驚きました．病気療養中という情報は聞いていましたが，まさか亡くなるとは思いも寄りませんでした．まだ44歳．

万之丞さんは，このところ松江との縁が深く，昨年は萬狂言の普及公演や「復元・阿国歌舞伎」，今年に入って松江市から「まつえ文化夢大使」に任命され，来月にはプロデュースと演出を手がける怪談狂言「耳なし芳一」の公演，さらに来年には八世野村万蔵の襲名公演が予定されていました．

多くの人数を動員して，廃絶した日本の藝能を復元・上演することのできる，藝能研究者としてもおそらくは稀な存在だっただけに，今後の動向が非常に気になる人だったのですが……．狂言でも，TVで見た「唐人相撲（とうじんずもう）」の日本人の相撲取り（確か本名の耕介時代でしたから，10年以上前ですが），生で見たかったです．

神経性内分泌ガンで死去との報道に，「余命半年――生前給付3000万円の夢」というTVドラマ（NHK，1998）で，万之丞さんが末期ガンを宣告された主人公を演じていたのを思い出しました．