MacBook Airの本当の「軽さ」
林檎屋本舗の新しいノートPC「MacBook Air」が発表されました.講演するSteve Jobsが脇にかかえた封筒から取り出して披露したアレです.
Macのノートとしてはたぶん初めての重量2kg未満という軽量(1.36kg)に,折りたたんだときの1.94cmという薄さも話題になっている中で,ワタクシが何より注目したのは,DVDやCDを挿入する光学式ドライヴが本体に含まれないだけでなく,附属品にすらなっていないという点.さらに,それにもかかわらず,システムのインストールとリストア用のDVDはちゃんとついてくるという点です.
一応,別売りのUSB接続による光学式ドライヴ「MacBook Air SuperDrive」もあわせて発表されているのですが,林檎屋本舗のサイトでは,外付けの光学式ドライヴを接続するのではない方法で,このDVDを利用する方法を提案しています.
CDやDVDからMacBook Airにソフトウェアをインストールする時は、新機能のRemote Discを利用して、近くにあるMacやWindows PCの光学式ドライブをワイヤレスで「借りる」ことができます。光学式ドライブへのアクセスは、これで完璧。ケーブルでつなぐ必要はありません。
すなわち,光学式ドライヴを持ち,ワイヤレス接続(IEEE 802.11a/b/g,Bluetooth 2.1 + EDR)に対応したもう1台のMacまたはWindows PCに,インストール/リストア用のDVDを挿入し,MacBook Airからワイヤレス接続でそのDVDを利用する,とのこと.
もし初めて買うPCがMacBook Airなら,光学式ドライヴのないPCの身軽さの恩恵には預かることはできないでしょう.手持ちのオーディオCDをiTunesやiPodに取り込むにも,大容量のデータの受け渡しやバックアップにも困りますから,どうしても外付けの光学式ドライヴは必要になると思います(この点,購入時に注意しなければならないでしょう).しかしながら,ワイヤレス接続の環境が整っているならば,光学式ドライヴは1台のメイン・マシンにあれば充分じゃないか.そういう発想で,この製品は世に出ようとしているわけです.
MacBook Airは,単に軽くて薄いのではなく,ワイヤレス接続の時代を見越したモバイルPC,サブ・マシンであろうとしたからこそ,光学式ドライヴを切り離した.だから軽くて薄い.ということなのでしょう.