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2005年12月29日

横浜能楽堂カレンダー

横浜能楽堂の来年のカレンダーをいただきました.

能楽堂のカレンダーだけに,横浜能楽堂での公演の写真が月替わりで載っているわけですが,その内訳が面白い.

横浜能楽堂2006年カレンダー
1月 狂言 墨塗(すみぬり) 善竹十郎
2月 狂言 庵梅(いおりのうめ) 山本東次郎
3月 狂言 仏師(ぶっし) 茂山七五三
4月 舞踊 藤娘(ふじむすめ) 藤間恵都子
5月 狂言 八尾(やお) 山本則俊
6月 聲明 大曼荼羅供 庭賛~大五願 高野山声明の会
7月 狂言 文蔵(ぶんぞう) 山本則直
8月 狂言 粟田口(あわたぐち) 野村萬斎
9月・表紙 砧(きぬた) 梅若六郎
10月 新作狂言 椎茸典座(しいたけてんぞ) 茂山千作
11月 狂言 鎌腹(かまはら) 山本泰太郎
12月 狂言 木六駄(きろくだ) 野村万作

カレンダーを下さった方からは,「能楽堂のカレンダーなのに能の写真が少ない」とあらかじめうかがっていましたが,本当に少なかったですね(笑).表の通りほとんどが狂言で,うち4点が山本東次郎家(2,5,7,11月)というのが,この能楽堂らしいところです.横浜能楽堂の子ども向けワークショップを毎年受け持っているのが同家です(数年前にETVの『芸術劇場』で見ました).

もうひとつ注目すべきは,能・狂言のほかに舞踊と聲明の写真も含まれている点.能・狂言の面白い公演の情報に接するとき,それが横浜能楽堂の自主事業であることが少なくありません.例えば聲明の写真は,昨秋「声」の藝能をテーマとする企画公演で,能・狂言の謡,韓国やタイの宮中歌曲とともに上演された折のものではないかと思います.

横浜能楽堂はこのようにソフトウェアとして目を見張るがありますが,何と言っても舞台が美しい.数寄屋造を思わせる繊細な造作.もとは旧加賀藩主・前田家の舞台(1876)だっということで,鏡板には松とともに,前田家の紋所である梅も描かれ,これがしっとりとした風情を出しています.カレンダーには映っていませんが,1996年に横浜能楽堂に移されてから加えられたこけら葺きの屋根も,舞台と調和していて気持ちよい.もっともこれは,あくまで写真や映像から受けた印象.ぜひこの目で見たいものです.

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