熊本の夜
夕食で地元の名物だという馬刺をいただきました。「舌の上でとろけるような」食感というのは、このことだなと知りました。
食事をしながら、熊本に縁の深い2人の松江出身者について教えていただきました。
ひとりは藤崎八三郎(旧姓:小豆沢)。小泉八雲の松江時代の教え子だった小豆沢八三郎は、八雲の転任先である熊本の第五高等学校への進学を志すも、経済的に困難な事情があったため、藤崎家の養子になって同家の援助を得て、熊本で再び八雲の教えを受けたとのこと。以後も八三郎と小泉家との交流は深く、八雲が亡くなる当日に認めていた手紙も、日露戦争出征中の藤崎大尉に宛てたものでした。この絶筆は松江の小泉八雲記念館に展示されています。
もうひとりは、これは初めて聞いた名前、野白金一です。「香露」という清酒で知られる(らしい)熊本県酒造研究所の技師長、社長を務め、「熊本酵母」を開発するなど、熊本の酒造技術の向上に尽くした人なのだとか。「熊本の酒がうまいのはこの人のおかげ」と、繰り返し教えられました(笑)。あとで調べましたら「酒の神様」とも呼ばれているそうですが、すみません、ワタクシはお酒一切飲まないので、そのありがたみが充分には理解できていないと思います(ペコリ)。
中心市街地の大通りは「肥後まつり」で大変な人出。さすがに路面電車も路上でお休みしていました。
「アロー」というコーヒーのお店に案内していただきました。年中無休、10席に満たない客席数、メニューはブレンドコーヒーのみという、いろんな点で大変なお店です。何より驚かされたのが、カップに注がれたコーヒーの色。半透明の琥珀色です。ほのかに甘く、やわらかな飲み心地でした。
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