』翻訳(集英社,1993)の舞台裏.当然ながら,作品と作者モンゴメリ,そして英語文学にまつわるエピソードもさまざま紹介されたわけですが,意外と多くの時間を割いて松本さんが話したのは,翻訳作業でPCやインターネットが大いに役立ったということでした.

1996年といえば,私が通っていた大学では,情報処理センターや附属図書館に,学生が利用することのできるインターネット端末が配備され,所属学科ではようやく「情報処理実習」という授業が必修科目になった年です(1995年に入学した私は,選択科目としてその授業を受けました).私自身は,大学では学生研究室の雑誌の編輯のために,PCをしばしば使う機会がありましたが,用途は専らワード・プロセッサーによる文書作成.自宅で,高校時代に買った専用機を用いるのと,さほど変わりません.また,インターネットに関しては,右も左もわからないまま,好奇心ひとつでwebブラウジングを始めたばかりでした.将来の卒業研究をはじめ私自身の生活で,PCやインターネットは具体的にどのように使えるものなのか,といったことには,いまだ具体的な展望を持っていなかったように思います.

その折節,松本さんの話は,文学や社会科学の分野におけるPCやインターネットの活用事例として,興味深く聴くことができました.詳細は,のちに『赤毛のアンの翻訳物語』(集英社,1998)として単行本化されています.

作中に多数潜む,シェイクスピアをはじめとする過去の英語文学からの引用を,CD-ROMやwebを検索して探り当てる過程.スキャナーとOCRソフトウェアを用いて,紙の文献をテキスト形式のデータに変換.テキスト・データ化された文学作品をFTPサイトからダウンロード…….時宜に応じたPCの環境の更新を含めて,“電子書斎奮闘記”が時系列で綴られた1冊です.PC/インターネットの1990年代を,作家の視点からとらえた記録としても読み応えがあります.

私は英語文学ではなく日本近代建築史を専攻しましたから,自分の研究に直接役立つことなど,まず書いてあるはずがないのです.しかしながら,1997年に初めてPCを購入し,インターネットに接続して以来,本書の内容には多くの点で共感してきました.初めてPCのパーツを追加したり,ソフトウェアをヴァージョン・アップするときの緊張感.活字文献を扱う者にとっては垂涎の技術と言うべきOCRの体験.あるいは,日本語で書かれた史料や,趣味として読む日本語の文学作品も,インターネットで公開されるようになればいいな,と近未来を夢想したものでした.

先日のタヌキにゅーすで,坂本龍一さんを通して初めてインターネットの存在を知ったということを書きましたが,自分が使う道具としてのPCやインターネットの可能性を明示してくれたのは,松本侑子さんでした.皮肉なことに,私の“電子書斎奮闘記”の序章と軌を一にして,小説をほとんど読まない歳月を送るようになってしまいましたが,「赤萩の家」という品のよい小説の自著朗読を聴くうち,新しい作品も手に取りたくなりました.その点において,著書を購入してサインをいただく間もないまま,講演会場を後にしなければならなかったのは惜しい限りです.

赤毛のアンの翻訳物語
松本 侑子 鈴木 康之
集英社 (1998/08)
赤毛のアン
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L.M. モンゴメリ Lucy Maud Montgomery 松本 侑子
集英社 (1993/04)
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引き潮
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松本 侑子
幻冬舎 (2004/09)
売り上げランキング: 118,395
海と川の恋文
海と川の恋文
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松本 侑子
角川書店 (2005/12/01)

2005年12月16日

北山殿

金閣で有名な鹿苑寺の境内から,室町幕府3代将軍・足利義満の山荘「北山殿」の遺構が出土したそうです(asahi.com).

京都市埋蔵文化財研究所の発表では,今回出土したのは回廊の一部と見られるとのことですが,その幅なんと4.2mとか.……広い.かと言って,殿舎と見ようとすると,随分狭いということになりそうですものね.

実は,北山殿を舞台にした小説の構想を,高校時代から持っています.鎌倉時代に栄えた公家で,義満以前に北山殿を営んだ西園寺(さいおんじ)家の盛衰を,義満の栄華と重ね合わせながら描く,といったものです.発掘調査報告書が出たら,小説のネタ求めて読んでみましょうか.

2005年12月15日

中学生が「歩きたばこ禁止条例」を市議会に請願

数日前のニュースになりますが,メモを兼ねて.

静岡市議会の市民委員会で,中学生による「歩きたばこ禁止条例」制定の請願が全会一致で採択されたそうです(共同通信).

2002年,東京都千代田区に「安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例 」が制定されたのを境に,全国各地の自治体で,路上喫煙禁止を定めた条例制定の動きが見られるようになりましたが,この流れをさらに後押しするであろう朗報です.

請願した中学生は喘息患者なのだそうです.強制喫煙(受動喫煙)の健康被害の影響を特に受けやすい立場だけに,これまでに負ってきた肉体的・精神的苦痛は察するに余りあります.

かく言う私も,「しまね子どもをたばこから守る会」という任意団体の会員.島根県にも路上喫煙禁止への流れを作っていきたいものです.

THE ECCENTRIC OPERA『NOEL』

世の中あちこちからクリスマス・ソングが聞こえる今日このごろ.「自分にとってのクリスマス定番の一曲/この1枚」を持つ人も少なくないでしょう.

かく言う私の場合は,THE ECCENTTIC OPERAのアルバム『NOEL』(ESCB1854,1997).フランス語でクリスマスを指す言葉がタイトルになっているように,クリスマス・ソング集です.「O Holy Night」などクリスマス・ソングの古典から,クラシックやオリジナル曲まで,さまざまな楽曲が収められています.

THE ECCENTRIC OPERAは,相良奈美さん(ヴォーカル)と書上奈朋子さん(キーボード,プログラミング,作曲,編曲)によるユニットで,その作風をひと言で表現すれば,「テクノなオペラ」といったところ.プログラミングを多用したオーケストレイションに,多重録音とさまざまな歌唱のスタイルを駆使したヴォーカルが絡み合って,独創的な音楽を創りあげていました.

『NOEL』では,プログラミングよりも弦楽器や打楽器の生演奏の比重が高く,また歌唱のスタイルも,THE ECCENTRIC OPERAの他のアルバム以上に,クラシックが基調になっているのですが,荘厳にして優雅,そして少し危険な香りもただようサウンドは,THE ECCENTRIC OPERAならではの持ち味でしょう.

1997年だったかと思います.当時よく聴いていた(しかも時々投稿もしていた)エフエム山陰の電話リクエスト番組で,パーソナリティーがオススメするクリスマス・ソングとして挙げたのが,『NOEL』に収録されているTHE ECCENTRIC OPERA版の「The First Noel」でした.すると番組時間内に,リスナーからのリクエストで,その曲が流れてきたのです.ポップでありながら神秘性を兼ね備えた,今まで耳にしたことのないアレンジメントに,グッと来ました.曲をバックに,パーソナリティーが「気分がよくなったところで」と乾杯したのとあわせて,今でも当時の記憶が鮮明に甦ります.パーソナリティーとリスナーの両氏に感謝感謝.

ちなみに,そのパーソナリティーと言うのは,日本海テレビ『Go! 5! 知っテレビ』(今年終了)にリポーターとして長年出演していた,原美津子さんという方です.ラジオで私はずいぶんと励まされたものでした.こちらの電波でお目にかかれなくなって1年余りになりますが,どこかで元気に活躍していらっしゃるでしょうか.

NOEL
NOEL
posted with amazlet on 05.12.15
THE ECCENTRIC OPERA
ERJ (1997/11/21)
売り上げランキング: 24,337

2005年12月14日

年賀状準備中

目の前の仕事もいくつかあるノダけど,忘れちゃいけない年賀状の仕込み.

今年分と同じで,郵政公社の年賀はがきにインク・ジェット・プリンターで印刷ってな,近ごろ世の中でも定番になった作り方ナノダけど,いちおー,デザイナーのハシクレにふさわしいモノを準備してまっせ.

で,今日までにデザインがホボ完了したノダ.

参考までに,今年分は↓な感じ.酉年ってことで,楕円の組み合わせで描いたニワトリさんがピョコッと顔出したノダ.

2005年分の年賀状の画像

この調子で来年分も,戌年にちなんでお犬さま登場……と行きたいところナノダけど,

犬だけはゼッタイに出まへん(断言).

知ってる人もいると思うけど,だって犬……ウエ~ン.あとは察してやってやってちょ.

そのわりにゃ,愛読してきたマンガのヒーローに,「スヌーピー」や「のらくろ」がいるノダけど(爆),ありゃハッキリ言って犬の範疇に収まりまへん.人間の言葉はモチロンわかるし,二足歩行までするからニャ.

ほな,犬以外のナニかが出るんだろか? お正月らしいモノだけでも,門松,注連縄,破魔矢,羽子板,駒,鏡餅,宝船,打出の小槌…….動物なら鶴とか亀なら十二支の制約がないし,タヌキぼーやって隠し球(?)もあるワケだ(笑).

だけどタヌぼーって,あんま絵描かないからニャ.文字だけでデザインしちゃうってのも,タヌぼーならやりかねんぞよ.

ま,そのへんは年明けてからのおたのしみってことで.お好きなよーに予想しちゃって下さいまし.webにも画像で発表しまっせ.

2005年12月13日

MUJI Xmas

2日続けて雪の情報ってんじゃゲエがないんで,クリスマスのネタでも出しやしょ.

先日仕事で松江に行ったとき,無印良品で拾った『MUJI Xmas』なるパンフレット.「世界中の無印良品が,ヨーロッパ,アジアの各都市から選りすぐったクリスマスプレゼント」の写真集のよーなカタログでござい.どんな感じかってのは,MUJI.netの特設ペイジに用意してあるパンフレットのFlash版や,パンフレットの写真使ったスクリーン・セイヴァーが参考になるノダ.ぬくもりが感じられる写真ナノダ.

webじゃあまり再現されてないけど,このパンフレット,全篇が英日仏中の4言語で書かれてて,タイポグラフィもサン・セリフ体でバッチリまとめてるノダ.欧文書体はHelveticaで,日本語,中国語の書体もHelveticaに合うゴシック体を選んであるノダ.ウェイト(太さ)はそれぞれたった2種類.

写真中心の頁は,行頭の左端をキッチリそろえたストイックな組版.それがテクスト中心の記事になると,かなり自由度の高いレイアウトやっちゃってます.ロンドン,東京,パリ,香港のお客さんが,クリスマスのプレゼントに選ぶ無印良品の品物を紹介してる頁じゃ,商品持ったお客さんの切り抜き写真に,お客さんひとりひとりのコメントのテクストをまとわりつかせてるノダ.写真の大きさや配置,文字の大きさやテクストの行数はみ~んなランダム.目立った統一感は,4言語のテクストが,お客さんそれぞれの母語で書かれたのを一番上にしてるくらいナノダ.誌面に変化があって,見ててたのしいノダ.

紙の質感もいいから,こりゃゼヒ実物を手にとってみてちょ.

松江は積雪らしいけど

松江は20cmもの積雪で,「12月の平野部にしちゃ6年ぶりの大雪だわいな」とかニュースで言うとりますけど,

こちら出雲市駅附近は,てんで積もってまへんガナ.

そりゃ朝は,屋根や道路がうっすら白くはなっちょりましたよ.でも午までにほとんど溶けて消えちまっただよ.島根半島も広いモンですわ.

あたしが松江に住みたい思うのは,こーゆー日なんですわ.雪遊びできるから(笑).こちとら雪合戦の玉ひとつも作れやしねぇ.

2005年12月12日

出雲市駅近辺の平野部でも雪が降ったノダ.まだ積もりゃせんけどね.ときどきチラチラするくらいナノダ.

そーは言っても,この冬は寒くなるのも早けりゃ,雪も早いニャ.

近年は暖冬が当たり前になっちゃって,12月中なんて冬って気ィせんかったから,今年はどーも体がついてってないよーな.ウォームビズってワケじゃないけど,タヌキ部屋ん中じゃ,この時期にゃめずらしく厚着してるし.

……まさか年のせいってんじゃあるまいニャ(汗).

いつもはタヌキの“ぼーや”にふさわしく(?),「気分はまだハタチ前」で通してるんで(ヲイ),そりゃちとマズいワナ.わがタヌキ一家のうちじゃ,全会一致で「今年の12月は寒い」ってことになってるけど,世間じゃどーニャンだろ?? 出雲の国平野部の住人御一同,どげですかね.

2005年12月11日

ラジオとwebで義太夫

昨日NHK-FMの『邦楽百番』(土曜日11:00-11:50,再放送:日曜日5:00-5:50)で放送していた義太夫「假名手本忠臣蔵 早野勘平腹切の段」(太夫:竹本住大夫,三味線:野澤錦糸)を,MP3に録音し,今日にかけて繰り返し再生しました.

「早野勘平腹切の段」は,舅殺しの嫌疑がかかった勘平が腹に刀を突き通した直後,勘平の無実が証明され,臨終の際に主君仇討の連判状への血判がかなう,という「假名手本忠臣蔵」中の名場面のひとつ.中学時代に授業の一環で初めて見た文楽(人形浄瑠璃)の演目が,舅の死を扱った「二つ玉の段」であり,大学時代には文楽の松江公演で,住大夫さんと錦糸さんによる「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」の切場を見たこともあって,くしき縁を思い出しつつ耳を傾けていたところです.

この3月,大社の地方公演で6年ぶりに生の文楽を見て,人形,太夫,三味線が織りなす人形芝居の妙を改めて認識しました.以来,ラジオで義太夫の放送をチェックしながら,次なる観劇の機会を待っています.

江戸時代の大坂弁を基調に,喜怒哀楽の感情をたっぷり込め,役柄に応じて声色を使い分けつつ,人間のあらゆる葛藤を語る太夫.三味線の中でも最も低い音域を奏でる太棹の,腹の底にズシリと響く音.そうした音楽的な面だけを取り出しても,義太夫は充分な魅力をたたえています.

ただ,文楽という芝居を念頭に義太夫を聴く私としては,生きた人形が目の前にない以上,語られている言葉もひとつひとつ味わいたいものです.しかしながら,私の耳は太夫独特の節回しがスンナリ入ってくるほどには肥えていない.そこで,床本(ゆかほん)と呼ばれる義太夫の台本がweb上で手に入る作品に関しては,モニター上の床本に目を通しながらラジオを聴いています.

床本というのは,本来は太夫が舞台で使用する肉筆の本を指すようですが,文楽公演で配られるパンフレットにも「床本」と題して,上演する狂言(演目)の台本を全文掲げていますから,とりあえず床本と称しておきましょう.最近は,床本に限らず日本の古典文学のテクストを,web上で多く目にするようになり,便利になりました.今回聴いた「早野勘平腹切の段」は,豊竹咲甫大夫さんのサイトを参照しています.

それはとは、それはとは、エヽわごりよはなう。隠しても隠されぬ、天道様が明らかな。親仁殿を殺して取つたその金や、誰に遣る金ぢや。聞こえた。身貧な舅、娘を売つたその金を、中で半分くすねておいて、皆遣るまいかと思ふてコリヤ、殺して取つたのぢやなア。今といふ今迄、律儀な人ぢやと思うて、騙されたが腹が立つわい。エヽこゝな人でなし、あんまり呆れて涙さへ出ぬわいやい。なう愛しや与市兵衛殿、畜生の様な婿とは知らず、どうぞ元の侍にしてやりたいと、年寄つて夜も寝ずに、京三界を駆け歩き、珍財を投げうつて世話さしやつたも、かへつてこなたの身の仇となつたるか。飼ひ飼ふ犬に手を喰はるゝと、ようもようもこの様に、惨たらしう殺された事ぢやまで。コリヤこゝな鬼よ蛇よ、父様を返せ、親仁殿を生けて戻せやい。

勘平に夫を殺されたと信じて疑わない姑の嘆きが上の引用ですが,現代人の我々の心を直接にえぐるような言葉を連ねているわけです.今日,文楽が世界無形遺産に選ばれるまでに世界的な評価を得たのには,言葉の壁を打ち破って世界中の人々に感動をもたらす何ものかがあるからだとは思いますが,せっかく日本語を使って日々暮らしているのですから,その“特権”を生かして,言葉の面からも文楽を愉しみたい.もっとも,生の舞台を前にしながら床本に目を落とすというのは,もったいないことこの上なし.これはあくまでも,ラジオならではの義太夫鑑賞法です.

なお,文楽はすべての演目が義太夫によって進行しますが,歌舞伎にも義太夫(歌舞伎では「竹本」と言います)を伴う「義太夫狂言」と総称される演目がありますし,ほとんどの場合が人形や役者を入れない素浄瑠璃(すじょうるり)と呼ばれる形態で演じられる女義太夫も,根強い人気を誇っています.しかし私のように人形芝居の戯曲として義太夫を味わおうとする者にとっては,人形がいきいきと動くさまが目に浮かぶという点で,女義太夫よりは男の太夫による語りの方がしっくり来ますし,情景描写からすべての登場人物のセリフの語り分けまでひとりでこなす語りの迫力という点で,歌舞伎の竹本よりは文楽の義太夫に魅力を感じます.そのようなわけで,私がラジオで聴くのは主に文楽の演者による義太夫です.

2005年12月10日

能に親しむ―仕舞と講演の集い:金剛流能楽師・種田道一先生をお迎えして(一畑薬師)

京都を中心に活動する金剛流シテ方・種田道一(たねだ・みちかず)さんによる仕舞と講演の会が,一畑薬師(一畑寺)で開催されるという情報が入りました.

出雲地方で金剛流の能に触れる機会が一般向けに設けられるのは,珍しいことではないかと思います(ホール能はほとんど観世流,たまに喜多流といった具合ですから).「舞金剛」と呼ばれる華麗かつ豪壮な舞に触れる貴重な機会になるのかも知れません.

私は未読ですが,種田さんには『能と茶の湯』(淡交社,2002)と題する,能と茶道とのかかわりを紹介する著書があります.出雲も京都と同じく茶の湯が盛んな土地柄,一度は読みたいとかねて目をつけていたところですが,ついやり過ごしてしまいました.この折に読むとしましょう.松江市立図書館出雲市立図書情報センター等が所蔵しています.

チラシ(一畑薬師のwebからダウンロード可能)によると,種田さんは,

現在毎月一回、出雲地域へ能の指導に来ている.

とのこと.これは私,初めて知りました.

夜の催しということで,平田生活バス一畑薬師線の時刻を確認しましたが,帰りのバスがありませんでした.自動車免許のない生活でも普段困むことはないのですが,今回ばかりは参りました(シクシク).お出かけは自家用車でどうぞ…….

講師
種田道一(金剛流シテ方)
日時
2005年12月15日(木)18:30-20:00(開場18:30)
場所
一畑寺・法堂(はっとう)(出雲市小境町)
会費
1,000円(おにぎり,お茶代を含む)
内容
能のお話
仕舞の披露
能面の解説
能に親しむ
参加申込締切
12月12日(月)
参加申込・問い合わせ先
平田ロータリークラブ事務局
電話:0853-63-3232
FAX:0853-63-5365
詳細
http://www.ichibata.org/
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2005年12月 9日

クリスマス仕様

タヌキにゅーすのバナー画像(クリスマス篇)

タヌキにゅーすと石川陽春デザインワークスのwebをクリスマス仕様にしてみたノダ.

季節ごとの配色の変更は,今までもやってきたノダけど,今回はタヌキにゅーすのタイトルに顔出すタヌキぼーやのお絵かきもサンタさんにしちゃったノダ.絵がヘタなのは言ってくれるな,おっ母さん(誰?).ちょこっとカワイイとこだけが取り柄でござい(エヘヘのヘ).

ついでにそのお絵かき使って,バナー画像作っちまったい.デザインワークスのwebで使ってるノダ.これでタヌキにゅーすへのリンクがひと目でわかるよーになったノダ.

タヌキにゅーすのバナー画像(クリスマス篇)は配した石川陽春デザインワークスのwebのスクリーン・ショット

2005年12月 8日

迷惑コメントがやって来た

タヌキにゅーすにコメントやトラックバックが来ると,メイルでタヌぼーまで通知するよーにしてるノダけど,今日は明らかにスパムなコメントの通知が2件続いてきたノダ.タヌキにゅーすをMovable Typeに移して3か月ちょい.とーとー迷惑コメントが来るよーになっちまっただよ.

タヌキにゅーすで使ってるMovable Type 3.2は,迷惑コメントや迷惑トラックバックのフィルタリング機能がウリなんで,管理画面で迷惑コメントと迷惑トラックバックの履歴を見たノダ.

するとだ,迷惑コメントがこの1週間で,すでに20通くらい隔離されてましたわ.フィルタリングから洩れたのが今日の2通だけだから,今のところかなりの割合でカッチリとガードしてくれてはります.

んで,迷惑トラックバックは……っちゅーと,すんまへん,ゼンゼン迷惑じゃないトラックバックが1通振り分けられてましたわ(いやはや).ナンデだろ?

メイルの送受信に使ってるOutlook 2003にも,迷惑メイルのフィルタリング機能があるノダけど,ちゃんとしたメイルなのに迷惑扱いされちゃうモノも,たま~にござーます.

2005年12月 7日

狂言を楽しむ:茂山一門の世界[2]2006年鳥取公演「猿聟」

(このエントリーは,2006年1月に開催される「狂言を楽しむ:茂山一門の世界」鳥取・米子公演を紹介するシリーズの1本です)

猿聟(さるむこ)

鳥取公演
2006年1月19日(木)
鳥取県民文化会館梨花ホール

聟猿
茂山千三郎
舅猿
茂山千之丞
太郎冠者
茂山逸平
姫猿
茂山茂……ほか

狂言には,新婚の聟が舅のもとへ挨拶に行く「聟入り」という儀式を扱った曲がいくつもあります.勿論それらは人間の世界の話なのですが,「猿聟」は曲名の通り,登場するのは全員猿で,名乗り,道行,小謡以外は,全部“猿語”によるやりとり(笑).「キャーキャーキャー」「キャキャッ,キャキャキャキャキャキャ……」といった具合です.しかも聟猿は,嫁猿や一族の猿も数匹引き連れて訪ねるのですから,大変にぎやかなことになります.

聟入りを扱った曲には,「二人袴(ふたりばかま)」「船渡聟(ふなわたしむこ)」など,儀式をめぐるおもしろおかしい騒動に光が当たるものが多くありますが,「猿聟」ではつつがなく聟入りが進みます.それが“猿語”で繰り広げられるという一点に,見る者はクスリとさせられます.しかし全体としては,聟入りという儀式が湛えるおめでたい雰囲気こそが,この曲第一の持ち味です.

狂言で演じられる聟入りは,セリフや話の進行に定まったパターンを持ちますから,聟入りを扱った他の曲を知っていると,頭の中で“猿語”を同時通訳しながら愉しむこともできるでしょう.

2005年12月 6日

AdobeがMacromediaの買収を完了

さっき「ブログ普及委員会」のにゅーすで,「eight8.jp」の話題も出すのにMacrmediaのサイトを確認したら,MacrmediaのロゴがAdobeのロゴに変わってて,その右に「formaly macromedia」の文字が.

4月に発表されたAdobe SystemsによるMacromedia買収が,ついに完了したそーですわ(MYCOM PC WEB).

合衆国に本拠を置く,グラフィック制作ソフトウェア開発の2大企業間の大型買収.タヌぼーも,Adobeにゃ主に印刷物のデザインで,Macromediaにゃwebのデザインで,それぞれの製品使ってるんで,仕事上,その動向にゃ無関心ってワケにゃいかんノダ.

今後注目なのは,両社間で競合してきた製品やフォーマットをどう整理してくか? ってことナノダ.

買収完了と同時に発表された両社製品の統合パッケイジ,Adobe Bundlesシリーズのひとつに,Adobe Creative Suite 2 PremiumMacromedia Studio 8という両社を代表する統合パッケイジをそのまま1つの箱に収めた,Adobe Web Bundleが含まれてるとこを見ると,しばらくは既成製品の併存状態が続きそーだけど,特にweb制作の分野じゃ,まともに競合しちゃってるんで,いつまでも現状維持ってことにゃいかんでしょな.

一方の製品を淘汰するか,両社製品をいいとこどりした新製品を開発するか…….ユーザーにとって大型買収のメリットがあるのかどーか,試金石になりそーでんな.

Adobe,Macromedia間で競合する製品
統合パッケイジ名 Adobe Creative Suite Macromedia Studio
オーサリング GoLive Dreamweaver
画像処理 Photoshopの一部の機能 Fireworks

ちなみに,Adobe LiveMotionの販売が2003年に終了したり,Macromedia FreeHandが今年出たStudio 8に収録されなかったりと,ある程度は競合関係が整理されてるノダ.

かつてAdobe,Macromedia間で競合していた製品
会社名 Adobe Systems Macromedia
Flash制作 LiveMotion Flash (Professional/Basic)
ヴェクター・データ制作 Illustrator FreeHand

ブログ普及委員会

12月5日,みなさんにお知らせすることがあります.―眞鍋かをり

なんて予告が,このところ仕事で見る機会が多かったココログのポータル・サイトに出てたノダけど,予告通りに昨日明かされた「お知らせ」ってのが,「ブログ普及委員会」なるwebの開設だったノダ.

コンテンツやデザインのコンセプトは,“委員会”っちゅーより,どー見たって“学校の教室”ナノダけど(笑),“眞鍋委員長”を先生役にした,その名の通り,blog初心者向けのキャンペイン・サイトってとこナノダ.ココログの無料コース「フリー」が先日出たのも(タヌキにゅーす 12月1日),よーするにこの“委員会活動”の準備だったノダろニャ.

さてこのweb,主なコンテンツはFlashで作られてるノダ.眞鍋委員長が生徒の質問に答えていく「眞鍋式ブログ講座」なんざ,全篇Flashによる実写映像.委員長が教室に入ってきて,ちゃんと挨拶交わすしたあとは,生徒ひとりひとりをクリックすると,それぞれ内容の異なる問答が始まるノダ.

こーゆーDVDさながらのコンテンツをweb上で実現するにゃ,MPEGやWindows Media,Quick Timeといった動画ファイルのフォーマットに比べて,ファイル容量を抑えられるFlashが向いてるノダ.

もっとも,これだけFlashをふんだんに使ったコンテンツを閲覧するにゃ,ブロードバンド環境や一定のスペック満たしたPCが欲しいところではあるニャ.だけど,Flashが普及し出した時期によく見かけた,トップ・ペイジに動画使ってみましたとか,ナヴィゲイションまわりに音や動きをつけてみましたとかいった,あまり必然性のない使われ方とは比較にならないほど,魅力的にFlashが導入されてるノダ.

最近話題の類例にゃ,web制作用のソフトウェアを詰め合わせたMacromedia Studio 8のキャンペイン・サイト「eight8.jp」があるノダ.こっちはモデルさんがしゃべって動いてサイト全体をごあんな~い.Flashの使い方,桁はずれにリッチなことになってるぞよ.

それにしても,どっちも人件費かかったんだろニャ…….

2005年12月 5日

この冬の一番の冷え込みでございやす.

松江あたりじゃ平野部でも雪が積もったよーでござんすが,その30km西,島根県は簸川平野のど真ん中,出雲市駅のほど近く.確かに寒うはござんすけれど,雪なんてゼンッゼンッ積りゃしねえ.残念(ナニが?).降るのは雨と霙ばかりでござんす.

長いこと列車で松江まで通学したもんだから,よくわかるんでござんすが,40分しかかからねぇのに,同じ平野部でもだいぶ景色が変わるんですな.一度その,降るものが変わるところの境目を,この目でとくと拝みたいものでござんす.

そんなこんなを書いてるうちに,神鳴さまがゴロゴロ言ってますわいな.オヘソの心配もしますけど,神鳴さまが落っこちて,停電した日にゃPCに大いに影響出ますんで,今宵はにゅーすも早じまい.おとなしく寝るといたしやしょ.オヤスミコスミ.

2005年12月 4日

狂言を楽しむ:茂山一門の世界[1]鳥取・米子公演の概要

来年の話をしますと,鬼に株式を大量取得されそうで少々おっかないのですが,冬の恒例「狂言を楽しむ:茂山一門の世界」鳥取,米子2公演を,これから数回にわたって御案内します.まずは両公演の概要です.

鳥取公演

茂山千五郎家の鳥取公演は8回目になるはずです.今回は千五郎さんの還暦記念に大曲「釣狐(つりぎつね)」が出ます.千五郎さん,今年は全国各地の催しで「釣狐」を勤めたそうです.集中的に舞台を積んで,鳥取ではどんな仕上がりを見せてくれるのでしょう.そのほか,今年も人間国宝の千作さんが出演して小品の「痿痢(しびり)」.正月にふさわしく「猿聟(さるむこ)」というおめでたくもにぎやかな曲も.

日時
2006年1月19日(木)19:00-21:00(開場:18:30)
会場
鳥取県民文化会館梨花ホール
演目
狂言解説:茂山正邦
猿聟(さるむこ):茂山千三郎,茂山千之丞……ほか
痿痢(しびり):茂山千作,茂山正邦……ほか
釣狐(つりぎつね):茂山千五郎,茂山七五三……ほか
入場料(全席指定)
指定席券:3,500円(3,000円)
大学生以下券(指定席):1,000円
※各チケットとも当日700円増
※( )内は鳥取県文化振興財団友の会会員,団体10名以上
※未就学児入場不可.託児サービスあり(無料/要予約:締切1月12日)
プレイガイド
鳥取県民文化会館
鳥取大丸
エルパパジャスコ鳥取北店
倉吉未来中心
米子コンベンションセンタービッグシップ
島根県民会館しまね文化情報コーナー
問い合わせ先
鳥取県民文化会館
電話:0857-21-8700
http://www.torikenmin.jp/h17_jigyou.html#kyougen

米子公演

米子公演は3回目.鳥取公演に比べて歴史が浅いためでもあるのでしょう,初めて狂言を見る人にもわかりすいとされる曲が主に取り上げられます.大名と庶民の立場が逆転するという内容から,下剋上の時代を象徴しているとされる「二人大名(ふたりだいみょう)」.三兄弟共演の「棒縛(ぼうしばり)」は,棒や縄で縛られ体の自由が利かない次郎冠者と太郎冠者,なおあきらめず酒を飲もうとする姿など,見どころ満載です.そのほか,山伏一行の前に“蟹の精”が立ちはだかる「蟹山伏(かにやまぶし)」.

日時
2006年1月20日(金)19:00-21:00(開場:18:30)
会場
米子市公会堂
演目
狂言解説:茂山千三郎
二人大名(ふたりだいみょう):茂山正邦,茂山逸平,丸石やすし……ほか
棒縛(ぼうしばり):茂山七五三,茂山千三郎,茂山千五郎……ほか
蟹山伏(かにやまぶし):茂山茂,茂山宗彦,松本薫……ほか
入場料
指定席券(1階,2階):3,000円(2,500円)
自由席券(3階):2,000円
大学生以下券(指定席,自由席):1,000円
※( )内は鳥取県文化振興財団友の会会員,団体10名以上
※未就学児入場不可.託児サービスあり(無料/要予約:締切1月13日)
プレイガイド
鳥取県民文化会館
倉吉未来中心
米子コンベンションセンタービッグシップ
米子高島屋
米子しんまち天満屋チケットぴあ
エルパパジャスコ日吉津店
島根県民会館しまね文化情報コーナー
問い合わせ先
鳥取県民文化会館
電話:0857-21-8700
http://www.torikenmin.jp/h17_jigyou.html#kyougen

次回以降は,曲目ごとに見どころやあらすじ,その他ウンチク(笑)を書き連ねていきます.

2005年12月 3日

米山麻美Christmas Concert(倉吉未来中心)

昨日行った無印良品の品ぞろえを見て,ボチボチ世の中クリスマスが近づいてるのに,今ごろ気がついたノダ.ウチのwebもクリスマスらしくしてみよっかニャ.

てなこと思ってるトコへ,プラバホールの専属オルガニスト・米山麻美さんが,倉吉でクリスマスのコンサートをなさるって情報が来たぞよ.しかも,先月プラバホールでの第100回記念パイプオルガン定期演奏会(タヌキにゅーす 11月8日11日12日16日17日)と同じ,マリンバの佐藤真由美さんと共演だそーな.

オルガンは鍵盤でパイプに風を送って音出すしくみだし,かたやマリンバは打楽器だから,プラバに行ったときにゃ,異質な音がぶつかり合う感じになるかニャって予想してたところ,ひとつに溶け合って今まで聴いたことない音が出てきたんでビックラしたノダ.で,今度はオルガンが変わるとこれまたどーなるんだか,いや~,オモロそうでんがな.

演奏予定に入ってる教授の「Merry Christmas Mr. Lawrence(戦場のメリークリスマス)」も共演曲なのかニャ? これなんざお似合いじゃなかろか.倉吉近辺の住人(って見てる人いるんかいな?)は,ゼヒ行ってみてちょ.

出演
米山麻美:オルガン
佐藤真由美:マリンバ
日時
2005年12月11日(日) 14:00-15:00
場所
鳥取県立倉吉未来中心 アトリウム(鳥取県倉吉市)
演奏予定曲
バッハ:主よ,人の望みの喜びを
クライスラー:中国の太鼓
坂本龍一:Merry Christmas Mr. Lawrence(戦場のメリークリスマス)
アンダーソン:そりすべり……ほか
入場料
無料
詳細
http://www.miraichushin.jp/sub_15/pipeorganyuube.htm#yoneyamamami-xmasconcert

ん? ナンでも,

鈴・ベルをお持ちいただくと、一層演奏が楽しめます!!

とか.ほほー,ナニすんのかニャ?? そりゃま,鳴らすに決まってるだろけど(爆).どんな風に使うんだろニャー.

続きを読む

2005年12月 2日

Mozilla Firefox

Firefoxの画面のスクリーン・ショット

さて皆の衆.今,どのブラウザーでこのタヌキにゅーすを見て下さってるのかの?

……なんて訊ねると,「ブラウザーってナニ?」って訊き返されることが少なからず.ブラウザーってのは,webを見るときに使うソフトウェアのことナノダ.

一番の有名どころは,Internet ExplorerIE).ここまで言やぁ,ブラウザーって言葉知らなかった人も,ナンの話かわかるでしょ.WindowsのPCにゃ必ず入ってるから,ブラウザーのシェアも9割くらいあるし,初めてwebを見たときから使い続けてる人は多いハズ.世の中のwebの多くが,最低限IEで見られるよーに作ってあるから,IEで特に不満がなけりゃ,ほかのブラウザーを物色することもないだろし,そもそも「ブラウザー」なんて言葉に出会うことさえないカモニャ.

ちなみに,ほかにも有名どころのブラウザーにゃ,NetscapeOperaMac OS X専用のSafariがあるノダ.

タヌぼーは仕事柄,webの動作確認用に複数のブラウザーを使い分けるノダけど,仕事でも日常のwebブラウジングでも主に使ってるのは,この1年でウンとシェアが伸びたMozilla Firefoxナノダ.

タヌぼーがFirefoxを使う理由は,大きく分けてふたつあるノダ.

ひとつは,自分の必要な機能を取捨選択して使えること.

ブラウザーそのものにゃ,webブラウジングにゃ欠かせない基本的な機能しか用意されてないノダ.だから,IEに慣れた人が初めてFirefox使った日にゃ,ちょっとモノ足りないカモ.「こんな機能欲しいノダ」ってときは,目的に応じた「拡張機能」を見つけてきて,ブラウザーに追加するノダ.拡張機能は「Firefox Add-ons」(旧称:Mozilla Update.英語)とか「Firefox まとめサイト」とかで,いろ~んなのが紹介されてるノダ.

もーひとつは,webデザインの仕事に便利だから.

webペイジの記述言語「HTML」や,そのHTMLに視覚的効果を与える「CSS」にも,それぞれ標準仕様(正しい文法)があるノダ.Firefoxは,高い水準でこれらの標準仕様に沿って,webペイジを解釈・表示してくれるノダ.それに,webペイジについてあれやこれやとチェックできる「Web Developer」ってゆー拡張機能が重宝ナノダ.

そんなこんなで,タヌぼーが主に使うブラウザーをIEからFirefoxに乗り換えて,ちょーど2年になるノダ.2年前にゃ,Firefox(当時の名称:Firebird)について日本語で紹介するwebは,ソフトウェア開発者やweb制作者向けのよーなものばかりで,友人知人各位に気軽にススメられる状況じゃなかったノダけど,このごろは前述の「Firefox まとめサイト」みたいにわかりすい解説webもあるから,だいぶ敷居が低くなってきたよーな気がするニャ.

そんなこんなしてるうち,おとといFirefoxの新ヴァージョン1.5が出たんで,早速インストール.1.5で使えない拡張機能が1つだけあるノダけど,表示を許可したハズなのに表示されなかったポップアップ・ウィンドウが正しく表示されたり,心なしか全体的に動作が軽くなったよーな気がしたり(笑),おおむね快適でごわす.

接続がタイム・アウトになったときの画面のスクリーン・ショット

webペイジ表示時のエラーがわかりやすい画面で現れるよーになったのもエエですな.接続がタイム・アウトになったときの画面のスクリーン・ショットの画像を↑に出してるけど,エラーの内容を対処法,さらにゃ「再試行」ボタンまで用意されてるノダ.

2005年12月 1日

ココログのフリー

仕事の関係で,@niftyのblogサーヴィス「ココログ」について調べてるうち,24日に@nifty会員じゃない人も無料で使える「フリー」っていう新コースが始まったんで,参考ってことで使ってみてるノダ.

登録前に「ココログプラン別比較表」で機能を確認したら,「公開日時の指定」「ポッドキャスティング対応」「コメント/トラックバック公開の一時保留」とか,まだ既存3コースで提供されてない機能がいろいろあって.

「表示言語の選択」「(マイリストの)読み込み/書き出し」のよーに,「フリー」だけ提供されてない機能もあるにゃあるノダけど,比較表見る限りじゃ,今の段階じゃ,@nifty会員に限って無料で使える「ベーシック」よりも多機能ってことになっちゃってるノダ.実際使ってみた感じも,広告表示を必須にした「ベーシック」って感じナノダ.

@nifty会員じゃないタヌぼーとしちゃ,「いや~,こんなにいろいろ機能使わせてもろて,エエんかいな」って言わずにゃおられんノダ.でも,既存のココログ会員はナットクいかんところもあるだろニャ……なんて思ってたところ,ニフティの社長が自身のblogで謝ってましたわ.トラックバックにも,こりゃ相当カチンと来てるニャって感じのタイトルついたのがいくつもあるノダ.

はてさて,こりゃどんな具体的な対応取るノダろ? さしあたり考えられるのは,来年3月に予定されてるっちゅー,既存3コースのヴァージョン・アップの前倒しかニャ?

流行語大賞フォーッ!!

ほんとにきちゃいましたニャ,新語・流行語大賞.「フォーー!」が,ばっちりトップテン入りしてまんがな.タヌキにゅーすでもドサクサまぎれにプッシュして,“流行”に一役買ったかいがあった(エ゛?)っちゅーもんでんがな.

大賞のひとつはホリエモンの「想定内(外)」でっか.これこそ「想定の範囲内」でっしゃろか.

おあとがよろしいよーで(それだけかい?!).

「絵図の世界:出雲国・隠岐国・桑原文庫の絵図」に行く[2]

昨日の報告とは異なる視点から見た展示会の感想を,別のメイリング・リストに投稿しました.文面の一部を改変して下記に掲載します)

私が島根大学に在籍していたのは2003年9月まででしたが,当時は附属図書館の所蔵資料を展示公開する機会というものはなかったはずです.最近は,研究プロジェクトの進展や,昨年の歴史地理学会松江大会,大学法人化に伴う新たな取り組みの要請……など,さまざまな背景があるのでしょうが,こうして所蔵資料が一般市民の目にも触れる形で活用される機会が増えたことは好ましい傾向であると思います.

学生による展示説明会が行われたのも結構なことです.私の在籍時には,教員と学生が共同で一般向けの行事に参画することがありませんでした.そういう機会があれば学生にとってもよい勉強になるだろうとは考えていたのですが,具体的な構想を持つには至りませんでした.

図録とともに講演会の記録も出版されるのもうれしいです.所用で聴講できなかったため,誰か活字化して世に出してくれないものかと思っていた折節の朗報.“個人的事情”はさておいても,記録を残し公開することも大事ですよね.

貴重資料をディジタル・コンテンツ化して公開するという流れについては,'90年代後半のインターネットやPC,ディジタル・カメラの急速な普及を目の当たりにしつつ,先生方や学生と話題にしたものでした.ようやくここ数年,日本の歴史学界でも多くの成果物が現れてきたように見受けられます,前者の「貴重図書デジタルアーカイブス」は,スライダーの所在が,スペースの細長さや周囲の色との近似のため気づきにくかったものの,全体として操作がシンプルで覚えやすかったです.1年前,島根県立美術館のコレクション展で,IAMASが開発した「洛中洛外図屏風」の精細画像によるディジタル・コンテンツを見た際にも感じたのですが,実物の資料ではむやみに顔を近づけて見るわけにはいかなくとも,ディジタル化したものはそのあたりの気兼ねが少ない点ひとつとっても便利です.