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2007年11月21日

グラントワのコンクリート壁をよく見ると

先週の益田行きの報告をしなければと思っているところですが,今日は写真を1枚出してみます.

今回,初めて《グラントワ(島根県芸術文化センター)》に行きまして,建物をじっくり見る機会に恵まれました.

島根県立石見美術館と島根県立いわみ芸術劇場を両輪とする複合施設.内藤廣の設計で2005年竣功.石見地方の家並みを彩る赤瓦を,屋根だけでなく壁面にも多く用いた建築ですが,コンクリート壁も随所で印象的な表情を見せています.

グラントワのコンクリート壁の写真

写真の通り,コンクリートの壁に木目がついているのです.おそらく木製の型枠の表面を押し当てたものと思われます.安藤忠雄の作品などで知られる打ち放しのコンクリートの硬質感とは異なる,やわらかな肌合いが感じられます.詳しく用例を調べたわけではありませんが,こういう処理は戦後日本のモダニズム建築でしばしば見られます.丹下健三《広島平和記念資料館》(1955)しかり,島根県内でも菊竹清訓《旧島根県立博物館》(1958)などの好例があります.

《グラントワ》ではこの木目のついたコンクリート壁が,美術館ロビーのアーチ状の天井をめぐり,劇場大ホールを長大な折壁となって覆い,ダイナミックな内部空間を作り出しています.これは一見の価値あり,です.

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