《ハナヱ・モリビル》:建築の命短し?
撮影:2006年10月
1度前を通りかかったことがあるだけの表参道の《ハナヱ・モリビル》です。ファッションは時代の鏡、とでも語りかけるかのようにミラー・ガラスでファサードを埋め尽くしながら、(写真からはわかりにくいですが)正面に深い谷間のように奥へと切れ込むピロティを持ち、街行く人を誘い込むかのような仕掛けが目に入ったものでした。
この建物、私が生まれた翌年の1978年に竣功した、まだ"アラサー"というのに早くも建て替えの動きがあるとのこと。
- 『保存を』かなわず ハナエ・モリビル近く解体(東京新聞)
- 森英恵さん、表参道去る ハナエ・モリビルに建て替え話(朝日新聞)
所有者からの公式発表はないようなのですが、いくつかブログを検索してみた限りでは、数年前からウワサにはなっていたようです。
設計が丹下健三なので思い出したことがあります。1991年に現在の《東京都庁舎》が竣功した後、同じ設計者による旧都庁舎(竣功1957)が解体されました。そのことを知ったのはいつであったか、記憶がはっきりしませんが、建築の命は設計者よりも短いのか、と思ったことだけは、なぜかよく覚えています(岡本太郎の壁画もろとも姿を消したと聞いたからかも知れません)。