一畑電鉄の50系電車が引退へ
昨日,NHKの夕方のローカル・ニュースで,一畑電鉄の最古参車輌である50系電車を取り上げていました.出征兵士を乗せて駅を発つ様子を収めた古い映像,汗だくになりながら定期点検にあたる整備士,炎天下の温度変化の激しさで車輌が発する音,静態保存の車輌で遊ぶ子どもたちなど,この車輌の「夏」を映し出す,といったものでしたが,「老朽化や部品の確保が困難になってきたため,数年のうちに引退することが決まっている」とも伝えました.
写真:2005年,出雲大社前駅で撮影.
1927年製造の50系電車をはじめ,昭和戦前期に製造された電車は,1990年代なかばの新型車輌導入を境に,そのほとんどが現役を退きました,今ではお座敷電車として不定期運行されている電車が,現役としては最後の生き残りだったかと思います.
全国各地で復活した蒸気機関車や,新旧さまざまな車輌の路面電車が行き交う広島電鉄の例を引くまでもなく,製造年代の古い車輌が現役で活躍していること自体が,その鉄道路線の魅力につながるわけですから,これに変わる新たな魅力の創出に向けて,鉄道会社も沿線自治体・住民も,智慧を絞って行動に移さなければならないでしょう.