八雲会の総会へ行く
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が来日後最初の1年余を過ごした松江を拠点に,八雲の顕彰活動をしている八雲会の総会(年1回)が開かれました.私は一昨年に入会しまして,今年初めて総会の全日程に参加しました(昨年は途中からの出席でした).
八雲会のwebサイト開設や出版物の販売・刊行といった,私もお手伝いすることになる案件,2010年の八雲来松120年に向けた事業の構想なども取り上げられた議事に続いては,恒例の一般開放の講演会.今年の講師は,八雲の曾孫・小泉凡さんで,近年,八雲が国内外でどのような形で再評価されているか,研究や普及活動の動向の紹介がありました.例えば,村を津波が襲うことを予測した庄屋(モデルは浜口梧陵)が,稲の束を燃やして避難路を示し,村民を救った話「生き神」(『仏の畑の落穂』1898)をもとに後世再話され,戦前の国定教科書で広まった「稲むらの火」が,近年は人形劇や外国語訳などの形をとって,日本や世界の各地で防災の教材として見直されていること......など,八雲再読の新しい視点がさまざま提供されました.
講演会のあとは,別室で交流会.例年はホテルを借りていたのを,今年はざっくばらんな雰囲気に一新して,凡さんの奥方とオグちゃんが用意した手作りのお菓子(これがまたウマいのナンの)をいただきながらの歓談となりました.いろいろな方にお目にかかったり,最近松江に引っ越したばかりという方とお話ししたりと,我ながらよくしゃべったつもりでしたが,それでも御挨拶できずじまいになってしまった方もいて,それがちょっと残念でした.
写真の右が本日のお菓子.左からチョコレート・ケーキ,マドレーヌ,アップル・パイです.写真の左の白い本が,できたてホヤホヤの年刊機関誌『へるん』No. 45.その下に隠れているのが,私がデザインした新作のチラシです.今日は私がデザインしたチラシが一度に4種類も出回るという,前代未聞の事態にもなったのですが,その内訳は追々御紹介していきましょう.