last update: 2005/11/15
[ Genre : art ]
島根県立美術館のコレクション展にゃ,毎年この時期に浮世絵の新庄コレクションが出るノダ.今は歌川広重の竹内保永堂版『東海道五拾三次』と『木曾街道六拾九次』が展示中ナノダ.
ちょーど1年前に読んでた『東海道中膝栗毛』でもそーだけど,見てると旅に出たくなってソワソワしちゃうノダ.ところどころの名所名物ばかりじゃなくて,あちこちの宿場で見られそーなひとコマも描かれてて,旅そのものの愉しみが感じられるからだろニャ.『東海道』「御油」の,旅人が留女(とめおんな)に「お泊まりなさいまし」とでも声かけられながら宿屋に引っ張られていくさまとか,同「赤坂」の旅籠の様子とか,『木曾街道』「柏原」の,福助や金太郎の人形が並ぶ茶店とか……あ,店ばっか例にあげちゃった(笑).
シンプルな線で描かれた人物の表情も,かわいくてええニャ.『膝栗毛』初板本なんかでも似た筆致が見られるから,たぶん19世紀初めまでに様式化された表現なんだろーけど,ともかく見ててなごむんでさ,これが.
ちなみに今やってる特別展も江戸時代の美術で「若冲と淋派」.細見美術館の館蔵品展ナノダ.淋派みたいな大和絵系もまた,オモロそうナノダ.酒井抱一も出てるって? こりゃ見逃せまへんな.
[ Genre : lifestyle ]
冷房のないタヌキ部屋でひとりデザイナーやってるタヌぼーにゃ,夏にスーツなんざ,とんと縁のない話だけど,なんせ島根三大暑がり(ナンジャそりゃ?)の1人だから,ただでさえ暑いのもいや〜んなのに,冷房使い過ぎて外がますます暑いのはもっといや〜んナノダ.
この夏は京都議定書が発効したこともあって,Cool Bizなんて,国が率先して「夏は軽装でお仕事しましょ」と言うて,あの手この手をやってまんな.
上着やネクタイなしで仕事なんてだらしなくないか,お客さんに失礼じゃないかって議論もあったり,まだ夏向きの着こなしが板についてないの図もよく見かけたりするのは,最初のうちだからそんなもんかも知れんニャ.
でもさ,京都議定書や地球温暖化防止って話以前に,日本(ひと口に言うても広いけど)の夏は暑くて当たり前なんだから,近いところじゃ東南アジアとか,お役所でも「かりゆし」が定着してる沖縄みたいに,暑い夏向きお仕事着の文化は,いつか確立されて当たり前のハズナノダ.
それなのに,室内を冷房でギンギンに冷やしてさ,そのトバッチリで外をますます暑くしてまでスーツにこだわるって具合の,行きすぎた「冷房文化」で夏を乗り切ってきたのがこれまでの日本ナノダ.
ただ「これまで」って言ったって,今みたいに職場や公共施設に冷房が普及してからタカダカ数十年.だから,今生きてる過半数の日本人の子供のころとか若いころにゃ,夏の暑さをどーしのいでたか,ってことを思い出しすだけでも,暑い夏向きのお仕事着の知恵が見つかるんじゃないかニャ? 今でこそ仕事着や普段着で使われる場面が少ない和服なんて,衣服の素材や着こなしとか,実はそーとーの工夫の歴史があると思うけどニャ.