2006年1月31日

NTT DoCoMoがPHSサーヴィス終了へ

ギャーッ!!!!!!!!!!

去年の春夏あたりから,NTT DoCoMoが“PHSから携帯電話への乗り換え”の案内をタビタビよこしてきてたんで,いずれこーゆー発表があるカモ知れんニャ~とはウスウス角ゴ……うんにゃ,覚悟してたノダけど.

PHSサービスの終了に関するお知らせ

〔略〕
NTT ドコモグループ9社(以下ドコモ)は、2005年5月より新規申込受付を停止させていただいている当事業について、2007年度第3四半期を目途にサービスを終了させていただきます。なお、具体的なサービス終了期日は、お客様のご利用状況を見つつ別途検討のうえお知らせいたします。
〔略〕

とーとー来ちまっただよ~(NTT DoCoMo).

あたしゃ6年来のDoCoMo PHS使いナノダ.携帯電話隆盛の今どき,ナンデかってぇと,ヒトエに611Sって機種が目当てなんで.

611Sの写真

611Sに附属のPCカードをつけて,

611SにPCカードを装着した状態の写真

ノート型PCのカード・スロットに差し込むと,

PCカードを装着した611Sをノート型PCに接続した状態の写真

データ通信ができるワケでござんして.

外出先から自分のノート型PCでインターネットするのに,大いに役立つノダ.とりわけ院生時分にゃ,そーゆー使い方をよくしてたニャ.

今となっちゃデータ通信専用のPHSって選択肢もありますわな.でもこれ1台で電話もインターネット接続もできて一石二鳥.その上(好みの問題もあるけど)接続にケイブル使わないんで,持ち運びもわずらわしくないノダ.

通信エリアも狭けりゃ携帯サイトも見られへんPHSナノダけど,今まで特に不便なこたぁなかったノダ.

そうは言っても,ボチボチ身の振り方考えなせぇってことなのね.はてさて,どーしたもんだかニャ.

2006年1月30日

ボチボチ更新

即日更新があまりできんかった今月のタヌキにゅーすだけど,書きためてたのをボチボチ更新してますノダ.遅刻エントリーを列挙するんで,見てやっておくんなまし.後回しにすると鮮度が落ちるネタを優先して出してるノダ.

2006年1月29日

游明朝体

みなさまごきげんよう.思いがけないことに今月2回目の『たぬき家小春の懸賞生活』の時間がやって参りました.

今回御紹介いたします商品は,Mac OS X搭載フォント「ヒラギノシリーズ」の開発でその筋ではつとに知られております字游工房が手がけました,日本語OpenTypeフォント「游明朝体 Std L」でございます.

この商品につきましては,グラフィック・デザイナーの石川陽春さんよりお話をうかがっておりますから,お聞き下さいませ.

石川陽春……游明朝体の第1弾として発表された「游明朝体 R」は,「藤沢周平の小説が組めるような明朝体」というコンセプトで開発されたというだけあって,日本語の文章をじっくり落ちついて読むのに適した書体だという印象を持っていました.「游明朝体 Std L」は,「游明朝体 R」のウェイト(文字の線の太さ)を一段階細くしたものです.

「游明朝体 Std L」の組み見本(縦組)

さっそく縦組のベタ送り(文字間隔を均等に文字を送ること)という,日本語では最も一般的な方法で文字を組んでみましたが,字間がゆったりとれてていいですね.モニターに表示させた時には,さすがに「L」クラスの明朝体では,本文を読ませるのに少し細いかも……という気がしていましたけど,プリンターで出力してみますと,問題はありませんでした.これで文庫本を読んでみたくなりました.

「游明朝体 Std L」の組み見本(横組)

今度は,恥ずかしながら私の修士論文の註から欧文の混じった箇所を,文字幅に応じて文字間隔を詰めたプロポーショナル詰めで横組にしてみました.

これまで私は,日本語の文章の中に出てくる半角英数字に,日本語フォントに含まれる半角英数字を使ったことがほとんどありません.漢字や仮名と比べるとどうしても見劣りがしてしまって,欧文フォントを組み合わせるのが常なんです.

その点「游明朝体 Std L」の半角英数字は,切り捨てずに使えそうですね.オールド・ローマン系書体の格調を保ちながら,とりわけ小文字やアラビア数字の幅がやや狭く,漢字の幅を約半分くらいに調整してあります.漢字や仮名に対して決して強い主張を出しているわけではないけれども,品質面ではひけをとっていないと思います.日欧のフォントの混植は,出自の異なるもの同士のぶつかり合いという気配がどこかしら漂い,それが魅力でもあるんですが,「游明朝体 Std L」の漢字/仮名と半角英数字で組んだものには,調和の美を感じます.

石川陽春さんのお話でした.石川さんが「游明朝体 Std L」でどんな作品をお作りになるか,ほどほどに見守って参りたく存じます.

それではみなさま,またお目にかかる日まで,ごきげんよう.

游明朝体 Std L
游明朝体 Std L
posted with amazlet on 06.01.29
字游工房 (2005/07/20)

2006年1月28日

話題のホテル

東横インの写真

出雲市図書館まつり(タヌキにゅーす)の会場,パルメイト出雲のお向かいにゃ,お騒がせの○横イン…….ここも不正改造が指摘されちょりましたノダ.

出雲市図書館まつりへ行く

出雲市図書館まつり主会場の写真

おととい情報のっけた出雲市図書館まつりに行ったノダ.

まずはパルメイト出雲1階ロビーでの古本市がさ,「この本をこんな値段で買っちゃっていいんですかい? ダンナ(誰)」てくらいのお手ごろ価格で.文庫判が1冊10円,単行本も1冊30円から100円だったノダ.

本日のお買いもの↓

  • 谷崎潤一郎『新々訳源氏物語』単行本,全10巻+別巻(ただし巻七を欠く)
  • NHK取材班『シルクロード』全6巻(NHK特集の書籍化)
  • 『江戸東京博物館総合案内』
  • 『戦後日本を駆け抜けた異色の前衛 勅使川原蒼風』展覧会カタログ,全2巻
  • 宮脇俊三の文庫本5冊

これほど買って1,000円札出しておつりがもらえたノダ.こんな機会めったにないノダ.さて,いつ読もっか(爆).

主会場の4階ホールは,図書館5館と文化団体のブースと講演会場がひしめきあって,老若男女で大にぎわい――あ,写真は“小にぎわい”の時間帯に撮ったんで,ちとさみしそーに見えちゃうノダけど(笑).さてさて,タヌキぼーやは昔とったキネヅカで,歴史方面のブースに足が向いたノダ.明治初年にアイルランドに私費留学したあと大津町で私塾を開いた勝部其楽(きらく)とか,大社の古文書を読む会とか,出雲の阿国とかね.

海辺の多伎図書館は,絵図のおっきなプリント出してたノダ.

まずは広島大学附属図書館所蔵「中国五県土地・租税資料文庫」から,明治初年の地租改正のときに作られた多伎地区5ヶ村の絵図.土地に課税する制度を始めたときの絵図なんで,土地の区画と通し番号がこまか~く書いてあるノダ.「中国五県土地・租税資料文庫」の絵図は,高精細ディジタル画像化したものの一部を,島根大学附属図書館の「絵図の世界展」で去年見たノダけど,多伎図書館じゃ,その多伎地区版が見られるらしいノダ(会場で配付のパンフレットによる).一度行ってみなくちゃ.小田駅から200mちょいみたいだし.

もーひとつは出雲国全体の絵図.うち1点は,『出雲国風土記』が書かれたころの出雲国を描いたモノナノダけど,絵図に記されたところによると,『風土記』に記された天平5年(733)の出雲国の様子を,寛政11年(1799)に尾張名古屋藩主が描かせた絵図を,大正12年(1923)に誰かが書き写して,それをまた昭和14年(1939)に大津村(現・出雲市大津町)の人が書き写したっちゅー,ヤヤコシイことこの上ないシロモノ(笑)ナノダ.今の宍道湖にゃ,島は嫁が島ひとつしかないけど,この絵図にゃ,宍道湖から日本海に注ぐ今の佐陀川の入口あたりに,「出島」ってのが描いてあるノダ.こんな島,聞いたことないぞよ.『風土記』にゃ載ってるのかニャ? うーむ,『風土記』くらい読まなきゃニャ.

ウチから一番近い市立図書情報センターの展示は「昭和を振り返って」.関聯書のほか,同じ場所の異なる年代の写真,歴代市旗,歌謡曲のレコード,前身館の蔵書印を押した本,各年代の雑誌やらなんやら,小さなブースにいろいろ見ものがあったノダ.

戦時中の『週刊朝日』なんてビックラこいたニャ.B4判なんだもの.今どきのちょいとこじゃれたfree paperみたいナノダ.表紙にゃ切手貼る位置が指定してあって,“兵隊さんの慰問品として贈ることができます”みたいなことが書いてあるのは時代でんな.

昭和24年(1949),29年(1954),39年(1964)の島根県の電話帳なんてのも出てたぞよ.頁数は15年間で約100頁から約300頁にう~んと増えてるけど,どれもB5判で2段組.昭和39年になっても多くの市町村じゃ,電話番号が市内局番なしの1桁,2桁,3桁で済んじゃってるノダ.その後いかに電話が普及したかってことだよね.今じゃひとり1台携帯電話の世の中だもの.

そんなこんなで,いや~,タマランかったノダ.

2006年1月27日

おたんじょーび

本日1月27日はモーツァルトさんの250回目のおたんじょーびなんだそーで.世界中でおまつりになってるみたいだニャ.

実は今日はワタクシ,タヌキぼーやのたんじょーびでもあるノダ.モーツァルトさんと同じ日だニャンて,この年になって初めて知りましたわいな.

んーと,9歳になりやした……イテッ!!

いいじゃないのよ~.タヌキのぼーやとあろうモノが,実は+20歳だなんて白状できますかいな……って,言うてもーたガナ(爆).

でもさ,そんな年だなんて自覚まるでなし(笑).

今年届いた年賀状の1割は結婚・出産報告を兼ねててさ.この場を借りてみなさんおめっとさんナノダけど,どーもね,タヌぼーと同年代の人たちから来たモノだとは信じられんのですわ.なんせワタクシ,「気分はまだハタチ前」で押し通してますんで(ヲイ).

2006年1月26日

出雲市図書館まつり:図書館は宝箱

やむにやまれず進められたという感の強い「平成の大合併」でしたが,こういう話題に接すると,合併してよかったこともたまにはあると思えてきます.

合併前の旧市町から引き継がれた図書館や,そこを拠点に活動する文化団体などが一堂に会して,子どもからお年寄りまで楽しめそうなことを,何やらいろいろやる模様です.

島根大学附属図書館所蔵の国絵図も展示されるとか.ということは,昨秋の「絵図の世界」展(タヌキにゅーす)の展示品の一部を,再び見られるのかも知れませんね.

日時
1月28日(土)10:00-17:00
場所
パルメイト出雲(JR出雲市駅北口徒歩1分)
内容
古本市(10:00-13:00)
今市小2年「図書館たんけんお宝はっけん」(10:00-10:15)
其楽会(きらくかい)講演会(10:15-10:45)
落語絵本の読み聞かせ(10:45-11:15)
昔なつかし紙芝居屋さん(11:15-12:00)
絵本作家野坂勇作さん講演会(13:30-15:30)
図書情報センター「昭和を振り返って」
佐田図書館「郷土須佐 探訪」
大社図書館「出雲阿国と大社」
平田図書館「おり紙と絵本の世界」
海辺の多伎図書館「絵図展(写真版)」
絵本作家ワイルズ一美さん原画展
島根大学附属図書館提供「出雲国絵図の世界」
古文書を読む会「古文書から知る出雲平野の開発」
漢詩を楽しむ会「漢詩展」
其楽会「其楽会の歩み:郷土の偉人を知ろう!」
しおり作り教室
本の病院:こわれた本、直します
折り紙教室
問い合わせ先
出雲市立図書情報センター
電話:0853-21-0487

2006年1月25日

1月27日の『ビジネス未来人』

ETVで金曜22:25から放送の『ビジネス未来人』.次回27日にゃ,食育の事業を展開してる石原奈津子さんを取り上げるっちゅーじゃござーませんか.

石原奈津子さんってのは,松江の白潟に本社がある茄子の花の社長さんナノダ.白潟界隈ってのは,いろんなまちづくり団体が活動の拠点にしてるとこで(まつえ・まちづくり塾,まちかど研究室),院生時分からそーいったとことおつきあいのあるタヌぼーの耳にゃ,奈津子さんと茄子の花の話題がよく入ってきたノダ(奈津子さんにお目にかかったのも,その線上だったニャ).看板事業が創業当初の「中高年の知恵を子どもの教育に生かす」ってことから,食育に移っていったのをリアルタイムで傍観(笑)してたけど,一貫して「子育て」をテーマにした事業に取り組んで伸びてきた点も,見逃しちゃいないつもり.

『ビジネス未来人』はその前に放送してる『世界美術館紀行』に続いて時々見るノダけど,タヌぼーとは別の世界の人たちが出るモノだと思ってたから,知ったお顔の登場でちょいとビックリしてまっせ.ま,落ちついて考えると,出るべくして出てくるワケだけどね.さてさて,どんな中身だろニャ.

2006年1月24日

雁木

NHKのお昼のニュースに続いて目に入った『生中継ふるさと一番!』ってTV番組で,新潟県上越市から雁木のある街並みを紹介してたノダ.

軒先を道路に張り出した木造の商家が何軒も何軒も並んで,アーケード状の歩道になってるノダ.雪深い町を歩きやすくするための工夫でんな.厳しい雪国の暮らしが生みだした知恵の結晶であると同時に,趣深い景観でもあーる.木造のアーケードだなんて,ステキナノダ.

上越ってことでピーンときて,『北越雪譜』に雁木について書いてないか探してみたら……あったぞよ.『北越雪譜』を「刪定」した山東京山(京山人百樹)が越後を訪ねたときの感想ってことで載ってたノダ.たのしかったみたいよ.

江戸の町にいふ店下(たなした)を越後に雁木(がんぎ)又は庇(ひさし)といふ、雁木の下広くして小荷駄(こにだ)をも率(ひく)べきほどなり、これは雪中にこの庇下を往来(ゆきゝ)の為なり。余越後より江戸へ皈(かえ)る時高田の城下を通(とほり)しが、こゝは北越第一の市会(しくわい)なり。商工軒をならべ百物備(そなはら)ざることなし。両側一里余庇下つゞきたるその中を往(ゆく)こと、甚(はなはだ)意快なりき。

鈴木牧之『北越雪譜』二編巻之一「家内の氷柱」(岩波文庫版)

ちなみに雁木って,広島じゃ太田川の船着場を指すんだって.最近は水上タクシーの発着に使ってるって話題になってるノダ.ところ変われば名は変わらねども品変わるってとこかいな.

2006年1月23日

ござる・DE・探偵事務所

1月19日-20日の鳥取,米子に続いて,来月は松江でも,茂山千五郎家の狂言の公演があるそうです.今度はNPO法人おやこ劇場松江センターの例会(会員制)で,主に小学生高学年を対象とした会とのこと.

NPO法人おやこ劇場松江センター第34回高学年例会
笑いの座:ござる・DE・探偵事務所

日時
2月9日(木)19:00-(開場:18:30)
会場
島根県民会館中ホール(松江市)
内容
[第1部]古典はおいしい(古典狂言)
[第2部]ござる・DE・探偵事務所:初めての大事件(新作狂言)
問い合わせ先
NPO法人おやこ劇場松江センター
電話:0852-22-4937
詳細
http://oyakomatsue.web.infoseek.co.jp/reikaiosirase.htm

2006年1月20日

ナンとか生きてます,が

ここ2週間ほどタヌキにゅーすの即日更新が止まっいました.

おかげさまで至って元気なのですが,このところ仕事が立て込み,タヌキにゅーすが1本も仕上がらず,書きかけがどんどんたまっているという状況になってしまいました.

たいていのネタは後日アップできるかと思いますが,年をまたいで書いてきた「狂言を楽しむ:茂山一門の世界」鳥取・米子公演の話題のうち,いよいよ今夜に迫った米子公演について触れることができなくなりました.このシリーズを通して読んで下さった方,申し訳ありません.私は残念ながら見に行けませんが,今夜お出かけになろうという方は,存分に楽しんできて下さいね.

なお,タヌキにゅーすの更新が不定期な状態は,今後もしばらく続きそうです.ただ,ネタには全く不自由していませんので,小さなものからでも出していきたいと思います.

2006年1月15日

『20世紀デザインヒストリー』

『20世紀デザインヒストリー』の画像

みなさま,謹んで新年のおよろこびを申し上げます.『たぬき家小春の懸賞生活』本年第1回目として御紹介いたします品はこちらの1冊.渡辺千春+サラ・ディズリー『20世紀デザインヒストリー』(プチグラパブリッシング,2005)でございます.

本書はその名の通り,20世紀のデザインの歴史を著したもので,日本語と英語の2言語で併記されております.20世紀を10年で区切った各章に,その年代を代表するプロダクトや現象について,カラー図版を添えて解説してあります.どの項目も1頁もしくは1/2頁をあててありますから,テンポよく読み進めることができるようになっております.

全体といたしましては,日本発のデザインに関する項目が占める割合が多いように見受けられます.柳宗理やウォークマンから,戦時中の国民服,電気釜,カップヌードル,ファミリーコンピュータといった「エ? これもデザイン史で取り上げるの??」と思わせるものまで,多岐にわたって取り上げられております.身近にありふれたモノでも,デザインの視点から見ることによりまして,普段とは違ったモノが目の前に浮かんでくるかも知れませんね.

デザイン史の本だけに,巻末には「グラフィック」「プロダクト」「ファッションと素材」「建築」「社会現象」の5項目を並列させた,35頁にわたるデザイン史年表つき.

20世紀のモダン・デザインを代表する書体と申してよろしいでしょう―Helveticaで欧文書体を統一するとともに,明快なグリッド・システムでレイアウトされたブック・デザインも見逃せません.

『たぬき家小春の懸賞生活』,今回はこのへんで失礼いたします.みなさま,ごきげんよう.

20世紀デザインヒストリー
渡部 千春 サラ ティズリー Sarah Teasley
プチグラパブリッシング (2005/09)

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2006年1月12日

来待駅のおともだち

おととい梢庵での打ち合わせのあと,帰りの列車を待ったのは,その名もズバリ来待(きまち)駅.おともだちが駅に勤めてるノダ.紹介しましょ.

来待駅前に立つタヌキの石像の写真

「毎度ご利用ありがとうございまーす」

実は子連れのタヌキの石造の写真

「子連れで勤めてまーす.でも,今さらア○ネスだなんて呼ばないで下さいねー」
「くださいねー」

えー,↑の言ってることがわかんない人は,「アグネス論争」で検索してちょーだいませませ.

ちなみにこのおともだちの体の成分,ここらの名産・来待石だそーな.プラットフォームにゃ来待石で彫った石灯籠も立ってるノダ.

2006年1月11日

融雪洪水

このところの大雪が一段落して,地元のニュースじゃ「雪崩に注意」って言ってるけど,全国のニュースじゃ,「融雪洪水」なるものにも注意を呼びかけてたノダ.

呼んで字の如く,雪が融けて洪水になるってことだよね.そーゆー現象があるなんて初めて知ったノダけど,年末の予告通りに『北越雪譜』をボチボチ読み進めるうちに,融雪洪水の記事に出会ったノダ.

大小の川に近き村里、初雪の後洪水の災に苦む事あり。洪水を此国の俚言に水揚(みづあがり)といふ。余一年(ひとゝせ)関といふ隣駅の親族油屋が家に止宿せし時、頃は十月のはじめにて雪八九尺つもりたるをりなりしが〔略〕水は低(ひくき)に随(したがひ)て潮(うしほ)のごとくおしきたり、已に席(たゝみ)を浸し庭に漲(みなぎ)る。次第に積たる雪所として雪ならざるはなく、雪光暗夜を照して水の流るありさま、おそろしさいはんかたなし。

鈴木牧之『北越雪譜』初編巻之上「雪中の洪水」(岩波文庫版)

さんざん降り積もったあとは,大水になって押し寄せるってんだから,そりゃ「おそろしさいはんたな」いのもモットモな気がするノダ.

読み進めていくと,雪の季節に洪水が起きるのは,川を流れる大量の雪融け水が,まだ融けずに残ってる雪に流れを遮られて,ついには「堤のきるゝがごとく」あふれ出しちゃうからなんだって.

江戸時代に比べて治水技術が進んだ現代とは言っても,こーゆー脅威と隣り合わせに暮らしてる人たちが,そんな遠くないトコにいるノダと思うと,『北越雪譜』の世界がこの冬に重なって見えるノダ.

2006年1月10日

梢庵

仕事の打ち合わせで,宍道湖畔の「梢庵(しょうあん)」って喫茶店に行ってきたノダ.

このお店は,珈琲や紅茶を入れるカップを選ばせてくれるノダ.いずれもさまも島根県内各地の窯元が焼いたカップで,50種類くらいあったっけ?

善戒山窯のカップ

ワテが選んだのは浜田の善戒山窯.ザクッとした感じの取っ手が気に入ったノダ.濃いめのスペシャルブレンドで,グッと渋めに.

椿窯のカップ

打ち合わせのお相手は,温泉津の椿窯でカプチーノ.雪に寒椿でんな.

2006年1月 9日

出雲そばの拍子木食い

そばどころ出雲の国より発信しておりますタヌキにゅーす.

……ナニあらたまってんかって(笑)??

ゆんべの『NHKアーカイブス』で,『日本の伝統』の「そば」の回(1964)放送してたでしょ.われらが出雲もバッチリ出てたノダ.

松江の人はどんな風にそばを愉しんでるかって視点での取り上げ方だったニャ.

中でもビックリしたのは「拍子木食い」.割子そばを盛った角形の器を,左右の手にひとつずつ手にして口に近づけ,拍子木みたいにカチカチ打ってそばを口の方に寄せながら,箸を使わんで食べるってな,「んなアホな」って言いたくなる食べ方ナノダ(笑).そば好きぼーやだけど,こんなの見たことも聞いたこともなかったぞよ.でもGoogleで「拍子木食い」を検索したら,ちょこっと出てきたノダ.

ま,タヌぼーが見たことないってのは当然と言やぁ当然で.今の割子そばの器は,丸形って相場が決まってるから,「拍子木食い」なんてとてもできんと思うノダ.あーやって「拍子木食い」の映像が残ってるってことは,40年前はまだ角形が健在だったのかニャ? ある老舗のそば屋さんにゃ,明治期に使われてた角形の器ってのが展示してあるノダけどね.

2006年1月 8日

『功名が辻』のタイトル・バック

今日から始まった大河ドラマ『功名が辻』のタイトル・バックが,すんごくいいノダ.

全篇CGで,主に桃山時代の美術品から引用した花鳥風月に動きをつけたり再構成したりしながら,主人公の山内一豊と千代の生涯を描いたモノナノダ.

具体的にどの美術品から引用してるかだなんて,タヌぼーにゃそこまで特定できんノダけど,鳥の尾とか無数の矢とか風に揺れる草花とか,大胆に動きつけてるのに,オリジナルの様式をまったく損なってないから,桃山美術だってひと目でわかるし,その結果,ドラマで取り上げる時代の雰囲気も伝わってくるノダ.

終盤,一豊が入封した高知の城下町のものとおぼしき絵図が少しずつ浮かび上がって,(たぶん)高知城の天守,(きっと)土佐湾の夕景につながってくあたりは,グッときますニャ.この間,左から右へグィっと大きくスクロールする,パノラマ的な場面転換との相乗効果が出てるノダ.

ワタクシ,大河ドラマウォッチャー歴20年目に突入しまして,それ以前の作品も大半は総集編のヴィデオで見てきましたノダけど,タイトル・バックに関しちゃ『功名が辻』,屈指の名作でございますわ.

↓さえあれば,全作タイトル・バック観察完了するノダけどニャ~.

NHK大河ドラマ テーマ音楽全集 Vol.1
NHKエンタープライズ (2003/06/27)
NHK大河ドラマ テーマ音楽全集 Vol.2
NHKエンタープライズ (2003/06/27)

2006年1月 7日

初代中村鷹之資襲名披露

ETV日本の伝統芸能 観世清和・山本東次郎の能・狂言入門』再放送に続いて,たまたま見た『芸能花舞台』.昨年11月の歌舞伎座公演千穐楽から,「鞍馬山誉鷹(くらまやまほまれのわかたか)」だったノダ.中村富十郎さんトコの坊っちゃんの,初代中村鷹之資(たかのすけ)襲名披露狂言ナノダ.

鷹之資さんの牛若丸に,富十郎さんの鷹匠という,狂言といい配役といい粋な組み合わせ.6歳の鷹之資さんが堂々たる演技でさ,口上でもしっかり挨拶してるし.それでいてヘンに大人びた感じもなくて.見てて気持ちよかったノダ.

ちなみに共演が,中村雀右衛門,中村吉右衛門,片岡仁左衛門,中村梅玉…….実にゼエタクな門出のお祝いでんな~.

2006年1月 6日

狂言を楽しむ:茂山一門の世界[3]2006年鳥取公演「釣狐」

(このエントリーは,2006年1月に開催される「狂言を楽しむ:茂山一門の世界」鳥取・米子公演を紹介するシリーズの1本です)

釣狐(つりぎつね)

鳥取公演
2006年1月19日(木)
鳥取県民文化会館梨花ホール

伯蔵主(はくぞうす),実は狐
茂山千五郎
猟師
茂山七五三……ほか

猟師の「狐釣り」に遭って多くの仲間を失った老狐.猟師の伯父の伯蔵主に化け,猟師に意見して狐釣りの罠を捨てさせます.しかしその帰り,打ち捨てられた罠に残っていた餌の誘惑に,伯蔵主の扮装を解いて身軽になってから食べようと言いつつ,その場を去りました.さきほどの伯蔵主の正体が狐であったと気づいた猟師は,潜んで罠を見張ります.やがて,狐が戻ってきました…….

このようにあらすじを書いてみますと,おもしろおかしい狐の失敗譚のような民話的世界を想像することもできますし,むしろその方が“笑いの藝能”らしく思われます.ところが実際の舞台にただようのは,仲間を奪われた狐の悲壮感と,罠と知りながら餌に手を出さずにはいられない心の葛藤.笑いの要素はほとんどないと言ってよいでしょう.なぜ「釣狐」がこのように重く演じられるのようになったのか,興味あるところです.

“猿に始まり狐に終わる”“狂言師の卒業論文”などという言葉があるように,「釣狐」の狐の役を演じることで初めて,狂言師は一人前として認められます.狐の着ぐるみに身を包み,狐らしく見せるために無理な姿勢もとりつつ,50分近い舞台を勤めるわけですから,演じるには相当の体力と技術を要することでしょう.

狐の役は通常,1人の役者が一生のうちに何十回,何百回も演じることはないと聞いたことがあります.野村万作さんが60歳代前半までに20回以上演じたのは異例の部類に入るのではないかと思いますが,今回狐を演じる茂山千五郎さんが,昨年から還暦記念として各地の狂言会で繰り返し舞台にかけているのも,珍しいことではないでしょうか.

2006年1月 5日

土方の最期,古畑の完結

この3夜は,三谷幸喜脚本のTVドラマが4本も放送されたニャ.

NHK新選組!!:土方歳三最期の一日』(3日)は,近藤勇の最期で終わった大河ドラマ『新選組!』(2004年1月-12月)の続篇.フジテレビ『古畑任三郎FINAL』(3,4,5日)は,約12年続いた刑事ドラマ・シリーズの完結篇って位置づけ.どっちも見続けてきたから,とーとーこの日が来たニャって,なんかカンガイ深かったノダ.それぞれまだまだ後日談や新しいエピソードが出てきそーな気がせんでもないノダけど,とりあえず,最後の最後までたのしませてもろたって具合ナノダ.

三谷ドラマのナニが面白いかって,ナンたって舞台演劇のエッセンスが持ち込まれてるトコかニャ.例えば『古畑』のシリーズじゃ,舞台が原則として殺人事件の現場に絞られたり,主人公による視聴者に向けての独白が毎回必ずあったり,同じ俳優が劇団員のよーに,別の回に別の役で登場したり,といったあたり.『新選組!』だと,近藤勇と新選組のある1日を中心に1話が組み立てられてた点.んでもって,随所に出てくるユーモアとウィットに富んだ笑い.そこらのTVドラマにゃない独特の味わいがあるノダ.

3夜4本の感想は改めて書くつもり.だいいち,『古畑FINAL』第1夜の放送時間の半分が,『土方』と重なってて(爆)前半観てないし,それぞれ触れたいことがいっぱいあって,筆が追いつかんノダ.今月は仕事がエリャア忙しいことになりそーなんで,ちょこちょこ小出しにでもしていきますわいな.

2006年1月 4日

金春流「翁」の「十二月往来」をTVで観て

3が日はTVとラジオで能・狂言を楽しみましたが,中でも面白かったのは,1日のETVで見た金春流の能「翁(おきな)」(翁/父尉:金春安明)でした.年末のにゅーすで紹介した通り,「十二月往来(じゅうにつきおうらい)」「父尉・延命冠者(ちちのじょう・えんめいかじゃ)」の小書(特殊演出)がついたものです.

「十二月往来」では,「かかるめでたきみぎんには 十二月の往来こそめでとう候え」ということで,シテの翁が月々の風物を挙げ,ツレの翁2人がその心を謡い応答していました.

シテ「正月の松の風」
ツレ「君のことを調べたり」
シテ「二月の燕」
ツレ「よわいよわいをはやめたり」
シテ「三月の霞」
ツレ「四方の山にたなびく」
(仮名遣いはTVのテロップに準拠)

この調子で12月まで続きました.私には大意がつかめない点がいくつかあるものの,日本の四季折々の美しさがコンパクトに織り込まれた,おもむきのある詞章のように感じられました.

そして,これが金春流で謡われたというのが,またよかったです.私はシテ方五流の謡い方を聞き分けられるほどの耳は持ち合わせていませんが,金春流だけは他の四流との区別がつけられるようになってきました.私は金春流の謡を生で聴いたことがありませんから,TVとラジオを通じての印象を書きますと,朗々と響き渡るような力強さや華やかさは,他の流儀ほどには感じられない.代わりに,地の底に沈潜していたものがジワリと湧き上がるような,閑かなうちにも何ものかがうごめいているような気配をおぼえます.そのためにかえって,「十二月往来」のような牧歌的な詞章がしっくりと来るように思えるのです.

金春流の謡に対するそうした印象は,今回のシテの翁を演じた金春安明さんについて,とりわけ強くしていたところでした(そのあたりのことは,いずれ別の機会に).それだけに元日の朝の「十二月往来」は,私のツボに見事にはまりました.

2006年1月 3日

2006年の年賀状[2]

(「2006年の年賀状[1]」のつづき)

文学作品からの引用のほかに,日本の家紋を配置したのも,「春の夜の夢:薩摩琵琶と朗読の夕べ」と共通する手法です.

「春の夜の夢」では,「耳なし芳一」が重要なテーマであったことから,平家の家紋・揚羽蝶紋を,夜の海上に舞わせました.今度は,引用した謡曲「鶴亀」にちなんで,鶴と亀の舞姿を表現するために,鶴亀それぞれの家紋を用いたのです.

今回使用した鶴紋は,タンチョウヅル,すなわち「鶴亀」詞章に見られる「丹頂の鶴」が,翼を広げたさまを円形に収めたもの.そのかたちだけで,鶴の舞を想い起こさせるに充分であるように思いました.鶴紋の色は「丹」の色としました.

一方,亀として登場させた亀甲紋は,文字通り亀の甲羅の模様を意匠化したもの.ちなみに,亀甲紋の中央に「萬」の一字を加えれば,大手醤油醸造会社のキッコーマンの商標,すなわち「亀甲萬」のできあがりです.家紋としては揚羽蝶紋と肩を並べるほど具象的なかたちを持つ鶴紋と,好対照をなしています.ただ,鶴紋の持つ躍動感に対し,亀甲紋ひとつだけではあまりに即物的に見えたため,ふたつの亀甲紋を甲羅の模様のように並べることで,動物らしさを出してみました.色はまさしく「緑の亀」.

鶴亀の家紋に加えて,大和絵系統の屏風絵や絵巻物に見られる雲や霞の表現を取り入れました.大和絵における雲霞は,ときには画面に広がりを持たせ,ときには華やかな装飾となり,ときには場面転換の役割を果たし,ときには画面の空白を補うなど,大変重宝な存在です.今回は装飾的な意味合いが濃い雲霞なのですが,はからずも鶴と亀が雲の上で舞っているかのような画面を作り出しました.「鶴亀」は一応,地上世界の物語ではあります.しかしながら,鶴と亀が皇帝の長寿をことほいで舞うという,幻想的とも解釈ができる場面を描くには,こうした表現もまた面白いのではないかと思います.

2006年1月 2日

2006年の年賀状[1]

2006年分の年賀状の画像

今年の年賀状のデザインについて,ひとつ書いておきましょう.

昨年分は干支にちなんでかわいいニワトリさんをあしらってみました.しかし,先月のにゅーすに記したような事情で,今度は戌年だからと言ってお犬さまを出す気は全くなかったわけです.

変わって出てきたのが鶴と亀.「鶴は千年,亀は万年」と言いますが,干支が何であろうと年賀状の図案として通用する「千人力,万人力」の動物でもあります(笑).

さて,その鶴と亀をどのように表現するか? まず思い浮かべたのが「鶴亀(つるかめ)」という謡曲の存在でした.昨年の「春の夜の夢:薩摩琵琶と朗読の夕べ」のチラシで,文学作品からテクストを引用して,それをデザインの素材にした経験から出た発想です.

「鶴亀」の物語は,月宮殿で年始の行事に臨む中国の皇帝(唐の玄宗とされる)が,恒例である鶴と亀による皇帝の長寿を祝う舞を見て,喜びのあまり自らも舞った後,長生殿に帰っていく,というもの.至ってシンプルながら,新年と長寿の祝意に満ちた,おめでたい謡です.

手もとの謡本『観世流謡曲百番集』(能楽書林,1951)を典拠に,鶴と亀による中ノ舞から終わりまで,少々長いのですが,一部を省略しつつ引用しました.なお,年賀状では漢字に正字体を用い,仮名遣いは歴史的仮名遣いのままとすることで,古語の格調を出すとともに,一方で詞章も味わってもらおうと考え,すべての漢字にルビを振りました.

千代のためしの数々に
何を引かまし小松の
緑の亀も舞ひ遊べば
丹頂の鶴も一千年の
齢を君に授け奉り
庭上に参向申しければ
君も御感の余りにや
舞楽を奏して舞ひ給ふ
宮殿の白衣の袂の
いろ妙なる花の袖
秋は時雨の紅葉の葉袖
冬は冴えゆくの袂を
翻す衣も薄紫の
雲の上人の舞楽の声々に
霓裳羽衣の曲をなせば
山河草木国土豊に
千代万代と舞ひ給へば
官人駕輿丁御輿を早め
君の齢も長生殿に
還御なるこそめでたけれ

つづく

2006年1月 1日

あけましておめっとさん

新年あけましておめっとさんナノダ!!

つい3時間前に暮れの挨拶したよーな気がするノダけど(笑),2006年もどーぞよろしゅー,おたのんもーします.

いや~,ナンダカンダ言いながらタヌキにゅーす,とりあえず配色だけはお正月仕様,間に合ったノダ.白地に丹の色の線でござい.タヌキぼーやの画像は,今のところ旧作ナノダけど(爆),あとで正月らしいモノに差し替えますわ.

夜も更けたから,新年のつのる話は初日の出拝んでからね.まずはこの年1年,みなさんにとってよい年でありますよーに.