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一畑電鉄松江温泉駅の解体
石川陽春
2002/01/13/sunday
宍道湖北岸を経由して島根半島の東西を結ぶ島根県内唯一の私鉄・一畑電鉄.その東の発着点である松江温泉駅(松江市)の旧駅舎が,2001年12月にその役割を終え,翌2002年1月に解体工事が始まりました.
1928年の竣工当初,2階はダンス・ホールや食堂として使われ,中央の塔は展望台として開放されていたそうです.大都市の中心に位置する駅に比べると規模は小さいながらも,文化の拠点としての駅のあり方を感じさせます.
後に2階は駅の事務所に機能を転じ,展望台も閉鎖されました.駅舎の古い写真には,角柱形の塔の四方に刳り貫かれた展望窓や,2階の窓の周囲の装飾が見えますが,これらも改装された外壁に覆われました.解体工事中,機会あって現場を訪ねたところ,事務所と化して低い位置にかけ直された2階の天井が取り払われて,竣工当時の天井が現れていました.塔に上れば,セメントで埋められたかつての展望窓の跡を確認することができました.この駅舎が,本来の機能にとどまらない文化的な装置であったころの面影を見る思いがしました.
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2階事務所の天井を取り払うと,竣工当時の天井が現れた |
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セメントで埋められた展望台の窓 |
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1階の壁の内側にはレンガが隠れていた |
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塔の最上部に続くはしご |
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塔の屋根は木造だった! |
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設計 |
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所在地 |
松江市(2002/01解体) |
用途 |
駅 |
竣工 |
1928 |
規模+構造 |
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