last update: 2005/11/15
[ Genre : noh-kyogen | art | others ]
観世流シテ方・井上裕久さんのお稽古場「松江松聲会」の15周年記念の催しに行ったノダ.時間の関係で,第2部の発表会にゃ少ししかおられへんかったけど,第1部の井上さんの能楽入門講座をじっくり楽しんできたノダ.
松江テルサのホールだったんだけど,舞台にゃ一ノ松,二ノ松,三ノ松と勾欄で橋懸がこしらえてあって,本舞台を区切る短い柱も立ててあったノダ.で,天井から装束がつるしてあったノダ.唐織(からおり),縫箔(ぬいはく),長絹(ちょうけん)が,それぞれ2着ずつ.客席は,お年寄りさん多かったけど,年が近そーな人もチラホラいたニャ.
京言葉で軽妙に進む井上さんのお話は,能・狂言の歴史や特徴,世阿弥の言葉についてサラッと説明があって,それから所蔵の面や装束を用いたあれやこれやに移ったノダ.
面は女性の面を中心に,1点ずつ見せては解説して,たぶん紙製のホワイトボードにかけてったノダ.小面に始まって,若女,増,深井,老女……とまあ,だんだん年取ってくワケね.写真じゃなくて実物がどんどん並んでくってのが,よー考えるとスゴイノダ.泥眼から般若に変わってく鬼女シリーズのオマケつき.角がちょっとだけ生えた,般若見習いみたいな面(笑)もあるなんてな知らなんだ.
装束はぜ〜んぶ女性の役のもので,同じのが2着ずつってのは,若い女性の役で着る紅入(いろいり)と,年取った女性の紅無(いろなし)ってことだったノダ.ここで,舞台に観客2人上げて,それぞれ紅入,紅無の唐織羽織って,面つけての,ちょっとした装束体験.お2人さんは事前に決めてあったらしくて,開会直前に着いたタヌぼーはちょいとザンネン.どんな感じだろニャ.
装束づけの合間に,井上さんが取り出したるは,漁師の扮装に用いる前垂れ.「能の道具は使い回しが多くて……」と,前垂れの真ん中束ねてチョンマゲの形に折って,老人の鬘のできあがり.漁師の前垂れと老人の鬘って,同じモンだったのね.能にキョーミ持ってカレコレ20年近いんだけど,ゼンっゼン気づかんかったノダ.ヒャー,ビックリ.
最後は玄人さんが本格的に装束づけ.おなじみ「羽衣(はごろも)」の天人ナノダ.普段見られん装束で隠されたとことか,紐の処理とか,ふむふむしながら見たぞよ.最後は地謡2人ついて,「東遊の数々に……」と天人が舞って,橋懸を進んで天に帰ったところでおしまいししまい.モノの本で知ってることもあったけど,実物見ながらってのは,やっぱワクワクするもんナノダ.
午後は島根県立美術館の「MODERN PHOTOGRAPHY」展と,一部展示替えのあった「徳川美術館名品展」にも行ってきたぞよ.食事は「そば清」の天ぷら割子.そばの麺の天ぷらが出るって聞いてたんで,どりゃどりゃって思って頼んで食べたら,塩味でサクサクした歯ごたえでウマいんだわ.ツルッとした割子の麺と好対照でござんすよ.
[ Genre : railway ]
10/14は鉄道の日ってんで,あっちゃこっちゃで催しやってるみたいだニャ.タヌぼー,去年は一畑電車平田市駅の車輌区に行ってきたけど,今年は雨の中,JRの出雲車両部の車輌見学会に出かけたノダ.
10/16のダイヤ改正で廃止になる急行「だいせん」の今の編成と,寝台車つないでた時代の編成,寝台特急「出雲」と「サンライズ出雲」を公開してたノダ.どれも乗ったことあるんで,「や,ゴブサタでやんす」「どんも長いことおつかれさんでやんした」「また乗らしてごしない」とか,いろいろ挨拶してきたノダ.
「サンライズ出雲」は,内部も一部公開してたノダ.いや〜,これがまた行列でさ.人気のほどがわかるノダ.B寝台までぜ〜んぶ個室で落ち着けるし,いろんなタイプの部屋があって楽しいノダ.ウチのおっかあが「サンライズ乗りたい」って日ごろ言うてるんで連れてったら,よろこんでて,2回並んで見物したノダ(笑).
出雲市駅から出た6輌編成の臨時列車が満員になるくらいの賑わいだったけど,小さいお子さんのいる家族連れ,多かったニャ.タヌキぼーやこれでも27歳(汗)とその親ドモなんて組み合わせは,かな〜り珍しかったんじゃなかろか(笑).あと,見るからにどっかの大学の鉄道研究会でございって感じの一行ね.動きやすい服装っことを気ぃつけてるんだと思うけど,チェック柄シャツ着たニイチャン人口のあの多さは一体ニャンだろニャ.ちょとフシギナノダ.
出雲市駅でも,鉄道写真や記念切符なんかの展示やってたノダ.「昭和30年代の出雲市駅」の写真なんてにゃスゴイノダ.大社線や一畑の立久恵線も健在だし,近くの工場への引込線はある時代.おびただしい線路ナノダ.高架化されて線路がうんと減っちゃった今でも,たくさんの列車の始点・終点にゃ変わりないけど,やっぱ昔の駅見ると,鉄道の街だったんだニャって気がするノダ.
[ Genre : film | architecture ]
出雲車両部に行ったその足で松江に出て,「風来先生」って映画(1961,松竹)見たノダ.松江の高校に赴任した白戸先生(津川雅彦)が大活躍ってな,40年チョイ前の松江を舞台にした「坊っちゃん」みたいなユカイツーカイな作品ナノダ.
長いこと松江に通ってるタヌぼーにとっちゃ,ちょいとムカーシの松江の眺めが見どころでんな.松江大橋,県庁,ヘルン旧居みたいな今も昔も変わりなしもありゃ,タヌぼーが生まれる前の景色は,木造の校舎,高架化前の松江駅,県民会館ならぬ松江市公会堂,宍道湖大橋のない末次界隈,教頭一派が遊ぶ皆美別館は古い建物…….今よりも高い建物は少ないし,なんたって舗装道路が少ないノダ.白戸先生の下宿は,たぶん北堀か奥谷あたりだと思うけど,あたりは砂埃立つ道だもの.
松江駅から城山周辺にかけてって,ずっと目立った再開発がないトコだから,基本的にゃ見なれた景色だけど,それでもずいぶん印象が違うんだニャ.