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2007年8月17日

シンポジウム「未来への遺産:重要文化財『京都府行政文書』の保存と活用」(08/25-26)

大学時代の先輩から,近代行政文書の保存・活用をテーマに京都で開催されるシンポジウムの案内が届きました(一応ワタクシ,歴史学で修士論文を書いたことになっています).

重文指定の京都府行政文書を有する土地での会にふさわしく,充実したプログラムになっています.「行政文書の保存と活用,というテーマのシンポジウムを,保存科学・アーカイブズ・歴史学をまたがってやるのは,非常に珍しい試みだと考えております」とは先輩の弁.

こちら島根県には,本格的な県立公文書館はいまだ設置されていません.「竹島の日」制定を契機として,今年4月に竹島資料室が開設されたとはいえ,県レベルでの行政文書の保存・活用についての議論は,いまだ盛んとは言い難い状況です(少なくとも県民への周知という点では).島根県にとっては数々の先進事例に接するよい機会になろうかと思います.

以下,案内文を転載します(レイアウト等の都合により,当方で編輯した箇所があります).

科研「京都府行政文書を中心とした近代行政文書の史料学的研究」シンポジウム
未来への遺産:重要文化財「京都府行政文書」の保存と活用

京都府立総合資料館所蔵の「京都府行政文書」15407点は、2002年に国の重要文化財に指定されました。都道府県の近代行政文書としては、はじめてのことです。この「京都府行政文書」を素材に、近代行政文書についての保存科学・史料学の両面からの本格的な研究成果を報告し、近代資料の保存と活用について参加者とともに議論したいと考えています。

資料館見学・資料閲覧
日時
2007年8月25日(土)15:00-16:30
会場
京都府立総合資料館(京都市左京区下鴨半木町1-4)
内容
「京都府行政文書」のなかから、翌日のシンポジウムに関連した保存上の課題がある資料や、京都府政を考える上で重要な資料の閲覧と、文書庫の見学。
参加方法
先着30名まで
要事前申込
シンポジウム
日時
2007年8月26日(日)10:00-16:30
会場
キャンパスプラザ京都 5階 第1講義室(JR京都駅ビル駐車場西側・京都中央郵便局西側)
参加費
無料
申込不要
内容
京都府行政文書の紹介など
基調講演
高山正也(国立公文書館理事)「公文書の保存と活用の意義:過去は未来を語る」
報告
小林啓治(京都府立大学准教授)「近代行政文書研究の諸課題」
飯塚一幸(大阪大学大学院准教授)「近代史研究と行政文書」
石川登志雄(京都造形芸術大学准教授)「文化財としての京都府行政文書」
稲葉政満(東京芸術大学大学院教授)「近代行政文書のための保存科学」
金山正子(元興寺文化財研究所記録資料調査修復室長)「近代行政文書の保存と修復」
ディスカッション
ポスター報告
入山洋子「京都府行政文書 保存・劣化状態概要調査の報告」
海野彰子「京都府行政文書に使用された紙の劣化調査:pH測定による現状把握」
小森崇弘「行政文書における用紙の変遷
白川哲夫「京都府行政文書にみる霊山護国神社(招魂社)のあゆみ
長澤一恵「舞鶴港第2期修築事業:昭和初期の大陸・朝鮮半島−舞鶴−畿内を結ぶ地域復興のとりくみ」
田中希生「国体と国民精神文化講習所
櫻澤 誠「京都府行政文書にみる戦後「自治会」の再構成について:「町内会部落会指導者講習会」を中心に」
後藤 真「デジタル・アーカイブ化によって見えた近代のアーカイブズ像:近代史料を含めた新たな史料学の射程」
レセプション
日時
2007年8月26日(日)17:00-19:30
会場
ホテルグランヴィア京都 5階 古今の間(JR京都駅ビル)
料金
一般:7000円
学生・院生:5000円
要事前申込
主催
科研グループ「京都府行政文書を中心とした近代行政文書の史料学的研究」
共催
京都府
詳細情報
http://www.geocities.jp/kyoto_archives

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