2006年1月20日

ナンとか生きてます,が

ここ2週間ほどタヌキにゅーすの即日更新が止まっいました.

おかげさまで至って元気なのですが,このところ仕事が立て込み,タヌキにゅーすが1本も仕上がらず,書きかけがどんどんたまっているという状況になってしまいました.

たいていのネタは後日アップできるかと思いますが,年をまたいで書いてきた「狂言を楽しむ:茂山一門の世界」鳥取・米子公演の話題のうち,いよいよ今夜に迫った米子公演について触れることができなくなりました.このシリーズを通して読んで下さった方,申し訳ありません.私は残念ながら見に行けませんが,今夜お出かけになろうという方は,存分に楽しんできて下さいね.

なお,タヌキにゅーすの更新が不定期な状態は,今後もしばらく続きそうです.ただ,ネタには全く不自由していませんので,小さなものからでも出していきたいと思います.

2006年1月 6日

狂言を楽しむ:茂山一門の世界[3]2006年鳥取公演「釣狐」

(このエントリーは,2006年1月に開催される「狂言を楽しむ:茂山一門の世界」鳥取・米子公演を紹介するシリーズの1本です)

釣狐(つりぎつね)

鳥取公演
2006年1月19日(木)
鳥取県民文化会館梨花ホール

伯蔵主(はくぞうす),実は狐
茂山千五郎
猟師
茂山七五三……ほか

猟師の「狐釣り」に遭って多くの仲間を失った老狐.猟師の伯父の伯蔵主に化け,猟師に意見して狐釣りの罠を捨てさせます.しかしその帰り,打ち捨てられた罠に残っていた餌の誘惑に,伯蔵主の扮装を解いて身軽になってから食べようと言いつつ,その場を去りました.さきほどの伯蔵主の正体が狐であったと気づいた猟師は,潜んで罠を見張ります.やがて,狐が戻ってきました…….

このようにあらすじを書いてみますと,おもしろおかしい狐の失敗譚のような民話的世界を想像することもできますし,むしろその方が“笑いの藝能”らしく思われます.ところが実際の舞台にただようのは,仲間を奪われた狐の悲壮感と,罠と知りながら餌に手を出さずにはいられない心の葛藤.笑いの要素はほとんどないと言ってよいでしょう.なぜ「釣狐」がこのように重く演じられるのようになったのか,興味あるところです.

“猿に始まり狐に終わる”“狂言師の卒業論文”などという言葉があるように,「釣狐」の狐の役を演じることで初めて,狂言師は一人前として認められます.狐の着ぐるみに身を包み,狐らしく見せるために無理な姿勢もとりつつ,50分近い舞台を勤めるわけですから,演じるには相当の体力と技術を要することでしょう.

狐の役は通常,1人の役者が一生のうちに何十回,何百回も演じることはないと聞いたことがあります.野村万作さんが60歳代前半までに20回以上演じたのは異例の部類に入るのではないかと思いますが,今回狐を演じる茂山千五郎さんが,昨年から還暦記念として各地の狂言会で繰り返し舞台にかけているのも,珍しいことではないでしょうか.

2005年12月 7日

狂言を楽しむ:茂山一門の世界[2]2006年鳥取公演「猿聟」

(このエントリーは,2006年1月に開催される「狂言を楽しむ:茂山一門の世界」鳥取・米子公演を紹介するシリーズの1本です)

猿聟(さるむこ)

鳥取公演
2006年1月19日(木)
鳥取県民文化会館梨花ホール

聟猿
茂山千三郎
舅猿
茂山千之丞
太郎冠者
茂山逸平
姫猿
茂山茂……ほか

狂言には,新婚の聟が舅のもとへ挨拶に行く「聟入り」という儀式を扱った曲がいくつもあります.勿論それらは人間の世界の話なのですが,「猿聟」は曲名の通り,登場するのは全員猿で,名乗り,道行,小謡以外は,全部“猿語”によるやりとり(笑).「キャーキャーキャー」「キャキャッ,キャキャキャキャキャキャ……」といった具合です.しかも聟猿は,嫁猿や一族の猿も数匹引き連れて訪ねるのですから,大変にぎやかなことになります.

聟入りを扱った曲には,「二人袴(ふたりばかま)」「船渡聟(ふなわたしむこ)」など,儀式をめぐるおもしろおかしい騒動に光が当たるものが多くありますが,「猿聟」ではつつがなく聟入りが進みます.それが“猿語”で繰り広げられるという一点に,見る者はクスリとさせられます.しかし全体としては,聟入りという儀式が湛えるおめでたい雰囲気こそが,この曲第一の持ち味です.

狂言で演じられる聟入りは,セリフや話の進行に定まったパターンを持ちますから,聟入りを扱った他の曲を知っていると,頭の中で“猿語”を同時通訳しながら愉しむこともできるでしょう.

2005年12月 4日

狂言を楽しむ:茂山一門の世界[1]鳥取・米子公演の概要

来年の話をしますと,鬼に株式を大量取得されそうで少々おっかないのですが,冬の恒例「狂言を楽しむ:茂山一門の世界」鳥取,米子2公演を,これから数回にわたって御案内します.まずは両公演の概要です.

鳥取公演

茂山千五郎家の鳥取公演は8回目になるはずです.今回は千五郎さんの還暦記念に大曲「釣狐(つりぎつね)」が出ます.千五郎さん,今年は全国各地の催しで「釣狐」を勤めたそうです.集中的に舞台を積んで,鳥取ではどんな仕上がりを見せてくれるのでしょう.そのほか,今年も人間国宝の千作さんが出演して小品の「痿痢(しびり)」.正月にふさわしく「猿聟(さるむこ)」というおめでたくもにぎやかな曲も.

日時
2006年1月19日(木)19:00-21:00(開場:18:30)
会場
鳥取県民文化会館梨花ホール
演目
狂言解説:茂山正邦
猿聟(さるむこ):茂山千三郎,茂山千之丞……ほか
痿痢(しびり):茂山千作,茂山正邦……ほか
釣狐(つりぎつね):茂山千五郎,茂山七五三……ほか
入場料(全席指定)
指定席券:3,500円(3,000円)
大学生以下券(指定席):1,000円
※各チケットとも当日700円増
※( )内は鳥取県文化振興財団友の会会員,団体10名以上
※未就学児入場不可.託児サービスあり(無料/要予約:締切1月12日)
プレイガイド
鳥取県民文化会館
鳥取大丸
エルパパジャスコ鳥取北店
倉吉未来中心
米子コンベンションセンタービッグシップ
島根県民会館しまね文化情報コーナー
問い合わせ先
鳥取県民文化会館
電話:0857-21-8700
http://www.torikenmin.jp/h17_jigyou.html#kyougen

米子公演

米子公演は3回目.鳥取公演に比べて歴史が浅いためでもあるのでしょう,初めて狂言を見る人にもわかりすいとされる曲が主に取り上げられます.大名と庶民の立場が逆転するという内容から,下剋上の時代を象徴しているとされる「二人大名(ふたりだいみょう)」.三兄弟共演の「棒縛(ぼうしばり)」は,棒や縄で縛られ体の自由が利かない次郎冠者と太郎冠者,なおあきらめず酒を飲もうとする姿など,見どころ満載です.そのほか,山伏一行の前に“蟹の精”が立ちはだかる「蟹山伏(かにやまぶし)」.

日時
2006年1月20日(金)19:00-21:00(開場:18:30)
会場
米子市公会堂
演目
狂言解説:茂山千三郎
二人大名(ふたりだいみょう):茂山正邦,茂山逸平,丸石やすし……ほか
棒縛(ぼうしばり):茂山七五三,茂山千三郎,茂山千五郎……ほか
蟹山伏(かにやまぶし):茂山茂,茂山宗彦,松本薫……ほか
入場料
指定席券(1階,2階):3,000円(2,500円)
自由席券(3階):2,000円
大学生以下券(指定席,自由席):1,000円
※( )内は鳥取県文化振興財団友の会会員,団体10名以上
※未就学児入場不可.託児サービスあり(無料/要予約:締切1月13日)
プレイガイド
鳥取県民文化会館
倉吉未来中心
米子コンベンションセンタービッグシップ
米子高島屋
米子しんまち天満屋チケットぴあ
エルパパジャスコ日吉津店
島根県民会館しまね文化情報コーナー
問い合わせ先
鳥取県民文化会館
電話:0857-21-8700
http://www.torikenmin.jp/h17_jigyou.html#kyougen

次回以降は,曲目ごとに見どころやあらすじ,その他ウンチク(笑)を書き連ねていきます.