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2005年11月13日

ラジオで能楽鑑賞

日曜日の朝は,NHK-FMの『能楽鑑賞』(7:15-8:00)で眼を醒まします.

現在,地上波の全国放送で定時に視聴できる能楽関係の番組は,おそらく『能楽鑑賞』だけかと思います.能楽公演の少ない地に住む者にとっては,日ごろ能楽に親しむ貴重な機会です.

主にシテ方五流の素謡(すうたい),すなわち能の謡曲部分を毎回1,2番,放送のために収録して聞かせてくれます.囃子もなく,勿論映像もない代わりに,謡の節回しや言葉にじっくり耳を傾けることができます.謡を習う素人のお弟子さんのうちには,お手本として聴く人も多いかも知れません.寝ぼけ眼でウツラウツラしながら聴くのもいいでしょう(笑).かく言う私もそれを実践するひとりなのですが(笑),時には手もとの謡本『観世流謡曲百番集』(能楽書林,1951)に書かれた詞章を目で追いつつ愉しみます.

また2か月に1回程度の割合で,狂言も聴くことができます.時には,ワキ方の謡や舞台の録音,亡くなった名人たちの藝が放送されることもあります.

今朝は観世流の謡曲「紅葉狩(もみじがり)」(シテ:山本順之)を聴きました.能・狂言には季節の定まった曲が多くありますから,それを反映して,放送でも折々にふさわしい選曲がなされています.

正月3が日には,同じくNHK-FMで『新春謡曲狂言』と題する特別番組が毎日放送されます.主に取り上げられるのは,脇能,脇狂言と呼ばれる祝言性の高い曲.この番組での謡曲は,基本的に素謡ではなく,囃子を伴う番囃子ですから,新春らしい晴れがましさが高まります.

(「TVで能楽鑑賞」につづく)

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