« 蕎麦処八雲 | メイン | 夏休みの朝のラジオ体操は今 »

2007年8月19日

ここにもFutura

先日御紹介した「ジャパン―アイルランド フレンドシップ in 松江:友好団体シンポジウム+ワークショップ」のチラシで,Futuraというサンセリフ体の欧文書体を使っています.

チラシの画像

↓がFuturaを使用した箇所の一部です.

Futuraを使用箇所の画像

直線と正円を中心とした,単純で,構成の美が感じられる書体です.私の仕事では使用頻度が少ないものの,好きな書体のひとつに数えています.今回のチラシでは,和文書体や,メインで用いた他の欧文書体(「Japan-Irelanf Frinedship in Matsue...」の見出しや,ほとんどの和文中の英数字に登場するCaslon)を引き立てるための,隠し味のつもりで取り入れました.

このFuturaの使用例を紹介するblogを,ドイツ在住の欧文書体設計家・小林章さんが今年6月から始めています.

Futuraが生まれた国ドイツにおける日常生活の中,「食事や買い物で外に出るときはカメラを持って気がついたときに撮るくらい」の気楽なノリで,Futuraの使用例を載せるというblogです.開設からふた月ながら,デザインの専門書から,スーパー・マーケットの広告風のデザインのCDジャケット(どんなジャケットだか)まで,すでに数々の使用例がストックされていて,デザイナーのハシクレの身にも「ひとつの書体が,これほど多種多様な使われ方をしているのか」と,感嘆せずにはいられません.

小林さんが「このブログを始めるきっかけ」というエントリーで触れているように,日本ではいつのころからか,Futuraが「ナチスを連想させる書体」だから「ドイツやユダヤ人社会では使用に注意」するように,といったウワサがあるのですが(私も何かの本で読んだ覚えがあります),現地ドイツで「フツーに使われている」(ブログ画面左段の説明文)様子をこれだけ見せられると,このウワサはいとも簡単に吹き飛んでしまいそうです.

少し専門的な話を挿し入れてしまいましたが,デザインの仕事に携わっていない人でも,使用例の写真を見るだけで,充分に楽しめるのではないでしょうか.Futuraに限らず,何かひとつの書体に注目して,台所にある食品のパッケイジや,毎月購読する雑誌,通勤通学中の街の看板の文字を見直すと,見慣れた日常の風景も新鮮さを取り戻すかも知れませんね.

そういえば,タヌキすたぢおのロゴにも,こっそりFutura.

タヌキすたぢお

そろそろタヌキすたぢお,再開したいニャ…….

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://ishikawakiyoharu.info/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/313