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2006年7月 5日

ミッフィー展へ行く

エントランス・ホールで記念撮影に備えるミッフィーの図

午後から松江に行ったノダ.仕事があったからナノダけど,その前に島根県立美術館へ.会期残り1週間の「ミッフィー展」見たノダ.タヌキぼーやがウサギに会いに行く……「カチカチ山」みたいでオッカナビックリだったんスけど(爆),ミッフィーに限って,ンなこたぁないニャー.

ミッフィーってのは,オランダのグラフィック・デザイナー,ディック・ブルーナさんの絵本シリーズの主人公のウサギさん.日本じゃ「うさこちゃん」って名前でも知られてるノダ.

子どもが読む絵本ってことで,子連れ家族のお客さんが多かったけど,展示そのものはハッキリ言って大人向け.スケッチ,原画,印刷原稿,さらにゃボツ原稿から,1冊の絵本がどーやって生まれたのか,創作のプロセスをていねいに掘り下げてたノダ.

太い輪郭線を焼きつけた透明フィルムの下に,背景や服や体の形に切り抜いたブルーナさん定番の6色の色紙を敷いて色を検討する…….ってのは,道具こそ今ではPCが使われること多いカモ知れんけど,やってることはまさにデザイナーの日常の作業ナノダ.それを絵本作りの現場で,何十年も前から続けてるってあたりが,ブルーナさんのオリジナリティのひとつだと思うノダ.それを間近に探ることができる点が,ワテのよーなデザイナーのハシクレにとっては,この展示の一番おいしいところ.デザイナー志望の学生諸君は必見でんな.

展示でも紹介されてたよーに,ブルーナさんが住んでるユトレヒトってのは,1910-20年代に起きた藝術運動「デ・ステイル」の金字塔,ヘリット・トーマス・リートフェルト設計の《シュレーダー邸》(1924)がある街ナノダ.赤,青,黄,白,グレイ,黒の6色の色面の組み合わせでできてるっちゅー,建設当時としちゃ「ナンジャコリャー」な建物だったノダ.6色による色面構成ってのは,リートフェルトの建築に限らず,デ・ステイルの藝術家が絵画や工藝でも広く実践した手法ナノダ.ブルーナさんの絵本にゃ,こーゆーデ・ステイルの血,ユトレヒトの土地柄を感じるノダ.

いちおーデザイナーのハシクレなんで,もちろんカタログ買ったノダ.ブック・デザインを手がけたのがグラフィック・デザイン界のイタコ(笑),祖父江慎+コズフィッシュじゃござーませんか.なんたって,「漫画家が雑誌の切り抜き寄せ集めて作った」なんて設定で漫画の単行本をデザインしちゃうよーな人なんで(笑),今回は誰が乗りうつったんだかって想像しちゃうノダけど,こりゃブルーナさん本人が来ちゃってるカモ.そんなあたたかみのある作りになってるノダ.右頁にゃ年代順に1点ずつミッフィーが出てくるのがいいですニャー.

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