赤い殿堂,グラントワ
さらに続くグラントワのネタ.
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赤い石州瓦が用いられること,屋根に12万枚,壁に16万枚という(内藤廣「建物は街に語りかけている」『島根県立石見美術館コレクション選』2005).赤瓦の家並みが多い石見でも,ひとつの建物にそんなにたくさん使った例はほかにあるまい.そもそも壁までも赤瓦で覆うというのだから,用い方から独創的.さながら赤糸で威(おど)した大鎧(おおよろい)のごとし.職員さんによると,瓦の色は6色に分けられるとか.鮮やかな赤茶色もあれば,青く光るものもあって,瓦の群れが見せる表情は,均質化されているわけではない.

水盤を持つ中庭の地面を覆う煉瓦も赤ければ,中庭を囲む一面ガラス張りの回廊までも赤い.カリンの木であるという.
日が落ちて,ライト・アップされた中庭は,いよいよ赤く燃え上がる.水盤にもそのさまは映し出されて,厳島神社かとも見紛うほど.
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