タヌキにゅーす:タヌキぼーや(石川陽春)の生態観察記録


last update: 2005/11/15

2004/09


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2004/09/11/Saturday

タヌキぼーや,平田へ行く:膳場貴子さんの講演ほか

[ Genre : television | architecture | railway ]

2004/09/11

一畑電車にガタゴト揺られて,“うんすーふらた”こと平田に行ってきたノダ.

一畑電車に平田といやー,市が譲渡先を募集してた,図書館のそばに静態保存になってる旧車輌(1927年製のデハ20.よー乗ったもんだニャ)が,引き取り手がつかんで,とーとー解体かって,新聞に出てるノダ(シクシク).なんとかならんのかいの.

今日は,商工会議所の青年部の集まりで,NHK『プロジェクトX』の司会の膳場貴子さんが講演するんだけど,一般聴講もいいノダっ聞いて出かけたノダ.

『プロジェクトX』,ま,ナニかと批判もある番組だけど,戦後当たり前のよーに身の回りにあるモノ(ダイニング・キッチン,ワープロ,電卓,電子炊飯器……)の開発者とか,文化財(姫路城,桂離宮,北野天神縁起絵巻……)の修覆にかかわった人たちの話が聞けるのがオモロくて,テーマによって見てるノダ.そんな番組の舞台裏の話を聞けるかニャって思って顔出したんでござい.

ホールが暗くなって……やっぱ最初は「地上の星」流すんかい〜っ.そこに乗っかる講演会に至る経緯を語る,商議所スタッフ(たぶん)のトモロヲ風ナレイション(爆).こちとら笑いコラエるのに必死だったけど,読んでる本人まで笑いかけてたぞよ(笑).

オジサン率ほぼ100%のドヨメキ(笑)混じりの拍手の中,膳場さん登場.で,だいたい↓なお話でござんした.メモほどしときます.

制作の舞台裏

  • 若い専門外のスタッフが担当:先人に学ぶ.一視聴者の視点で
  • スタジオ収録前のゲストとの打ち合わせなし:ゲストの信条を大切にする
  • ゲストの「今」を切り取る:「正解」のないインタビュー

リーダーの条件(番組に登場したプロジェクトリーダーの共通点)]

このへん,商議所のミナサマガタが,イカにもタコにも好みそーなお題でしたな(笑).

  • 感動すること
  • 仕事に対する誇り
  • あきらめないこと

電車まで時間があったんで,昔ながらの造り酒屋さんお醤油屋さん,船着き場のあるよーな古〜い建物が並ぶ木綿街道を,ちょこっとふらりとして,帰ってきましたですわ.催しだとかで,家ごとのお宝公開なんてことやってましたニャ.

日本商工会議所・全国商工会議所青年部連合会
第22回中国ブロック大会平田大会 記念講演会
日時
2004/09/11/Saturday 2-3pm
場所
平田市立文化館プラタナスホール
講師
膳場貴子(NHKアナウンサー)
演題
逆境をバネに!:プロジェクトXに学ぶ

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2004/09/12/Sunday

タヌキぼーや,浜田へ行く[1]世界こども美術館

[ Genre : art ]

2004/09/12

昨日の平田に続いては,石州浜田にお出かけでござ〜い.NHK-FM『ベストオブクラシック』の公開収録があるってんで,整理券申し込んだら届いたんで,行ってみましたわいな.浜田にゃ初めて下りたノダ.

11:36amに浜田に着いて,開演が3pm.時間がずいぶんあるんで,浜田市世界こども美術館ってとこに行ってみたノダ.ほんとは浜田城跡にも寄りたいとこだったけど,昨日の平田で足痛めてもーたんで,歩きやすそーなとこに絞ったノダ.

美術館は海の見える高台にあって,県立大学のおとなりさんナノダ.静かなとこだけど,親子連れが次々来てたニャ.

昨日から始まった収蔵品展見たんだけど,石見の出の石本正,ピカソにマティスにカンディンスキーってな顔ぶれに混じって,世界の子どもたちの作品もたくさん展示されてるってのが,さすが「世界こども美術館」ナノダ.子どもたちの作品ってのがね,これまた楽しくってさ・スヌーピーみたいな線とか,様式建築をてーねーにスケッチしたのとか,見てて飽きんノダ.「よっしゃ,タヌぼーもひとつ」ってな気になるノダ(笑).おとなの作品だと,奥村美佳さんってな,タヌぼーとそないに年のかわらん画家さんの,夕闇のよーな風景がええなって思ったノダ.

展示室は5階から4階にかけてスロープの通路でまわるよーになってて,通路のとこ2箇所に子どもたちの作品,2つの部屋におとなの作品があったノダ.その間窓ってのがなくてね,大客船の船室をぐるぐるまわってる感じだったノダ.3階は,南北の舟形のおっきなガラス壁にはさまれたホールになってて,いや〜,デッキに出た気分でしたわ.1階にゃ創作室があって,何やらワイワイやってましたノダ.案内板代わりに,昔なつかし家具調TVが置いてあって,いや〜おなつかしや.ウチにもありましたニャ,こーゆーの.

美術館をあとにして,駅前に戻って,いよいよ公開収録.キリがいいんで,続きはまた明日ナノダ.

こども美術館収蔵品展
日時
09/11/Saturday-10/3/Sunday 9am-5pm(入館は4:30pmまで)
場所
浜田市世界こども美術館

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2004/09/13/Monday

タヌキぼーや,浜田へ行く[2]「ベストオブクラシック」公開収録

[ Genre : music | radio ]

2004/09/13

さ〜て,公開収録会場の石央文化ホール.ワシントンホテルが棟続きになってて,何やらケンランゴーカな雰囲気の建物でござい.

整理券と引き替えに,本日のプログラムとNHKの各種広告の詰め合わせ福袋……「おじゃる丸」ステッカー入り(笑),それと座席指定券をもろたノダ.席は「1階と列19番」……ってこたぁ,後ろの方でんな.おっ,ピアノの椅子が真っ正面ナノダ.生きてるうちに鍵盤楽器とフルートはできるよーになりたいタヌぼーとしちゃ,なんだかうれしいノダ.

今日はFMの公開収録ってことで,開演前のアナウンスの中身も,音たてんといてね話が充実してたノダ.福袋は膝の上に置かんで,足もとに置くか,カバンにしまうかしてね,みたいにさ.

TVの衛星放送(ウチ見れへんねん)もあるんで,建物の外でも機器いじってたし,ホールの中にもカメラが舞台正面と両脇に3台.タヌぼーの席は正面カメラの2列ほど斜め後ろで,ファインダーもちらっと見えたノダ.ファインダーってカラーじゃないのね.ファインダーの下あたりにゃ,台に手帳のせてあって,小さな灯りもつくようになってたノダ.進行表みたいなもんかニャ?

ピアノ三重奏だとか四重奏だとかって編成は楽しそうなんだけど,今日の演奏曲目,モーツァルトに,ラヴェルに,フォーレと……実はタヌぼーあんま聴かないのだらけ(笑).でもね,それぞれの作曲家の味っちゅーか,魅力ちゅーか,よう伝わる演奏を聴かせてもろたノダ.1曲目とアンコールのモーツァルトの華やかさもそーだし,何より,「ラヴェルってこんなに彩りがあったんだっけ?」ってな発見もあったノダ.有名な「ボレロ」1曲ごときで食わず嫌いして,エラいすんまへんと(ペコリ).ピアノの野原みどりさんにゃ,ラヴェルの『ピアノ作品全集』ってなCDが2枚あるってんで(AUCD-2,2003;AUCD-7,2004),近いウチに聴いてみたいニャ.

足引きずりながらの旅だったんで,駅前の道の起伏とか,ちと大変だったけど,いや〜,行ってよかったノダ.今度はまちの探検もしたいノダ.

石央文化ホール開館10周年記念「ベストオブクラシック」公開収録
日時
2004/09/12/Sunday 3-5pm
場所
石央文化ホール(島根県浜田市)
出演
野原みどり(ピアノ)
千葉純子(ヴァイオリン)
松実健太(ヴィオラ)
菊地知也(チェロ)
プログラム
モーツァルト「ピアノ四重奏曲 第2番 変ホ長調 K.493」
ラヴェル「ピアノ三重奏曲 イ短調」
フォーレ「ピアノ四重奏曲 第1番 ハ短調 作品15」
(アンコール)モーツァルト「ディヴェルティメント K.240 第4楽章」
放送予定
「ベストオブクラシック」NHK-FM: 2004/10/04/Monday 7:20-9am
「クラシック倶楽部」BS-HI: 2004/11/04/Tursday 8-8:55am;BS2: 放送日未定 10-10:55am

野原みどり『ラヴェル:ピアノ作品全集』
I,AUCD-2,2003
amazon / hmv / 旭屋 / TOWER / NeoWing / EBISU / TSUTAYA
II,AUCD-7,2004
amazon / hmv / 旭屋 / TOWER / NeoWing / EBISU / TSUTAYA

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2004/09/17/Friday

上原ひろみさんのNord Lead

[ Genre : music | television ]

2004/09/17

お昼食べながらNHKの『スタジオパークからこんにちは』見とったら,上原ひろみさんっちゅージャズ・ピアニストが,Nord Leadでえりゃあカッコイイ演奏しとったノダ.「Kung Fu World Champion」って曲だそーな.あんまりスゴかったんで,とりあえずメモ(笑).

「徳川美術館名品展: 姫君の華麗なる日々」

[ Genre : art | history ]

2004/09/17

今夜はプラバホールで,ギターの村治佳織さんのリサイタルなんで,松江にお出かけナノダ.ちょーどいい機会なんで,開演前に県立美術館の「徳川美術館名品展」に行ったノダ.

徳川美術館っちゅーと,なんたって国宝の《源氏物語絵巻》だけど,今回の名品展は「姫君の華麗なる日々」ってことで,尾張徳川家のお姫さまや御簾中さま,側室のみなさま方(ナゼか敬称)にまつわる道具がズラリ.尾張家の所蔵品のコレクションから出発した徳川美術館らしさが一番よく現れた企画ってとこナノダ.

誕生〜婚礼〜出産って具合に分かれた「節目の行事」のコーナー,日常の暮らしにかかわる道具を見せる「姫君の装い」「嗜みと遊び」ってコーナーを立ててあって,道具を通して大名家の女性たちの人生や暮らしぶりが想像できるよーな具合になってたノダ.
御三家の筆頭っちゅー将軍家に準じる家柄ってこともあるんだろーけど,まずは絢爛豪華って言葉がよく似合う道具のカズカズ.何百年たって,ちょっとやそっと色あせたって,んなこたぁ気にならんほどマブしいワナ.でもそんなことより何より,細工の細かさとか,デザインのすばらしさとかってのに,目ェみはるモンがあるノダ.

ほとんど純金製の,千代姫(2代藩主光友正室,3代将軍家光女)所用《純金香盆飾り》なんて,ほんと金ピカに目ェ奪われてる場合じゃないし,矩姫(14代・17代藩主慶勝正室)所用の小袖のカズカズなんざ,文様といい,配色といい,絶妙のバランスで折り散らしてあるんだもの.

昔の職人さんたちの仕事ぶりをたっぷり味わえるノダ.なんでも28/Tuesdayからは一部が展示替えになるそーな.てこたぁ,もう1回行く楽しみがあるってことでんな.よっしゃ,日程あわせてみましょ.

徳川美術館名品展: 姫君の華麗なる日々
日時
09/10/Friday-10/11/Sunday
場所
島根県立美術館 企画展示室

「村治佳織ギター・リサイタル」

[ Genre : music ]

2004/09/17

村治佳織さんのリサイタル話でござい.村治さんの演奏聴きに行くのは,2002/05/16/Thursdayのロドリーゴ室内管弦楽団公演(島根県民会館大ホール)でのソリスト以来,2度目ナノダ.2年前の来演がきいたかどーかはわからんけど,今回のチケット,たしか1週間ほどで完売してたハズ.ひょえ〜.

今回は新しいアルバム『Transformations』( UCCD-1115)の収録曲が中心のプログラム.お目当ては,やっぱ武満徹編曲の『ギターのための12の歌』かニャ.武満のギター曲ってえと,(そんな聴いたわけじゃないけど)あったか〜い雰囲気があって,いいんだよニャ.

1月の上原彩子さん(ピアノ),6月のグスタフ・レオンハルトさん(オルガン,チェンバロ)のときもそーだったんだけど,プラバホールで,たった1台の楽器で奏でられる音を聴くってのがあたしゃ好きでね.今回も,静まりかえったホールに灯る小さな火のような感じがあって,う〜ん,いい時間でござんしたノダ.

ひと月ぶりにお目にかかったマダムなおふたり,いかがでやんした? ……すんまへん,こっちの話(汗).

村治佳織ギター・リサイタル
日時
2004/09/17/Friday 7pm-
場所
松江市総合文化センター プラバホール
ギター
村治佳織
プログラム
デュアーテ「イギリス民謡組曲」
武満徹編曲『ギターのための12の歌』より「Over the Rainbow」
武満徹編曲「Last Waltz」
タレガ「アラビア奇奏曲」
タレガ編曲「ヴェニスの謝肉祭による変奏曲」
テオドラキス『エピタフィオス』より「不死の水」「わが星は消えて」「5月の日」「きみは窓辺にたたずんでいた」
武満徹編曲『ギターのための12の歌』より「Michelle」「Yesterday」「Here, There and Everywhere」「Hey Jude」「Londonderry Air」
ディアンス「サウダージ 第3番」
(アンコール)バリオス「Julia Florida」
ノイマン「愛のワルツ」
村治佳織『Transformations』
UCCD-1115,2004
amazon / hmv / 旭屋 / TOWER / NeoWing / EBISU / TSUTAYA

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2004/09/18/Saturday

能「道成寺」@ETV

[ Genre : noh-kyogen | television ]

2004/09/18

鐘釣るときの屋根の内側なんて,初めて見たノダ.ありゃ見所からじゃ見えんだろニャ.ふむふむ.

鉄道の旅

[ Genre : railway | television ]

2004/09/18

列島縦断 鉄道12000km:最長片道切符の旅』の総集篇.あーゆー旅,一生に一度はしたいニャ.……その前に体力かいな(うーむ).

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2004/09/19/Sunday

世にもめづらしきもの

[ Genre : others ]

2004/09/19

2,000円札のおつり.
発行4年目にして初めてもろーたノダ.最初で最後かも知れへんなってくらい,ほんっっ〔略〕っっと見ないニャー.

2,000円札目撃情報求む
宛先
2,000円札が葉っぱに化けないか心配するタヌキ技芸官

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2004/09/20/Monday

コノゴロよーわからんモノ

[ Genre : others ]

2004/09/20

第2とか第3の月曜日に引っ越した祝日って,どれとどれとどれだっけ? 敬老の日が15日から第3月曜日に移ってたなんて,ワシャよー知らんかったノダ.そーいや,海の日も7月の第3月曜日になってたし.いや〜,世の中知らんことだらけナノダ.

蚊相撲

[ Genre : others | noh-kyogen ]

2004/09/20

9月も下旬だってーのに,朝もはよから蚊にさされたタヌぼーでござい.ま,コノゴロじゃ12月でもやられるんだけど(かい〜の).

両国じゃ秋場所だけど,どさくさに紛れて蚊の精が土俵に上がっちゃいないかニャ.口に長〜い針を加えてたら要注意.行司の軍配であおいでみましょ.それで吹き飛んじゃうなら,蚊の精に間違いニャイノダ.風で飛ばされてひるんだスキに針を抜いて,心おきなく押し出しちゃいましょ.これぞ狂言「蚊相撲」の教えでござーます(ナンノコッチャ).

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2004/09/21/Tuesday

今さらながら「100年前のデザイン」@『季刊d/SIGN』no. 8

[ Genre : book | design ]

2004/09/21

紙見本代わりにも使える雑誌『季刊d/SIGN』のno. 8.7月ぐらいにゃ本屋に出てたけど,よーやく買ってきたノダ.特輯は「100年前のデザイン」.「責任編集 戸田ツトム,鈴木一誌」ってな雑誌だけに,縦横無尽にいろんなネタ扱っちっゃてますわ.

春に『袖珍翡翠記』の装幀やったときに,ちょーど90年から100年前のデザインってのを,日本近代文学館の初版本覆刻シリーズ手に取りながら調べてたんで,タヌぼーにしちゃ,ちょっぴりタイムリーな中身ナノダ.

パラパラする限りでも,こりゃスミすらスミまでずずずい〜っと読まにゃって気になるけど,中でもまず目にとまったんは,祖父江慎さんの「原寸! 『坊っちやん』本文組100年」.1906年の『ホトヽギス』掲載以来,これまでに刊行された漱石の名作『坊っちやん』の本文組を,ベラボーな数ほど並べて比較するっちゅー,なんともドエリャー記事ナノダ.日本語の表記とか印刷技術とかが時代とともに変わってく様子が,ひとつの小説の本文組だけで,ほんによ〜伝わってくるノダ.

しっかし,よー調べはりましたな.このネタで1冊本できまんがな.

ほかにも,書体や目次って本を構成するその他の要素から,建築様式や映画の字幕まで,いろんなネタでいろんな人が書いてて,とにかく守備範囲が広いノダ.しばらくほかの読書が手につかんカモ知れんノダ.

ま,列車で移動のときにゃ,引き続き『東海道中膝栗毛』,残り4分の1を読み切るつもりだけどね.『膝栗毛』の話はまた今度ナノダ.

季刊d/SIGN』no. 8
太田出版,2004
amazon / bk1 / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / 楽天 / skysoft

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2004/09/22/Wednesday

『DTP WORLD』の表紙

[ Genre : book | design ]

2004/09/22

その名の通りDTP雑誌で,デザイン情報もたっぷりな『DTP WORLD』の表紙が新しくなってたノダ.今年の4月号から半年続いた表紙は,手に取るのがハズカシイほど受けつけないデザインだったんで,しょーじきホッとしたノダ.
新しい表紙のシリーズって,もしかして毎号違う作家の作品が登場するんかニャ? どんな具合になるんだろ.ま,たのしみにしつつパラパラしていきやしょ.

ラヂオで文学講座[1]『京都冷泉家の八〇〇年』

[ Genre : radio | nihongo ]

2004/09/22

それぞれ次回で最終回なんだけど,NHKのラジオ第2放送で,ここ半年ほど2本の文学講座の番組を聴いてきたノダ.

ひとつは,土曜日の『京都冷泉(れいぜい)家の八〇〇年:和歌の心を伝える』.冷泉家ってのは,俊成・定家っちゅー大歌人直系の旧公家で,代々和歌を家業にしてるノダ.今でも江戸時代に建った屋敷が京都御苑の北向かい,ちょーど同志社に囲まれた敷地に残ってて,昔ながらに年中行事をやってるノダ.ここの文庫にゃ,俊成・定家のもとで書き写された古典籍はじめ,キチョーな資料がたっくさん伝えられてきたノダ.

タヌぼーは,高校のときに『冷泉家の歴史』(朝日新聞社,1981)って本を図書館で借りて読んで,公家の文化にきょーみ持ったノダ.屋敷の解体修理中に開催した「京の雅・和歌のこころ:冷泉家の至宝展」は,福山で見たノダ(広島県立歴史博物館,1998).んなワケで冷泉家といやー,タヌぼーにとっちゃ一方的におなじみさん(笑)ナノダ.

今回の番組,ひと月交替で合計6人の講師が出てんのだけど,中でも最終月の今月の講師,冷泉貴美子さん(先代当主のお嬢さんにして,現当主夫人)の話が,ほんにオモロいノダ.現代人の感覚とか時代背景を対比させながら,和歌にこめられた昔の人の季節に関する感覚や暮らしぶりを,京都弁しゃべる藤田弓子さんみたいな話しぶりで解説するっちゅー(笑).こないだは「ヨーロッパの秋は,恋が終わる『枯葉よ』って歌の秋だけど,日本の秋(旧暦)は,七夕で始まる恋の季節」ってな話があってさ.「へぇ〜ボタン」が手許にありゃ連打するとこだったノダ(ボタンの使い方,もしかして違う??).

歴史編と和歌編,2冊のテキストが出てるんで,放送聞き逃した人はあわてて買いましょ.冷泉貴美子さんのお話は和歌編に入っとりまふ.

京都冷泉家の八〇〇年:和歌の心を伝える(NHKカルチャーアワー:文学と風土)
最終回の放送日時
NHKラジオ第2
9/25/Saturday 9:30-10pm
9/27/Monday 11-11:30am[再放送]
テキスト発売
NHK出版

ラヂオで文学講座[2]『膝栗毛の世界』

[ Genre : radio | nihongo ]

2004/09/22

もーひとつは,月曜日の『江戸文芸を読む:膝栗毛の世界』.こっちゃ1996年から翌年にかけて放送した分の再放送ナノダ.小池正胤センセイが,十返舎一九の『東海道中膝栗毛』とその続篇にあたる『続膝栗毛』の世界を,堅実さに,ところとごろ軽妙な隠し味もつけて解説してくれてはります.録音しといて,BGM代わりにも聴くノダ.小池さんの『膝栗毛』論は,いろいろ活字になったのがあると思うんで,そんなのも読むといいかニャ.

この放送があるってんで,岩波文庫の『東海道中膝栗毛』上下2巻買って,4月からボチボチ読んできたノダ.放送聴きながら以外じゃ,たまに乗る列車の移動時間や待ち時間だけ読んでるんで,ただ今よーやく七編.京見物の最中でおま.続く八編の大坂見物でひとまずおしまいでござんす.

ま,弥次さん喜多さん,別に急ぐ旅でもなし,滑稽譚と狂歌を重ねるばかりの道中記なもんだから,読む方もの〜んびりつきあえばよし.江戸っ子言葉や土地ごとの言葉の会話で進んでくから,古語辞典を引くまでもなく,笑いころげりゃそれでよし.『東海道中〜』だけでも長〜い本だけど,いっこーに肩がこらないノダ.小池さんは整然とした話ぶりだけど,ゼンゼン堅苦しくないんで,いい案内になってるノダ.

江戸文芸を読む:膝栗毛の世界(NHKラジオライブラリー)
最終回の放送日時
NHKラジオ第2
9/27/Monday 9-9:30pm
9/28/Tuesday 11:30am-12pm[再放送]

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2004/09/23/Thursday

「発見された幻の名画:横山大観『海山十題』展」

[ Genre : art ]

2004/09/23

もーそろそろ会期末なワケだけど,足立美術館の「発見された幻の名画:横山大観『海山十題』展」に行ってきたノダ.安来駅から無料シャトルバスに20分ほど乗るんで,しょーじきしんどいんだけど(酔うか酔わんかギリギリの時間なんで),行ってよかったノダ.いや〜,雨の中でも混んでた混んでた.

「海山十題」(1940)ってな,「海に因む十題」「山に因む十題」ってふたつの連作20点の総称で,画業50年と皇紀2600年の記念作品ナノダ(皇紀ってのは,神話上,初代天皇ってことになってる神武天皇の即位した年を元年にしてるノダ).今回は,一部が大観監修の複製画の展示だけど,20点をひとつの会場で見られる初めての展覧会なんだそーな.1940年のお披露目展は,「海」「山」別会場だったってゆーからニャ.

タヌぼーは“戦時下の建築”ってことで論文書いてたもんだから,ほかの藝術分野と戦争とのかかわりってのも,いちおーさらってたんだけど,「海山十題」も出てきますノダ.20点の売上金で陸海軍の軍用機,その名もズバリ「大観号」が4機も造られたから,大観は「海山十題」を通して,画壇の重鎮にふさわしい“職域奉公”をなしとげたってワケナノダ.

画題そのものは,戦争画っぽい感じはなくて,いかにも日本画らしいのばかり.でも,「海」の《黒潮》,「山」の《乾坤(けんこん)輝く》のほか,《霊峰不二(ふじ)》(1944),《海暾(かいとん)》(1946)のよーに,戦時中から戦後にかけての大観作品にちょくちょく登場する真っ赤な太陽をどーとらえるか,これは掘り下げてみるべきテーマかも知れんノダ.

ま,いろいろ並べちゃみたんだけど,あたしゃ実は大観が結構スキでございやしてね(ニャンだ? 江戸っ子か??).

一番は《紅葉》(1931)って六曲一双の華やか〜な屏風絵なんですがね,だけど大観作品ざっと見渡した感じでは,水や光,空気の表現が一番の魅力ナノダ.大観は若いころ,岡倉天心一門のひとりとして,お師匠さんに出されたお題に答える形で,没線っていって,線じゃなくて面による外光描写も研究してたノダ.それが“朦朧体”って,各方面からサンザン叩かれたそーなんだけど,お題そのものは,その後もずっと引き継がれていったんじやないかって気がするノダ.

「海山十題」の中でも,ときにゃ山にかかる雲や霞,靄(なかなか区別つかんニャー),ときにゃ空に溶け込む水平線,ときにゃ荒波の水しぶきになってあらわれて,近代日本画がつかみとった表現世界の一端が味わえるノダ.大観ってなゴリッパな雅号に名前負けしない,スケイルのでっかい画面もモチロン大観らしいけど,天心のもとで出発した日本画革新のあゆみを読みとる楽しみも,大観作品にゃあると思うんだがニャ.

それにしても,「海」の《波騒ぐ》はええニャ.東京美術学校の校長を解任されて“都落ち”した天心と,大観らその一門が移り住んだ,五浦(いづら)の浜の荒波が聞こえてくるよーナノダ.

そーそー,展覧会のカタログにひと工夫あるノダ.う〜ん,何て書いたらええんかニャ〜?? 図解入れんと説明しにくいぞよ.軸装日本画のカタログにふさわしい工夫なんだけどニャ.……ごめん,今日はパスナノダ(ペコリ).

会場のおとなり,大観の常設展示室にゃ,秋恒例だっていう《紅葉》が,もー出てたノダ.世間はボチボチ,秋でんな.評判高い庭園の向こうの山にゃ,大観の絵のよーな白い靄がかかってたノダ.

発見された幻の名画:横山大観『海山十題』展
日時
09/03/Friday-09/26/Sunday
場所
足立美術館(島根県安来市)

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2004/09/25/Saturday

一畑車輌が歴博へ

[ Genre : railway | history ]

2004/09/25

『山陰中央新報』によると,こないだちょこっと書いた引き取り手がつかない一畑電車の旧車輌,今度できる島根県立古代出雲歴史博物館(あー長い)に落ちつくって話になったそーナノダ.

って言っても,車輌まるごとってことじゃないみたいで,「運転席を含む車体の前部約二・七メートルと、パンタグラフ、座席、つり革、車体マークなど」だとか.歴博の予定地は,一畑の《出雲大社前駅》(登録文化財)や旧JR《大社駅》(重要文化財)に近いし,旧《大社駅》にゃC53も静態保存してあるから,鉄道関係の資料を展示するにゃちょーどいい場所なんだけど,車輌の「一部」ってのがね,やっぱザンネンでならんノダ.

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