一連の広告作品の中で,先に世に出たのはチラシでしたが,最初に着手して仕上げたのは,webのトップペイジにある映画のキャッチ・コピー「楽園があるから生きている、だからココは狂っている。」が入った画像です.デザインに当たってのクライアントからの要望が,このキャッチ・コピーをテーマにした画像が欲しいというものでした.
石倉さんサイドからは,映画からキャプチュアした1000枚もの画像と,これまでのプロモーションに使用されたイラストレイションを提供されていたのですが,映画全篇を通して見れば飲み込めるこのテーマも,1点や2点の静止画像で代表させるのは難しいと判断しました.そこで,キャプチュア画像から撰んだ10数点を,作中で印象的に用いられる Polaroid写真風に仕立て,画面にランダムに敷き詰めることで,映画の持つ危うい世界の表現を試みました.キャッチ・コピーの仮名書体と「狂」を,ゴシック体ではなく,線の太さが変化に富む=均一ではない明朝体としたのも,同じ意図によるものです.
チラシは,先行して作成したwebのデザインを,紙媒体向けに再構成したものです.基本書体はゴシック体/サン-セリフ体ですが,要所には明朝体/セリフ体を使用しています.